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第4話 ギャル姉とお出かけ

 「みてみて悠弥! あれってゲームのキャラクターだよね?」


 深愛は俺の腕にしがみ付きながらもう片方の手で人気ゲームのキャラクターが描かれた壁を指差していた。


 「……そうだな」

 「なんか適当に答えてない?」


 そりゃそうだ、休みの日に叩き起こされた挙句、興味もない散策に付き合わされているんだ何も言わなくても察して欲しい。


 「あ、もしかしてお腹空いてる?」


 深愛は俺の顔を覗き込むように見ていた。

 言われてみれば朝から何も口にしていなかったので言われればお腹は空いている。


 「お腹すいたからさっさと帰ろ——」

 「それじゃまずはご飯食べようか!」


 深愛は俺の言葉を遮るとつかんでいた俺の腕を放しニコニコとした表情で飲食店を探しにいってしまった。


 「悠弥こっちこっちー!」


 店舗が並んでいる区画で深愛が店の看板の前に立ってこちらに向かって大きく手を振っていた。

 深愛のすぐ隣にはコーヒーとケーキの写真が載った看板。


 「ねえねえ! このケーキ美味しそうじゃない?」


 看板にかけられたメニューをみながら深愛は目をキラキラと輝かせながら俺の方を見ていた。


 「ってことでここでいいよね!」

 「どうせ嫌だと言っても入るんだろ……」


 俺は諦めながら店の中に入っていく。

 スタッフから席に案内されたのは2人席で俺が手前の席に座ると深愛は奥の席に座るとすぐに深愛はメニューを開き、じっくりと眺めていた。


 「チョコムースケーキもいいけどこっちのこっちのトリプルパンケーキも食べたい」


 深愛はこちらにメニューを見せながら、自分が食べたいものを何度も指さしていた。


 「俺もメニューみたいんだけど……」

 「あ、そうだ!」


 俺の言葉で何かに気付いたのか、メニューを俺の方に向けていた


 「チョコムースケーキとトリプルパンケーキどっち食べたい?」

 「自分が食べたいものを選べばいいだろ」


 ちなみに俺はコーヒーとサンドウイッチを注文するつもりだ。


 「両方頼んでシェアしようよ!」

 「は?」

 「さすがに2つ食べるのは無理だけど悠弥も食べるなら問題ないでしょ?」

 「俺はこっちを頼むんだよ」


 そう言いながら俺はメニューの注文しようとしているサンドウィッチを指差す。


 「それじゃ食後のデザートってことで」


 深愛は1人で納得するとスタッフを呼び、チョコムースケーキとトリプルパンケーキ、モーニングサンドウィッチをセットメニューで注文をした。


 「楽しみだね!」

 「……俺は絶対に食べる気はないからな」


 数分後俺の目の前のテーブルに注文したものが並べられる。

 その光景を見た深愛はバッグからスマホを取り出し、目を輝かせながら何度もシャッターを切っていた。

 俺は黙々と自分が注文したサンドウイッチを食べていた。


 「ねえねえ見て見て! この写真すごくよくない?」


 深愛は興奮気味に自分のスマホを俺の顔に近づけてきた。


 「そうだな」

 「なんかすごく適当に答えてない?」

 「いいから早く食べれば?」


 俺は目についたチョコムースケーキを指差しながら話を流していった。

 深愛はムッとした表情をしながらもチョコムースケーキにフォークをつけていく。


 それからお互いに何の会話もなく黙々食べていった。

 俺はサンドウィッチを食べ終えるとセットでついてきたホットコーヒーを飲みながらスマホを見ていた。


 「うぅ……」


 目の前からうめき声のような声が聞こえている。もちろん声の主は深愛である。


 「これ以上はもう無理……」


 テーブルに置かれた皿をみるとチョコムースケーキもトリプルパンケーキも半分近く残っていた。


 「悠弥……食べたくなってこない?」

 「全然」


 俺はスマホの画面を見ながら答えた。

 なんで食べられないのをわかって注文するんだよ。


 「あ、そうだ!」


 何かいい方法が思いついたのか深愛の声に元気が戻っていた。


 「悠弥、あーんして」


 深愛の声と同時に口元に柔らかいものがあたった。


 「うぐ!?」


 口をあけた拍子に口の中に何かが押し込められた。


 「どう? 美味しい?」


 俺は必死に口の中に入っていったものを飲み込むとふわふわの食感とチョコの甘みが広がっていく。

 どうやらチョコムースケーキを押し込められたようで、飲み込むとコーヒーを飲むと同時に口の周りについたチョコをおしぼりで拭いた。


 「何するんだよ!」

 「悠弥にも美味しさをシェアしようかと思って」

 「しなくて結構だ……!」


 怒り混じりの声をあげると俺はテーブルに置いてあったフォークを取りチョコムースケーキを食べていく。

 このままではいつまで立っても帰れないし、さっきみたいなことをされるのはごめんだ!


 「もうちょっとゆっくり食べればいいのに……」


 深愛の言葉を無視して俺は食べていった。

 俺は早く帰りたいんだよ!

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