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愛の依代
愛がなにかはよくわからない
あまりに境界がないからだ
ただ一つの愛ならばわかる
それは見返りがないからだ
ぬいぐるみを愛している
可愛さ以上に寄り添うからだ
もふもふしていて温かい
それはわたが詰まっているからだ
抱きしめるとなにか温かい
勝手によくよく愛しているからだ
返事も動きもない君に
僕はいつでも寄り添いたいからだ
人恋しさがそうさせるのか
返事のない君が欲しかったんだ
その魂はどこにもない
あるのは僕との繋がりだけだ
望んでいるのは誰かの愛?
違う、自身を愛することだ
僕は誰かに愛してほしいんじゃない
僕は誰かを愛してみたい
他でもない僕を、愛してみたい




