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フィールライク
上を向いても変わらない過去
タラもレバーも食いたい気分だ
下を向いても終わらない未来
すべては君のお気に召すまま
線上点の今はどこを向く
東か西か、どちらかが陽だ
遠いやまなみの空は映え
雲はたなびき紫も混じる
なにを想うかその景色から
故郷かそれとも焦がれた街か
やって来るのは朝陽か月か
どちらであっても寂しいものだが
しかし寂しさは悲しみじゃない
満ち足りていても滲み出てくるし
満ち足りずとも穴から湧き出る
臓腑に昇った新月のようだ
周囲を泳ぐ魚は藍色
濫觴はいつもそばに灯る
これからも僕らどこかを向き
なにかを見つめて死にに行く
ある日訪れるまでに君も
気の進むほうへ手を叩こう
なにもすべては地球と同じ
……どこへ行こうか?
良ければなにか残してね




