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月に眠りたい
欲は光と共にあった
妖しく光るも煌めくも
全ては影を創り出した
欲は言音と共にあった
奇怪なリズムも甘い響きも
全ては輪郭を伴った
そんな世界のただなかに
数多の意味合い重なりて
僕らは意味なくやってきた
現世不思議と訝しむなく
僕らは必死に喘ぎ出す
幸か不幸か星にもわからぬ
もがき苦しみ生み出す言音に
よその人様興味などなく
それらは臥所へ堕ちていった
どうにか恒星宿らせようとも
やはり人々別の光へ
僕らの心に黒点残る
僕はもうすぐ月に眠りたい
この重力から抜け出して
空に浮かんだかの土地へ
引き留めるものはなにもない
あの柔らかく照らす楽園へ
ワンダーランドで眠るのだ
そこには尽くせぬ典雅な河と
安息の香る花畑がある
そうして僕は、眠るのだ