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物憂げと霧
しとしとぱらぱら、雨の声
窓際つかんで離さないよう
やがて雨足はやばや鳴って
のっそりぞわぞわ、霧が降る
ほのかな山肌その隅々に、これまた黒々葉っぱの覗く
ときおり大きな雨粒垂れて、ごちごち岩肌穿つらしい
曇りまなこに陰の刺す、とんがり心が覗いてる
稜線輪郭まばらです、見てるとこっちも溶けそうだ
そうかそうかと独り合点、ついには雨なか踊り出し
袖縁濡らして髪振らし、泥中飛び込みぶちまける
そうだそうだ溶けてしまえ!
雲縁なくして大気となれ!
地を打ち鳴らして声を上げ!
ほのかな心を無くしてしまえ!
やがて晴れ間が覗く時、風に流れて去り行こう
霧はさっぱり溶け込んで、大地の臥所に入るだろう
喉打ち鳴らして声を上げ、瞳に花々散り咲いて
永久ならざる酔生夢死に、凱歌を踊りて祝祭事を
ああ、霧と雨!
めぐみと慈愛のベールをまといて……
雨と霧こそ、内省の顕現ありて……