3話 シュテルvsイザヨイ
昨日、ヒョウガにボコボコにされ、流石にシュテルも訓練をしようと言い出さないと思ったが昨日のことを忘れたかのように今日もシュテルが家に入ってきて言った。
「訓練するぞぉ!!!」
バカじゃないの?と思いイザヨイが
「嫌に決まってんだろ」
と答える。しかしシュテルはそんなイザヨイの言葉を無視して「偉大なる星の力」を発動し、無理やり小さい星の上にイザヨイとサゲンを乗せて訓練場へ向かった。
当然ものすごいスピードで移動している星の上から降りられるはずもなく3人はもう一度訓練をすることになってしまった。
試験まではあと4日あるので1日前に調整をして試験を受けようと思っていたが、シュテルのせいで計画がグチャグチャだ。
訓練場に着きシュテルが対戦ボタンを押す。
空中に対戦表が表示された。シュテルvsイザヨイ
昨日のシンファン・ヒョウガに比べたらまだ優しい相手だと思うがそれでも勝てる確率は低い。
ふと横を見たらもう一つ対戦表があった。サゲンvsオウマ
その男は茶色の短髪でシルクハットを被り背中から悪魔の羽と悪魔の尾のようなものが生えていて緑色の服を羽織り目つきが(ヒョウガよりは大分いいが)悪かった。
横を見ていたら、隕石が目の前を横切った。
「お〜いなんでよそ見してんの?」
シュテルを見ると少し大きな隕石に乗って浮いていて周りに大量の隕石が浮いていた。
「お前じゃ相手にならないからなー」
わざと煽ってみる。
「は?」
とシュテルが言ったと同時に無数の隕石が飛んできた。
ドルクアンガレフの威力を上げ大量に放つ
ドルクアンガレフと偉大なる星の力の小さい隕石がぶつかり、隕石だけ砕け散る。
無数のドルクアンガレフがシュテルに向かっていく。
「ステンドバビーエガー」とシュテルが言った途端シュテルの周りに浮いていた星がシュテルの周りを高速で回り始めた。
ステンドバビーエガーに当たったドルクアンガレフは全て砕け散った。
コイツの「力」は強すぎる…
こちらの攻撃は通らず、アイツはそこまで魔力を消費せずにこちらに無数の攻撃を与えられる。
だったらやることは一つか…
『一撃で終わらせる』これに全力をかけてシュテルをK.Oする。できなければこちらの負けだ。
「ヘイヘイ!どうしたのぉ〜」
シュテルが元気そうに星の間から姿を現す。
やはり1発も当たっていなかったようだ。
「リルンドングラハイド」と思いっきり叫ぶ。
イザヨイの右手にドルクアンガレフを遥かに上回る魔力が集まり訓練場が揺れている。
「わぁお やばそうだね」と言ってシュテルはステンドバビーエガーを強化して守り体勢に入った。
「ハァァァァァ!!!!!!」思いっきり右手を突き出しリルンドングラハイドを放つ。
リルンドングラハイドはステンドバビーエガーを簡単に貫き訓練場の天井に当たった。
勝った!「よっっしゃぁぁ‼︎」と叫んだ瞬間耳元で声がした。
「嬉しそうだね」
シュテルの声だ。
振り向くとシュテルが無傷で立っていた。
「あんなヤバいの喰らうわけないじゃん、私はステンドバビーエガーを強化したように見せかけて星に乗って射程範囲から離れてたからね。まあ集中しすぎて気づかなかったのかな」
なんだと…
「私の勝ち!だね」
「ビックバン」
イザヨイの近くに大きな星が落ちてきた。
イザヨイにはもう避ける力がなかったためイザヨイは爆風に飲まれた。
「しゅうりょー!」
シュテルの声が聞こえる。もう一度だ、もう一度「リルンドングラハイド!!!」爆風が煙幕になりシュテルには気づかれていない。いける!
「何してるの?」
目の前にシュテルがいた。おそらくこれを打てば俺は倒れる。ここで打つわけにはいかない。その時イザヨイに勝利の希望が見えた。「ドンレントハイド!」左手で打ったため威力が弱いが拘束できている!
溜まった!「リルンドングラハイド!!!」
「あぁぁああぁ!!!!」
シュテルの叫び声が聞こえる。
K.Oと空中に表示が出た。勝った!勝ったぞー!
シュテルが倒れていたので休憩室に運んだ。
ふと隣を見るとサゲンも休憩室にいたオウマってやつに負けたらしい。
残り数日は何をしようか考えるイザヨイの元にヒョウガがやってきた。
「明日試合じゃなくて練習してやろうか?」
もちろんイザヨイは
「お願いします!」
と答えた。ヒョウガが初めて少し笑ったのを見てイザヨイも笑った。
入学試験まで残り4日
シンファン・ヒョウガとの練習決定!