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百日紅
どれほどの時が経とうとも
花のごとく在り続ける
しかしいつかは滑り落ちるのだ
時代という名のなめりがわへと
緑葉の先に散る火花
風にふかれてよく香る
それは千年変わらぬものだ
もしや万年変わらぬかもだ
ただひたすらにじっとしている
それが彼の生きざまであり
変わらぬ証の億根っこ
歩き出したらそりゃ別だ
すべらせるのは逃れるためだ
雨風の摩擦するりと流し
孤独の時間をさら流し
滅法催促おくらせるのだ
彼のように生きてみようか
なんら変わらぬ自分であるが
どこかにあすかはあるはずだ
心臓にでも植えておこうか
良ければなにか残してね




