第一話 家庭教師?
俺の前に家庭教師と名乗る男が現れた。
名前は飯塚達也というらしい。
現れたって何だと思うかもしれない。
でも現れたんだ。
ドアを蹴破って。
「あのー、何してるんですか?」
俺は、恐る恐る聞く。
いや、何しているのかはわかっているんだ。
こいつ、この飯塚達也とかいう家庭教師を名乗った男は俺の椅子に座って。
座ってだ。偉そうにも座って。
タバコを吸ってやがるのだ。
「んっ?見てわからねーか?タバコ吸ってんだよ。」
こいつ、堂々と言いやがった。
「いや、タバコ吸ってるのはわかりますよ。僕が聞きたいのは何でここで吸ってるんですか!」
「んっ、吸いたいからだよ。お前しょんべん行きたいときわざわざトイレ我慢するか?しねーだろ?」
「いや、それとこれとは別でしょ。ここ僕の部屋ですよ。喫煙所じゃないんですから。あと、そのたとえで行くんだったら近くにトイレなかったらどうするんですか。」
「あー。まあそんときゃ漏らせ。」
「はぁ、そうですか。」
もう突っ込むの疲れた。
「で、本題ですけど、僕に家庭教師はいりません。間に合ってます。」
「いや、無理」
「無理って言われてもこっちが無理ですよ。僕は勉強が嫌いなんです。あなたがどれくらい勉強を教えるのがうまいか知りませんが僕は、もう親のすねかじって生きていくって決めたんです。わかったならおかえりください。」
ここは、きっぱり言わないと。
おそらくこいつは帰ってくれない。
どう出る?脅しに来るか?
「おいおい。クソガキ。親のすねかじって生きていくつってもな、その親が死んじまったらどうする」
「遺産があるじゃないですか。」
「どこまでもクソガキだな。お前は。世話になった親に何つーこといってんだ。見た感じそこまで裕福でもなさそーなのに家庭教師までつけさせてもらってるじゃねーか。」
「あなたには関係ないです。クズでも何とでも言えばいいじゃないですか。」
こいつに俺の何がわかるってんだ。
俺はこの16年間で悟ったんだ。
こんなクソみたいな世界でまじめに勉強して人並みの人生送ったところでやれることはたかが知れてる。
それだったら楽なことやって野垂れ死んじまったほうが数百倍もましじゃないか。
「けっ。そうかよ。まあそんなことはどうでもいい。俺はお前に勉強教えるだけだ。机に向かえ。」
「だから言ってるじゃないですか。僕は勉強なんかしません。」
何回言わせる気だ?こいつ。
「おい。お前何か勘違いしてるだろ?」
「な、なんですか?脅しですか?」
殴ってくるか?いいぞ。こいよ。
殴りかかってきた瞬間逃げて警察呼んでやる。
そんでお前は豚箱行きだ。
「あのな、お前なんで親から捨てられないってたかくくってるんだ?なんで、親のスネカじれるって思いあがってんだ?」
親が子を捨てる?何言ってやがんだ?そんなことできるわけないだろ?
知ってるか?親が子を捨てたら犯罪なんだぞ?
「お前、親が子を捨てるなんてありえない。犯罪だからだ。なんて思ってんだろ。」
「お、思ってませんよ。」
「いーや。思ってるね。なんせ、俺とお前は似てるからな。」
「似てる?どこがですか?」
「全部だよ。性格も、考え方も、話し方も、しぐさも。全部俺の昔のころにそっくりだ。この世のすべてを分かった気でいやがる。反吐が出るよ。クズでどうしようもない。やればできると思って結局何にもしねー。訳も分からん萌え系アニメ見て、てめーのどうしようもねー息子をしごきまわして一日終えることしかねークソ猿が。」
なんだよこいつ。急に俺の事バカにしやがって。
あーもううるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!
