反射惑星
アクリルの屋根に惑星がある
ハゲた頭皮のモノクロみたいだ
地表は波紋を絶えず作り出し
月面世界の梅雨らしい
雨、街灯、未発見宇宙
そこにいるヒトはどんなだろう
あそこの山は高そうだ
緑はいないし海もないようで
ちょっぴり寂しく思ってしまう
それは地球に住んでいるからで
月のうさぎはそう思わない
勝手な想像だけれども
月、寂寞、未発表宇宙
あそこの歴史はどんなだろう
きっと戦争はあっただろう
それでもこうして見えている
それだけで星はよいのだろう
宵街のなかに静かな惑星
電波信号でも送ってみようか
微かな音楽、小さな音色
僅かな時でも笑っていてくれ
観測としての感傷である
国、安寧、未開拓宇宙
文字に起こせど判然としない
たったフレームの一想像
こんなときでもぐるぐる回り
自転公転ボイドの粒子
一瞬の僕と反射夢
たいした色味はないけれど
僅かな光を掴めたならば
そこに温もり宿るならば
絶えずどこまでも映り続ける
一人劇団、フィルムロール
雨にさよなら、屋根にさよなら
反射惑星、さようなら
僕、散策、未開拓宇宙
良ければなにか残してね




