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第七話 私と出会い

「ねぇ、アース、私も森に行っていいかな。果物とか探したいなって思って。」


夕食の途中、ふと思いつきアースに問いかける。

『良いんじゃない。お前つよいし。』

『あ、おれよりかは弱いけどな!』

…最後の方は読み取れなかった気がするが、森に慣れているアースから許可が出たので大丈夫なのだろう。森は森でも、この辺りは日当たりも良く見晴らしも良いので迷子ななることは無いだろう。

『お前、まほう使えるだろ?』


「あぁ、うん、魔導書の…どこだっけ、無詠唱…魔法?かな、それを練習してるところ。」


自分で言うのもなんだが、私は努力家なのだと思う。いや、魔法が自分に合っているだけかも知れないが…とにかく、毎日練習をしているので努力はしているほうだ。

ちなみに無詠唱魔法とは、無詠唱の魔法ということだ。つまるところ、私も本に書いてある知識しか無いので、よく分かっていないのだ。

『一応おれも行く。』

「うん、ありがとう。」

その時の私は、少しばかりワクワクしていた。


_________________________________________________________


「え、凄い綺麗な花………。」

「…!これアースが昔食べてた果物だ……、私も…。」

「………甘い!」


年甲斐もなく、目を輝かせながら森の中を進んでいた。

こんなにワクワクしたのはいつぶりだろうか。

色とりどりの花、見たこともない果物に不思議な鳴き声の小鳥、遠くから聞こえる低音の唸る様な声…。


『楽しそうだな。』

ふいに、笑いを堪えているアースに声を掛けられた。


「え?そう…かな?」

少し気まずくなって答える。

『うん、お前のそんなえがお、初めて見た。』

そう言われるまで、自分の顔の緩みに気づいていなかった。改めて言われると、今までのことが全て恥ずかしくなってきて、アースから視線を逸らした。


そのまま森の奥へと進んでみる。


「…あれ…?」


目線の先に現れたのは、暗い洞窟だった。


「ねぇ、アース、ここ入ってみようよ。」


奥は光源が全く無く、不穏な空気が漂っている。しかし、私のテンションは普段と比べて、かなり上がっていた。そのテンションによって後押しされた探究心は、そう簡単に曲げられるものでは無かった。


『良いけど、迷子にならないでよ。』

アースは心底呆れた顔をしていた。

そんなアースと一緒に、未知の世界…洞窟に入ることとなった。


_________________________________________________________________________


そこからともなく湧いてくる水滴の音が時折聞こえる。


「アース、凄いね…洞窟なんて初めて。吸い込まれそう。」


『そうか。』

そう答え、アースは辺りを見渡す。

何かあるのだろうか。洞窟といえば宝石、という勝手なイメージがあるので、もしかしたらアースもそうなのかも知れない。

もし宝石があれば売れるし、頑張ればアクセサリーになるかも知れない…。

なんてどうでも良いことを考えていた矢先のことだった。


大きな獣が発したとしか思えない重低音の唸り声が聞こえた。

しかも、かなり近い。


動揺していると、響く足音が近づいてくる。


「え、、?」

嫌な予感がする。


「我の眠りを妨げる者は誰だ。」

耳に響く低い声だった。


「ぇ…………?」

そこには群青色の鱗をもつ巨大な龍が居た。

龍……いや、ドラゴンと言うべきかも知れない。とにかく大き過ぎる怪物に怖気付くしかなかった。


『おれだよ』


突然、厳しい表情でアースが前に進み、群青色の龍を睨む。

「えっ、」

「……は?」

低く響く声と私の戸惑いの声が重なった。


『だから……おれだよ、アグアベール・ラ・ピオニー……今の名前はアースだ』


龍と私、もはやその場の空気までもが、ぽかんとしていた。

「アグアベール・ラ・ピオニー」その名前に聞き覚えはあった。

確か昔読んだ歴史学の本で…、、かつて世の森林を統治していた神獣…。大昔に姿を消してしまったので、その存在は未だ何も分かっていない。みたいな……………え?

「え…?ア、アース、冗談は良くないよ、!ほら、帰ろ!…お邪魔しまs……」


「まじ?」

重低音の声には似合わない、陽キャのような聞き返し方だった。


「え?まじ??まじで?なんか見た目変わったね、人間の見た目だったっけ??もっと怖そうな顔してなかったっけ?それよりっ!我は、おこなの!ちょーー心配してたんだけどっ!ピオニっちなら言ってよ!我びびって演技しちゃったじゃーん!!てか、その女の子誰??まじ可愛い!!マブダチ見つけちゃった感じ?…………あ、もしかして彼女!?生涯添い遂げちゃう感じ!?!?やーん!成長したねぇっ!!あ、彼女ちゃん!我はリンドゥラ!なんか響き可愛くないからリンちゃんって、気軽に読んでねっっ!!」

一息にそう言ったあと、大きな目でパチンとウィンクをした。


「えっ?あ、はい、リンちゃん……」


目の前のアースが特大のため息をついていた。

『お前のその長い話は変わらないな。』

いかにも不服そうな顰めっ面でこちらを見た。

「ねぇ、アース?その……アグ………なんちゃらピオニーって名前、本当にアースの名前なの?」

そこで横から入ってきたリンちゃんことリンドゥラが説明してくれた。

「ピオニっちは、本とかに載ってる森林を守っていた神で間違い無いわ。ある日突然姿を消したんだけど……それは本人から聞かないとね?」

そう言われて、アースはまた特大のため息をつく。

『それは……』

ここまで!!

8話もなるべく早く書きます!!

コメントなどなどお待ちしております!!!

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