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無頼
君は誰かに身を委ねるか?
満身創痍の日々やかに、とうとう潤すものも果て
新たな風などいらぬよう、こもる内には凪の海
ずんずんずんずん深間に入って
深海よろしく安寧に至る
安寧の籠は春日和の陽
刺すものあざけり、見るもの黙する
揺蕩いの中でゆっくり眠る
朝など君には似合わないから
いらぬいらぬの心身に
慈雨は降らない、叫ばない
焦土と化したバシリカに
さめざめしとしと、灰のつもろう
果てに鳴ろう音、玲瓏に
この地に残す、ものなどあろうか
必要などない、持っていけ
置いていくのは還るときのみ
よるべの外装ものものしく
君にはやはり、似合わない
せいぜい草花はんでいろ
人世の中に、癒やしなどないのだから
さしたる違いはないのだけれど
彼らと君との間には、ふかぶか海溝、神殿よろしく
泡沫のそばに寄り添うごとく
あまねく光の、依代となろう
君は誰かに、身を委ねるか