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一切無常山村の青
一切無常山村の青
隔てた窓から見えるのは
一切無常の青と雲
桜を纏ってみるは春
豊かな香りと光年の芽吹き
隆々の盛りは夏の色
朝から晩まで大合唱だ
隔てた窓から見えるのは
一切無常の青と雲
色めいてなおも秋の紅
ひらひら舞い落ちて見えるのは
銀の世界は冬の情
言葉はとうに死んでいる
隔てた窓から見えるのは
一切無常の青と雲
どんな新芽を見てみても
僕よりずっと大きい気がする
空をも凌駕しこの星はある
それが芯から根づいている
隔てた窓から見えるのは
一切無常の青と雲
けれどいつかは僕も同じ
あの山の一部になるのだ
どこへ還るかはわからないけれど
不思議とそんな気がするのだ
その後どこへいくのだろう
あてもない言葉は移ろいゆく
誰か知っているのなら
よければ教えてください
知って、いったいどうするのだろう
良ければなにか残してくださいね




