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昼下がり
まなこ惑わす時間とは
星夜やたそがれなどではない
まなこ惑わすは昼下がり、織りなすラムネと綿飴だ
その景色一見鮮やかで
淡くもくすみも含んでる
不気味の谷間にいざなわれ、ふんわり舞い散る蝶の様
鱗粉のごとく緑さし
時折雨など振り撒くが
一様なしては異邦人、さりとて心は鏡に同じか
まったくおかしな不思議さだ
言の葉紡ぐが塵に散る
さては妖術妖怪か、または絵画か白昼夢
刻の涙が滲み出る
それが昼下がり一匹よ
此方の毒より私は眠り、瞼上げるころそいつはいない
昼下がり、色は好きなんですけどねぇ……




