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心象と封魔
魔笛の響きに象が鳴く
心臓のうめき高鳴っている
いつも見えるのは同じスケッチ
一本の木となだらかな平原
そよかな風と未知の惑星
朝霧立ち込め白線と香る
建物などない草木の海
黄金の泣きがほのかに
力も祈りも存在しない
そして同時にそれは円の中
しかし恐れは存在する
世界の崩れがはびこっている
しかも僕は温かいのだ
どんな綻びも散りとなり
泡沫の空に消えにける
針はどこにも見当たらん
僕はそれがどこにあるか知っている
蟻の声がはっきり聞こえる
僕は草原に横たわり眠る
良ければなにか残してね




