第二話 私と子熊
『第二話 子熊と私1』
そうして今に至る。
「あぁ、そういえば…えーと…任務に失敗して殺されて…それから女神にあって………て、転生したのかな…」
あれこれ考えていると、ふと足元に何かが落ちてきた。
「あれ?」
そこには、『イースター・リリー様へ』と書いてある手紙があった。
不思議に思い、拾い上げて中身を見てみる。
『イースター・リリー様へ
新しい人生はどうでしょうか。
いきなりですが、後ろをご覧ください。』
手紙の指示通りに振り返る。
そこには…
こじんまりとはしているが、住みやすそうな木の家があった。
勿論、それだけでとても驚いた。
しかし、もっと驚くべきことがあった。
玄関には、まるで人形の様な子熊が寝ていた。
「え、?熊…?」
手紙にこの熊の事が書かれていないか探した。
『家です!ここで、ゆっくり過ごして下さいね。
他にも、地図や食料、生活必需品は家の中にあります。』
手紙はここで終わっていた。
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「子熊って触ったらいけないって聞いたような…」
子熊の近くには親の熊が居るという話を聞いたことがある。安易に子熊に触れてしまうと、親熊は子熊に危害を加えたと勘違いして襲ってくるそうだ。
しかし、触らないわけにはいかない。
「…とりあえず触らないように家に入るかな……」
そろそろと忍者のように近づいた。
しかし、あと3歩くらいの位置で当然もように子熊はむくりと起き上がった。
「…まじか」
前世の仕事柄、隠密行動は得意だと自負しているつもりだった。
子熊は、あろうことか、『二足歩行』で、ぽてぽてとこちらに歩いてきた。
私が固まっていると、すでに子熊は足元にきていた。
「……子熊、親は?」
名前は知らないので、ひとまず子熊と呼ばせて貰うことにした。
「って、通じるわけな………、!?」
流石に異世界でも、動物との意思疎通は出来ないと思っていた。常識を根本から覆す、それが異世界というものだった。
子熊の手には、ホワイトボードのような物が握られていた。
『おやはいない。なまえはない。』
まるで習いたてのような字が書いてあった。
『やしなえ。』
とも書いてあった。
なんと傲慢な熊だ。しかし、残念なことに私は、子熊一匹を外に放り出しておくほど道徳心が欠けている人間ではなかった。
「私は伊佐田……ううん、イースター・リリー。役に立つなら養ってあげる。」
にやりとそう言い返し、女神から頂いた家に招き入れた。
【次回予告】
リリーと子熊がその後目にしたのは女神様からの贈り物で_______________!?
目の当たりにする「非」日常思い出す前世…。
お楽しみに!!!!
【猫背もち(作者)より御礼】
この度は、「「元」下っ端暗殺者の異世界スローライフ!〜生意気な子熊を添えて!?〜」を読んでいただき、誠にありがとうございます!
いやー、いいですね女神って…(?)
なんとなんとの第2話!!どこまで続くのでしょうか……?
皆様が楽しんでいだけますよう頑張りますので、何卒宜しくお願いします!!
コメントまってまーす!!
ではまた、3話でお会いしましょう!!