クランクシャフト
雨が嫌いな人がいて、雨を好いてる人がいて
嫌いだけど好いていて、好いているけど嫌っていて
どうにも僕らは気まぐれだ
雨を弾いてしまうこと、雨を恥じてしまうことも
雨を受け入れる人がいて、雨を拒絶する人がいて
それでも僕らは同じではない
かき消すような雨が好きで
ベール被ってしまう人も
またその逆がいようとも
風雨雷雨が好きな人がいて
音に狂えるまにまに挟まり
またその逆がいようとも
僕らはわかたれそれぞれ好む
それら全てが嫌いな人も
どうにかこうにか好きがある
人間どうにも不思議なものだ
それらを知ってか知らずにか
大同小異を嫌う人もいる
それを愚かというほど人は
それら人々と同じになってく
その時だけは、違うと唸る
さんざん再三嫌になっても
やっぱり僕は人が好きなんだと
雨と同じく好いているのだと、自身が響く
みんな違ってみんな良い
そんな言葉は何遍も
いくらか強めに反芻するけど
そう、するけれど
ならばこの殻はどうしたものか
どうにも手放せないでいる
地に這う木元の大根のように
みしみし変わってゆけるなら
僕は風へとなれるだろうか
やっぱり嫌いでやっぱり好き
ふつふつ沸く空どうにか冷まして
なんとか変わってゆけるなら




