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見えるもの


 夜の影はとっても大きい

 よくよく闇を見てごらん

 そこにぼやっとあるだろう?


 それは君の影さ


 昼間は内にこもっていて

 夜は少しずつ広がって

 だんだん僕らと離れてく


 それは君の影さ


 不思議だけれど本当だ

 僕より大きく見えている

 それがなんだかちくちくする


 それは僕の影だ


 小さい僕と大きなあいつ

 どこか器まで広そうで

 なんでも抱いてしまいそうだ


 それは僕の影だ


 髭もよく生えているのだろう

 声も野太く渋いだろう

 なんだか僕は余計に小さい


 あれは僕の影だ


 身体も丈夫で穏やかだ

 よく目立っていて影も濃い

 人望もきっと厚いだろう


 あれは僕の影か


 汗の煌めき爽やかで

 夏の晴れ間によく似てる

 どうして僕らは違うのだ


 あれは僕の影か?


 どこまでも遠く飛んでゆく

 時間の進みも遅いのだ

 ゆっくり速く強いはず


 これは影の僕?


 たくさん読んでたくさん喋って

 欲しがることなく黙々と

 ただひたむきに生きている


 これが影の僕


 朝を迎えると消えてしまう

 僕もいつのまに忘れてしまう

 それはいつでも僕なのに


 それは僕の影だ


 僕のはずなのだ

 君のはずなんだ

 だけれど求めてさげすんで

 望まないものを手にするばかり

 悔しい、憎い、赦し難い

 そんなはずはないのにさ

 黒と黄色が歪に混じって

 腹の奥底とぐろを巻いてる

 いまか今かと待っている

 まるでひまわりの枯れ黒のよう……

 

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