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流流、三日月ぞら
僕はこの地で三日月を見た
それは見事な金色だった
辺りに散らばる星どもは
まるでモールと同じだった
彼は悠々開け空に舞い
濃密な幻を僕に見せた
そのひと空間に僕は居たくて
たまらず片手を彼に伸ばした
それは時間の外側にあった
別の闇夜にすーっと流れた
僕はちらりとそちらを見た
流れていたのは一筋の光
それは夜空の落涙だった
ふと僕は光に願いを込めた
言葉ではない心音の希求
それはきちんと現実のようで
あっという間に空を流れた
僕は夜空を見渡していた
嬉しい嬉しい、僕は踊った
悲しい悲しい、三日月は言った
楽しい楽しい、流星は嘆いた
寂しい寂しい、夜は包んだ
夜は球場ドームとなった
流星ぐるぐる明滅とする
三日月の彼は囁いており
僕は一人、ただ生きていた
光を浴びて、僕は彼らを抱きしめる……
良ければなにかを残してください




