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銀皮膜
反射と色づきさながら鏡
卑弥呼のときからあったかな
空もそんなに変わらない
たかが砂粒スケールの
そんな僕らの一時代
しかし進歩は確実で
変わらないのは人間だけだ
歯車自体は変わっていても
動かすものは変わらない
先鋭と功は絶えることなく
速度をあげて進んでいく
これから十年なにが起こる?
二十三十まるでわからない
趨勢は決して堅くはない
もしや人ではないのかも?
それともやはり人なのか?
ただ一つわかっているのは
きっと僕は時代の中で
変わらず朝日と月光を浴び
来る日も来る日も皮膜のなかで
多くの輝きを反射し
あるいは吸い込んでみて
やがて剥がれ落ちてしまい
自分というスケールを誰かに知らせ
初めて羽根を伸ばすだろうことだ
良ければなにか残してね