「うるせー!黙れよ!急に部屋に来たと思ったら何様のつもりだよ!何が昔の俺に似てるだ!浸ってんなよ!俺のこと分かった気でいやがって。俺だってなりたくてこうなってるわけじゃねーよ!黙っ.....」
「いや、なりたくてなってるね。どうせお前あれだろ。いじめられてたんだろ。わかるよ。お前のその性格今の俺ならいじめたくなるね。いーや、いじめるね。」
ガンッ
俺は気づいたら男の胸ぐらをつかんでいた
「お?なんだ?来るのか?来いよ。」
「うるせーつってんだろ。その口ふさげよ。」
「なんだ?それもアニメのセリフか?カッコつけてんじゃねーよクソガキが。」
「さっきからクソガキクソガキって。俺はクソじゃねーよ!俺だって必死に生きてんだよ!周りから舐められないように小学校から運動、勉強、おしゃれだって頑張ってきたよ。でもよ。それも通用したのは小学校までだ。中学からは運動も勉強もレベルが上がって。わけわかんなくなって。唯一残ってたおシャレはクラスのイケメンどもがきゃーきゃーされて意味もねー。せめて高校からはって頑張ってみようとしたらあのクソ野郎が。クソ野郎が....」
「クソ野郎がなんだよ。行ってみろ。」
「生意気だって言って!トイレでぼこぼこにしてきやがって。それから毎日、机に落書きだったり。女子からは嘲笑われて、仲良くしてたやつらも自分に矛先が向くのが怖いからって見て見ぬふりだ。教師も何とかして見せるって言ってやったことはなんだ?クラスの全員から謝らせるだけ。それが何の解決になるってんだ!」
「おう、それで?」
「それでってなんだよ!どうせお前もばかにしてんだろ!お前もあいつらと一緒だ!"謝ってもらったんだから許してあげなさい。"なんていうんだろ!見返してやりなさいだとか言うんだろ!」
俺はいつの間にか泣いていた。
「そんなこたー言わねーよ。別にそいつらのことを許せなんて言わねーし見返すために勉強頑張ろう。なんてことも言わねー。でもな、お前悔しいだろ?憎いだろ?そいつらは今ものんきに学校行ってんだぜ?あーそいつらどうなるんだろうな?」
「何が言いたいんだよ。」
「別に?そいつらはそうして学校行ってそれなりの生活送っていい人見つけて。幸せになるんだろうよ。人一人の人生ぐちゃぐちゃにしといてだ。憎くないんか?悔しくないんか?お前はあいつらに負けたんだよ。負けっぱなしでいいのか?」
「・・・」
「どうにかしてあいつらをどん底に落としたいんじゃないのか?」
「・・・」
「お前、自分がクズでどうしようもないいてわかってんだろ?」
なんだよこいつ。
さっきから。
そうやって俺の心くすぶって勉強でもさせる気か?ふざけんなそんなことしても意味なんかねーよ。
「おい。クソガキ。.............いや、大仏聡一。そいつらの組と名前言え。」
「は?なんだよ急に」
「良いから言え。」
「2年C組の......」
俺は言われるがまま、そいつらの名前を言っていった。
正直名前も呼びたくないような奴らだったが。
「わかった。今日はもういい。授業料も今日の分は免除だ。親にもそういっとけ。」
男はそんなことを言うと俺の手をどけて部屋を去ろうとした。
「ま、待っ....」
俺が呼び止めようとすると
「あのな、最後に一つだけ言っといてやる。勉強なんかしないでアニメだったりゲームだったりするのは好きにしろ。でもな、それは俺が正式に家庭教師になるまでの間だ。俺が何の縁あってかお前の家庭教師につくかもしれねー。だから俺はお前にろくでもない人生を送ってもらうわけにはいかない。それが俺のモットーであり約束だからだ。だから待ってろ。お前がもう一度、勉強を頑張れるように。俺が絶対にしてやる。」
男はそう言って部屋を去った。
そんなことがあって3日後
またあいつがやってきた、しかも今度は俺をいじめてきたやつを血だらけで連れてきやがった。
「な、なんだよこれ。」
「お前をいじめてたってやつらだ。ぼこぼこにして連れてきた。」
「だ、だれがこんなことしてくれって頼んだんだよ。」
「俺がしたくてしたんだ。俺はこれでしか解決するすべを知らねーからな。」
少し戸惑ったがいい気味だ。
こいつらにはもうちょっと痛い目を見てほしい。
「いい気味か?」
「ああ。」
「そうか。気が済んだか?」
「済むわけないだろ。」
「よし。そういうと思った。そこで俺から提案だクソガキ。」
「なんだよ。こいつら殴りたくてたまらないんだ」
「ひぃぃぃ」
「殴るのはいくらでも殴ればいい。好きにしろ。でもな、こいつら、成績優秀らしいぞ。そこにいる藤堂茂雄ってやつはなんと学年一位らしい。頭よくてもいじめはするんだな~。」
「こいつが?」
こいつが一位?ふざけんな。
なんでこんな奴が一位なんだよ。
「いやだろ?」
「ああ、いやに決まってんだろ。でも、俺にはそんな学力はない。」
「だからこその提案だ。今この場でこいつをぼこぼこにできても将来はどうだ?こいつはこのままいけばエリート街道まっしぐらだ。でもそんなやつの将来もぼこぼこにするには力以上に知識がいる。そんな知識をつけるには勉強しかない。」
「結局、見返してやろうってか?この前はそんなこと言わないって言ってたじゃないか。」
「見返しじゃない。こいつをどん底に落とすんだよ。見返しってのはお前がすごいって思われるだけだ。そいつの人生が大きく変わるわけじゃない。」
「何が言いたいんだよ。」
「こいつらの人生をどん底に落とす最も簡単なやり方を教えてやろうか?」
「どうせ勉強っていうんだろ?」
「まあ、勉強は勉強だがちょっと違う。お前はこいつらの顔を見てどう思った?」
「どうって、死ねばいいのにって思ったよ。」
「じゃあ、殺そうぜ。」
「どうやってだよ。」
「社会的に殺すんだよ。やり方は簡単だ。俺を雇え。そしたら必ずお前をこいつらを好きにできるように育ててやる。必ずだ。」
「本当か?」
「ああ」
本当にこいつらを社会的に殺せるのか?
