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まっすぐな廊下
白鏡の壁面並び
床はこれまた暖色の白
照明そこここに程よくあり
たまにカメラや扉がある
世ではこれをリミナルと呼び
言われのない不可思議を呼ぶ
それぞれ差異あるなにかを感じ
幻視や幻聴を創造する
サラウンド、ソノリティ、まるでイデー
儚くも反り立つイエスタデイ
あるいは景色、あるいは別色
たまに誰かがやってくる
違和感であり、そうでないような
なにかよからぬものを感じる
はるか昔から知っているような
表層にないさまざまなもの
それ、想像してみてよ
ホテルのように扉が並び
淡い照明が影を立たせて
それが永遠続いている
僕の場合、そこに人はいない
誰でも
良ければなにか残してね




