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有為的スペクトラム
誰がために夜は明ける?
誰がために朝はやってくる?
そんなことなど、どうでもよい
ただ空は巡って重ね替える
あの雲も雨も風も単生物さえ
己を動かし軌跡を残す
そこに道など出来ずとも
誰が定めた証もなく
ひたむきに明日を残していく
そこの小石に時が眠る
あの花々もそれを隠してる
それはまるで……宇宙となんら変わらず
ひたむきに明日の糧になろう
ここは世界の集まりだ
それらは干渉の果てに結晶化し
また別の宇宙を作るだろう
それがどんなに見えぬものでも
何も無いことにはならない
これを知るには僕らは足りない
光の中を行けないからだ
どれほど深化を重ねようとも
透明砂を掴むようなもの
僕らはそこに煌めく砂金を
ただ拾い集め掬うにすぎない
ひたむきに勤勉に
僕らは重ねていくしかない
原初となんら変わりない姿で
こだまを追うがごとき眼差しで
果てた朝陽に笑おうじゃないか
針の間隙に笑え、友よ!
良ければなにか残してね