それだったらやってやるよ。
許しもしないし見返しもしない。絶対に殺してやる。 こいつらの顔を見て改めてそう思った。
そのためだったら嫌いな勉強もやってやる。
そのためだったらこいつを雇おう。
俺はそう決心して、一人づつ殴った。
その後、男が俺をいじめてきたヤツらを脅して部屋を出させた。
「よーし。あいつらには念を押したし大丈夫だろう。もしこのこと言って俺が務所にでも行ったら出た後に半殺しにしてやるって言ったしな。」
男はそんなことを言いつつも俺に向かう
「ってことで雇ってくれるんだな?」
「はい。そういいましたし。」
正直勉強はしたくないが仕方ない目標ができたからな
「おし。ならいいんだ。ってことで今日からよろしくな。」
「はい。よろしくお願いします。」
「ってことで早速勉強だって言いたいところなんだがな、」
「何か問題でもあるんですか?」
「俺はこんななりしてるからな勉強は中学で止まってるんだ。」
は?こいつ今なんて言った?
「え?じゃ、じゃあなんで家庭教師をやるっていったんですか?」
「俺が天才だからだ。」
「は?何言ってるんですか?」
「ま、そういうことだから。今日はお前の最後取ったノートまでを俺に貸してくれ。」
「いや、会話になってないんですけど。」
「いいから貸せ。それ見て来週までには、お前が習ってる範囲までは完璧にしてやる。」
「は?できるわけないでしょ。」
そんなこと誰ができるってんだ。馬鹿なのか?
「いや、できるさ。必ずやってやろうじゃねーか。」
なんでだろう。
できるわけないんだが妙に説得力がある。
「わかりました。でもできなかったらクビですからね。」
「早速クビのピンチとはやべーな何が何でもやらなきゃな。」
まあ仕方ない。
俺はこの短い時間でこの男にゆだねてみようって思ったんだ。
初めて信頼できるかもしれない人に出会ったんだ。
今はそんな男に任せてみよう。
失敗かもしれなくても構わない。
それも人生だって少しばかり思えてるんだから。
「まあ、任せとけ。。お前アニメ好きだから燻るだろ?勉強ができない家庭教師って。なんかかっこいいじゃないか。あれだ、なんかそんな四字熟語あっただろ。えーと。浅学菲才だっけか?」
「それは自分を謙遜して言う言い方ですよ。」
「まあいいじゃねーか。浅学菲才な家庭教師って。中二臭くてかっこいいだろ。」
「どこがですか。」
「まあ、俺に任せとけ。ほいじゃーな。授業料は来週からな。」
そういって男はまた部屋から出て行った。
まあ、任せてみよう。
ちょっとかっこよくて怖い浅学菲才な家庭教師とやらに。
俺は今日から、変わってやる。
今度こそ、心に誓った。
はい。皆さんお疲れ様です。コーヒー片手にです。
プロローグから少しだけ時間空いてしまったんですけど第一話どうだったでしょうか。
もう完全に僕の妄想ですから、結構わけわからん文章もあるかもしれませんがご容赦ください。
少しでも面白いなとか、面白そうだなって思っていただけたら嬉しい限りです。
あとがきから読んでる人いたら申し訳ないですけど、まあ、主人公いじめられていたということでですね。まあ非常にべたな展開なんですけど結局学校に行かなくなる理由ってこれが一番かなと思ってまして。まあなんでかっていうと私自身も小学校6年くらいのころいじめられておりまして、引っ越したさきの学校ででしてあまりよく思わなかったんでしょうね。そうして孤立していって少しだけですけど不登校みたいな感じになりましてね。まあ、やっぱ学校行かなくなる原因ってこれが多いんでね。やっぱそれが一番自然かなって思って。べただなーとか思われたら申し訳ないです。
まあそんななかで主人公にこれからの目標を与えてくれた家庭教師の飯塚達也さんですね。結局、人間何かやるには目標がないとやっていけませんからその目標を与えられて主人公、立ち直ったっていうとあれですけど、まあ立ち上がりまして、家庭教師をつけることにしました。そうして付けた矢先に、なんと家庭教師、勉強できないんですね。ちょっと無理矢理じゃないって思ったでしょ。
本当にごめんなさい。もうちょっと自然な感じにしたかったんですけど僕の文章能力の低さが出てしまいました。また頭に浮かんだら修正していこうかなと思いますので。まあタイトル回収もして、今後、どういう風に主人公たちは過ごしていくのかはお楽しみに。レビューに関しては書いてくれたらありがたいですけど、批判もあるでしょうから批判があったらしかと受け止めて今後に生かしていきますので書いてくれるとありがたいです。あまりにもひどい言葉を使わないでくれたらうれしいです。
そういうことなんで温かい目で見守って読んでくれたらなと思います。
では最後にこの作品を読んでくださった皆さんに感謝申し上げるとともに末永くご厚誼を賜りますようお願いいたします。 以上!
コーヒー片手に