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病はいずれ
篠突く雨の隙間から
いろんな色がやってくる
そいつは口から入ってきて
生命機関にちょっかいだす
白いやつは夢を見せる
赤のそいつは鉄を匂わす
緑はいっつも笑って刺すし
青は潮風運んでくる
黄銅色には助けられて
黒の側面いつもあやふや
空色の果てにいつも太陽
料理と同じようなもの
どうにも僕は水性らしい
いつも流して溜め込んでいる
それでもぽっかり空いた穴は
固形物で埋めるしかない
病はたまに固形物だ
それで満たしてしまえたなら
僕はいつでも受け入れよう
色彩のようなモノクロームを
そうして混ざって果てに黒
すべてが病となったなら
消し炭となって空に落ちる
人生唯一の正しき姿だ
良ければなにか残してね




