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望郷
夢も昼間もそう変わらで
なにを望んでも光陰に消え
シンドロームのようなこの世は
なべて均一砂漠のキャラバン
百鬼夜行でもけしかけようか
旗持ち虚偽持ちみんな集まれ
僕は億光年の流れ
正気も狂気もあったもんじゃない
旅の終わりはいつ来るか
いまかいまかと待ちわびて
けれど来るのは渇きばかり
あゝいつまでも仄暗い道
亡き月の王はどこへ行く
里に灯るは夢の果て
それはまるで陽炎の脚
どこへどこへ行くのだろう
考える葦は人間なのか
前時代信者の亡霊め
結局墓場で沈黙の春
永遠はそこにあるのですか
因子をどこかに遺せたら
それが答えとなるのでしょうか
知らないものを知ろうとする
人のサガには逆らえぬ
夢も昼間もそう変わらで
光陰の先に辿り着くまで
あるいは救いを求めては
僕らは思慮なく歩いていく
良ければなにか残してね




