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スノウドウム


 雪原のなかで夢をみる

 白はこんこん降りこめる

 灰のガラスが天井である

 なんて冷たい風なんでしょう

 ようは鋭い時計の針だ

 曲がっていようが直線だろうが

 そいつは何度も刃を向ける


 こんなまっさらな銀世界

 どんどん冷たくなっていく

 それが生きてる証拠のように

 生きようとする揺らぎが湧くのだ

 眠るときこそ温かいのだが

 それは生死の反対だ

 死こそもっとも生に近く

 生のほんのり少し先にある

 まばゆい寒さが死に近いのさ


 さっきのことを別であらわそう

 生きていると冷たいわけだが

 中心はとっても温かいのだ

 眠るときはよく守るため

 中心は冴えてベールとする

 ゆえに死はもっとも冷たく

 そしてもっとも温かい……

 なんとも魅力の尽きぬものだ


 しかしね、このスノウドウムを見てごらん

 なんて素敵な世界でしょう

 冷たく鋭く生きているとね

 どんどん熱は湧き上がってきて

 やがて景色が変わってくる

 そいつは虹となるやもしれん

 はたまた灰のままかもしれん

 しかしね、願わずにはいられないんだ


 死してなお死のうとはしない

 しかし生は違うのだ

 生きてなお生きようとする

 僕が埋もれてしまわぬように

 願いをやめてしまわぬように

 夢と生きてし、遊んで死すれ

 煌めいて朽ち、星宿し死ね


 僕はまだ雪原のなかで

 結晶のうちに夢をみる……

 

良ければなにか残してね

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