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……手作りのお粥は別だもん

マキナ「お嬢様、お粥が出来ましたよ」


少女 「むにゃむにゃ……」


マキナ「あら、もう寝てる、さっきまであれだけはしゃいでたのに」


少女 「むにゃむにゃ、ぐーぐー」


マキナ「起こすのも可哀相だけど、ちゃんとお薬も飲ませなきゃいけないし……うーん……」


少女 「ぐーぐー」


マキナ「………………?」


少女 「むにゃむにゃぐーぐー」


マキナ「フー」


少女 「ひゃあ!? 耳に息が!」


マキナ「狸寝入りだったんですか」


少女 「なんでわかったの?」


マキナ「高性能ですから」


少女 「高性能スゲー」


マキナ「なんで狸寝入りなんか?」


少女 「寝てればイタズラしてもらえるかなと思って」


マキナ「風邪ひいててもそれですか」


少女 「せっかく風邪ひいたんだし、いつもとはちょっと違う趣向がいいよね」


マキナ「例えば?」


少女 「マキナ、お粥食べさせて、『あーん』で」


マキナ「『あーん』はいつもやってるじゃないですか」


少女 「……手作りのお粥は別だもん」


マキナ「よくわかんない」


少女 「マキナは高性能でしょ」


マキナ「高性能でもわかんないことはあります」


少女 「ふふ、私がちょっとずつ教えてア・ゲ・ル」


マキナ「今は早く風邪を治しましょうね、『あーん』ならちゃんとしてあげますから」


少女 「わぁい、マキナ大好き」


マキナ「ありがとうございます」


少女 「じゃ、おねがいね。あーん」


マキナ「……………………」


少女 「あーん」


マキナ「……………………」


少女 「あーん……」


マキナ「……………………」


少女 「ちょうだいよ!」


マキナ「あ、ごめんなさい、可愛いお嬢様に見惚れてました」


少女 「許す」


マキナ「ありがとうございます」


少女 「でも今度はイジワルしないでね」


マキナ「僕がイジワルなんてしたことありましたか?」


少女 「えーっと、ない」


マキナ「僕は優しい執事ですからね、当然です」


少女 「マキナはとっても優しいね」


マキナ「お嬢様だけにですよ」


少女 「やっぱり大好き」


マキナ「ありがとうございます、それじゃ、お口を開けてください」


少女 「あーん」


マキナ「(ひょい)、(パクッ)」


少女 「私の口元まで持ってきたのに自分で食べた!?」


マキナ「もぐもぐ」


少女 「えーん、マキナのイジワルー」


マキナ「(ガバッ)」


少女 「きゃっ」


マキナ「ちゅー」


少女 「!?」


マキナ「(とろぉ)」


少女 「むぎゅぅ……っぷはぁ」


マキナ「ぷはぁ」


少女 「むぅ……」


マキナ「口移しって、初めてでしたけどあんまり良いものじゃないですね、味も薄くなるし」


少女 「うぅ……」


マキナ「やっぱり普通に食べましょうね、お嬢様」


少女 「う、うん」


マキナ「あれ? お嬢様顔真っ赤じゃないですか、どうしたんですか?」


少女 「そ、そんなことないよ、でもこういうことするならあらかじめ言って欲しいな……」


マキナ「サプライズ感があっていいかなと」


少女 「こ、心の準備ってものがあるでしょうが」


マキナ「毎日キスしてるのに?」


少女 「キスの時は私から頼むじゃん」


マキナ「お嬢様は僕からキスされるのは嫌なんですか?」


少女 「そうじゃないけど……なんか、恥ずいじゃん……」


マキナ「…………」


少女 「ご、ごめんなさい、別に怒ってるわけじゃ……」


マキナ「(ちゅー)」


少女 「!?」


マキナ「(ちゅうう)」


少女 「むぐぅ、んんっ」


マキナ「(くちゅっ)」


少女 「みゅぁ……んにゃぁ!」


マキナ「ふふ、恥ずかしがってるお嬢様、可愛いです」


少女 「ふにゃあ……」


マキナ「お嬢様、もう終わりましたよ」


少女 「んにゅぅ……頭の中が真っ白……」


マキナ「キスしただけですよ」


少女 「いつもより気持ちよかったんだもん」


マキナ「そんなに恥ずかしかったですか?」


少女 「嬉しかったけど……でもやっぱり恥ずかしい……」


マキナ「そうですか」


少女 「今度からキスするときは私がお願いした時にして、マキナからするのは駄目だからね」


マキナ「(ちゅっ)」


少女 「きゃっ」


マキナ「嫌です」


少女 「……許す」


マキナ「ありがとうございます」

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