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鏡界銀河の卵中で


 この血で終わらせることと

 この血でいま始まることの狭間で

 僕らは気づかず声を上げる

 なんの意味も知らないで



 

 走り始めた僕らは透明

 まるで夜明けの露玉だ

 箱庭の朝を自由にめぐる

 そよかな風に翼を広げて


 やがて僕らは飛び出した

 翼はやがて大きくなった

 けれど翼は脆いままで

 気づけば赤が滲んでいた




 声を上げた始まりの血

 それはいつか終わらせた血

 僕らの中にある血だまりに

 真っ赤で小さな陽だまりだ

 意味も答えも持っちゃいない

 それでも僕らは走り求める

 



 飛び出した過去を水面で見ると

 それは黄色と青の昼下がり

 いつしか翼は広げることなく

 蔦の冠鈍く光るのだ


 黄昏は流れプラネタリウム

 翼はとっくに折れたけれど

 北極星は知ってるだろうか

 僕らの中で鳴る合竹を




 いつか忘れた始まりの血は

 もうすぐ終わる血と同じだ

 僕らの中にある血だまりは

 紺碧の空とさだまりを映す

 意味もことわりも知るはずはなく

 そうしてこの地で石となる




 僕らはいつしか

 恐ろしく悪い夢の中

 そこに裸足で立っている


 けれど僕らは走り出す

 あざみもいばらも踏んづけて

 いつか誰かの血のために

 風と翼は僕らの答え




 声を続ける終わりの血

 声を上げるさ始まりの血

 僕らの中にある血だまりは

 いつかの日々を照らす陽光だ

 意味も答えも僕らは知ってる

 それでもと言って走り出すのさ


 ぴょうひょうるるる、ひょうるろう


 ふるりゅひょうひょう、ひょうるるる


 すー、ひゅるる……

 

良ければなにか残してね

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