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渚と城と、平面世界
窓外に見える染まった雲に
色んな時間が揺蕩っている
部屋の片隅その空を吸い
僕は思い出を味わってみる
悪魔の囁きすべての始まり
今ではこんなに愛おしい
最後に告げたの別れの言葉
今になっては狂おしい
ふわふわ漂うような雲
剛力中身はセンチの層
ちりばめキラキラ笑う屑
ぶつぶつ蔓延る汚泥の君
支柱円満貫いた王
他にも多くの三下やっこ
それぞれ火炎と冷や水揺らし
ひとつの時間を刻んだようで
いずれは風化の一途だろうか
これほど哀しい物はない
ああ、沈みゆく、ひとつの刻が
ああ、かたわれの、最後の夕
僕らは落ち着きはらっているが
一瞬間の、煌めき見るよ
いつか思い出す頃なろう
あの刻刹那の傲慢と、永久棺の哀しさの
微笑と薫風旋律に、浜辺彷徨う旅人に!
ああ、潮騒の、香りの中で……