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水底にて


 この苦しみはどこから来るのか



 

 なにをしようとなにを練ろうと

 湧き出す渦はうねりをやめない

 腹底からか、それとも脳髄か

 とにかく飽きもせず苦悩はやまない


 分解できてしまえたら楽か

 けれどきっとそれは虚数だ

 実在しつつも決して掴めない

 間接的に私を追い詰める


 ああ、消してしまえたなら

 あの空みたいに澄み切ってしまえたら

 しかし雲は湧き立って

 仄暗くあたりへ立ち込める


 早くどこかへ行ってしまえ

 これ以上なにをどうしろというのだ

 私になにをさせたいのか

 苦しいくるしい……水底の旅



 

 這いつくばって三千里

 岩に傷つきうねりに飲まれ

 それでも死ねない気弱な私に

 いったいどこへ向かえというのか


 許せない、ゆるせない

 お前を底から恨み睨む

 私を恨んでいるのだろうか

 いったいなにを怒っているのだ


 望まない、拒絶する

 しかしいつのまに喉を通って

 私の知らぬ臓物へ入り込んで

 そうして辛苦を生み出し這い出る


 黒とも青とも形容しがたい

 お前はいったいなんなのだ

 いい……そちらがそうなら私もそうだ

 二度と離さずお前を染める


 喰らい尽くして分解して

 いつか捻り出し海へ還そう

 そうしてお前は水底に沈み

 私は海面、陽に満ちた場所へ


 そうしてお前はどこにも行かず

 どこにも行けず

 私のケツを下から眺めて

 手も足も出せず死んでいけ


 苦しみ、お前はのたれ死ね

 

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