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灰の行方


 誰かの吸った煙草から生まれ

 風に舞って灰は飛び立つ

 一片のそいつは花びらとかし

 宵街の空をふわふわ浮かぶ


 蟻のような往来と

 等間隔の街路樹と灯り

 ビルはまるで墓場だった

 横たわるものが浮かび上がる

 陽はすでに隠れてしまい

 オフィスの社員背を丸めている

 そんな灯りも等間隔に

 図柄も寸分違わぬようで

 なんの疲労かわからぬが

 妙な切なさ込み上げてくる

 その遥か下には親子連れ

 手には黒黄のケーキ箱

 ハロウィンの近い秋暮れよ

 電車が鳴る

 車が走る

 自転車のチェーン

 革靴の音

 誰か死んだか誰か生まれたか

 それとも可燃性の欲?

 よくわからない、それだけしかわからぬ

 ただ漠然と、風だけが吹く


 灰は縮れて夜に溶ける

 最後に見たのは上の方

 奇怪な星と遠方の冬

 わずかに、煌めいている

 

良ければなにか残してね

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