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ルルル・ハルジオン
そいつは花でも薬でもねぇ
唯一末端価格のなにかさ
藍も紫も匕首のよう
ぎらぎら呆けてあちこち刺す
浴びる雨はナイフの輝き
妖しくどこでも孤立無縁
ああくそったれがなんて寒さだ!
鼻先がひどく冷えてやらぁ
影のほうがよっぽどいいや
手足も顔もこんなに伸びてら
まるでホールの支配者だ
こんな道化は見たことがねえ
フォークの刺さった皿に写る
ぬいぐるみ腹の真っ赤な虚無は
さながら人間震える手先
さあ食べられるのはどっちだ?
るるんらんら、るんらんらりあ
良ければなにか残してね




