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オルタナティブ・ペイン
虚しくも鳴る有機のブリキ
寂しくも笑う円筒の鋼
黄リン沈殿泡沫の底
堕胎大体大大大好き
絵の具の景色はいつも硝子張り
スポットライトはぐるぐる回る
銀の宝石しらしらと
ぜんまい舞台のタップダンス
有刺鉄線ぐるぐる包み
針のお城をこれでもか
中には多くのガラクタばかり
詰まっていようと無用である
火炎の春にのそのそ狂気
ラムネの夏に胸打ち鳴らして
革の秋には火鉢の静けさ
手鏡の冬に眠り冷める
黒漆の四肢には不毛絡まる
ピカソの顔には不安が宿る
からくりの脳にオイルさらさら
針金の背でガリガリと削る
返せ、返せ、それは消耗
願え、願え、それは干渉
愛せ、愛せ、それは糞尿
消えろ、消えろ、それは未来
おたまじゃくしの大行進
線と点々意味はわからぬ
絵の具の輪郭ぼやぼや揺れて
渇かぬ欲は、果たして誰の……?




