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空想的立方体で
時間を外れて夢を見ている
左脳的直感に踊る身体
ここは立方体の中
外の形はなぜかわかる
ここに時間的軸はない
ただしまた別の軸がある
それを知りたいと思うのだけど
あまりに透明で見えやしない
誰かが机に座っている
顔は白くてわからない
けれど声音で直感する
あれは……誰かの親である
部屋はそれぞれ異なっており
窓辺も模様も異世界だ
宇宙の夢とはこんなだろうか
パラレルワールドの垣間見だ
やがて疲れて座り込む
(夢で疲れるとはこれいかに)
そこにはなんにも映らない
まるでがらんどう現宇宙
ふとした信号暗闇に映る
目覚めのときが近いのだ
それは長くも短くもない
やがて全てが白と地平線
立方体はおりたたまれて
別の宇宙から消えていく
元の場所へと戻るのだろうか
そうして最後に、僕が閉じる
(きっとサイコロみたいなものだ)
良ければなにか残してね




