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クリエイター

 「ねぇねぇ、レス……これ見て」

 あれから、レヴィはべったりと俺達おれの後をついてきている。


 「ほら、見る角度で色が変わるの」

 何やら綺麗なガラス細工のキーホルダーを持ち出して、俺に見せている。

 「凄いでしょ……ねぇ、欲しい?」

 そうして、私物を見せてきてはプレゼントしようとする。


 「じゃーん、実はもう一つ……ねぇ、レス、お互い鞄につけてお揃っちにしちゃおうか?」

 少しだけ照れ臭そうにしながら言う。

 何かとレスの機嫌と好感度を上げようと一生懸命な大人とそんなレヴィにまとわりつかれているレスの後ろを歩く5名。


 クリア、ツキヨ、ヨウマ、クレイ、オトネは冷ややかな目で二人の背中を見つめながら後ろを歩いている。


 「あれは……仲間みかたでいいんだよな?」

 貧乳話こうはんから合流したクレイがそう3人に尋ねる。


 「……あいつのお人好しも大概でないからな」

 そうツキヨが返す。


 「ほんと……誰にでも優しいんですね」

 本人には聞こえない声でクリアがプイっと二人から顔を反らす。


 「でもねぇ……レヴィちゃんの刀がレスちゃんのお腹と背中をぐさぁって貫通しちゃった時はビックリだったねぇ」

 思い返すようにヨウマが身体を震わせている。


 「……ほんと、見ているこっちが身が持たない……あの過度な自己犠牲どうにかしろ……」

 そうツキヨが言う。


 「……まぁ……あいつらしいっちゃあいつらしいんだけどな……」

 そして自分ツキヨで返す。


 レヴィはそんな会話を無視きこえないふりをしていたが、

 痛いところをつかれたように、少し面白くなさそうな顔をする。


 「……全く、いい大人だろ……」

 ぼそりとクレイが漏らすが……


 「……黙れっ……乳無し」

 そうぼそりとレヴィが言う。


 「あぁっ!」

 「黙らせるっ」


 一瞬で二人クレイとレヴィ鍔迫つばぜいをしている。


 「だめだよぉー、二人ともぉ」

 そう……ヨウマがのんびりと二人を止める。


 「……やめろって、レヴィ……お前もからだの事は言うな」

 そう、ポンと軽く頭を叩く。


 「ふぇっ」

 叩かれた頭を悲しそうに両手で押さえて、


 「違うの……レス、あのね、あのね……だってねぇ」

 にゅるりとヘビのように再びレスにまとわりついていい訳を始める。


 「だってじゃない……レヴィはここで一番大人だろ、きちんと言葉にしてわないと……だろ?」

 そうレヴィを説得する。


 「……うん……」

 頭を後ろに向けて……

 しかし、言葉は中々出てこない……

 そして……


 ピンク色の舌をべぇーと出した。


 ((((あっ………子供だ………))))

 そう納得すると、5人は不思議と腹が立たなかった。




 しばらく、歩いていた一つの部屋。


 「おっ……はっけーん」

 アセリアがこちらに走ってくる。


 「……全くどこをほっつき歩いていたのだ」

 レインも同時に合流する。


 「ん……」

 レヴィの顔を見て……どうにも対応に困っている。


 「……仲間だ」

 そう簡単に紹介する。


 同時に慌しく走ってくる足音が二つ……



 「ぜぇはぁぜぇはぁ……全く何者なんだいアイツは、おじさんこんなに全力で走ったの久しぶりだよ」

 男子生徒と女子生徒の二人が同じ部屋に現れる。


 「知らないよ……それよりも……」

 そう女子生徒がこちらを見ながら……


 「ルディナちゃん……どうしたんだい?」

 そう男子生徒もこちらを見る。


 「丁度いい……仲間あのひとたちに助けを……」

 そう男子生徒がこちらを見て言うが……


 「敵だよ……」

 ルディナと呼ばれた女性はそう言う。


 「……勘弁してよ……」

 本当にやってられないという顔で男が言う。



 「……状況は知らないが……こちらも必要に争う気は無いのだが」

 そう、目の前の男に俺が言う。


 「おやぁ……何やら羨ましいねぇ、女の中に男が一人……おじさんもせっかくイケメンに若返ったのだから、そんな異世界せいかつを満喫したかったなぁ」

 そう謎めいた事を言う。


 ……恐らく、俺も向こうも……互いに互いの存在を……意識けいかいしている。


 「だってさぁ、ここはお言葉に甘えて逃げようか?」

 そう男がルディナと呼んだ女子生徒に言うが……


 「……駄目……こっから先は進ませない」

 そうルディナは拒否する。


 「だってさぁ……ハーレムボーイ」

 そう、目の前の男が言う。


 「……ナキ……おじさんの名前だよ、ボーイは?」

 そう尋ねられる。


 「……レス……」

 そう名乗る。


 「レス君……立ち居地が一緒なら……友達わかりあえたのにね……」

 そうナキと名乗った男が言う。


 「周りを見ると……完全に負け戦だけど……おじさんも、その召喚者やくめを果たさないとね」

 そう……こちらを静かに睨んでくる。


 「レス……」

 そう……レインが珍しく前に立つ。


 「私も頑張っちゃおうかな」

 アセリアも前に立つ。


 ……三対二……の構図だが……


 「いいよ……始めようか」

 そう、ナキは静かに試合開始の合図をする。


 レヴィが同様に前に出ようとするが……


 「悪い……今は下がってくれ」

 そう……後ろで見ているよう言う。

 ムスっとしながらも従うレヴィ。


 「クリエイト……」

 そうルディナが言うと、

 一般的な剣と盾を握っている。

 そう武装してこちらを睨んでいるが……


 そんな様子を目をぱちくりしているナキが……


 「うん、ルディナちゃん、おじさんにも……そのね武器……」

 

 「……能力じぶんのを使いなよ」

 そう冷たく返されている。


 「クリエイト……」

 作り出した剣を床に突き刺して、

 再度、そう詠唱すると、

 拳銃とナイフを作り出すと、それを渡す。


 「ありがと……」

 そうそれを受け取る。


 レインもペットボトルを取り出し、水を空中にぶちまけながら……


 「形どれ、セイバー」

 つるぎを形とった剣を握る。


 その隣で、一人準備運動を終える少女……


 「アセリアっ……いっきまーす!」

 元気よく、そう宣言する。


 「弐の型……旋風アクセルブーストッ」

 両足に風をまとわせる。


 「クリエイト……疾風の具足」

 そうルディナが言うと、いつの間にかブーツを装着している。


 「にゃっ!?」

 アセリアと同じスピードでルディナが対峙する……


 「弐の型……旋風脚アクセルブースト

 そのまま、旋脚まわしげりをする。


 ルディナは手にした大盾を構え、それを防ぐ。


 レインとの能力とも類似しているが……

 魔力で水を偽造するレインとは違い……


 なんというか……彼女ルディナの能力《武具》は実物感が強い。

 実際つくりものじゃない、剣や盾……具足を装備しているように見える。


 「おっと……」

 レインの放った一撃をナキが回避する。


 手にした拳銃を放つが……

 それは全部、俺の結界に弾かれる。


 「なるほどねぇ……ズルじゃん」

 そう言いながらも、どこか余裕があるように……


 「しょうがないね……」

 そう言いながら、ナキがルディナの側に寄ると……


 「おじさんも能力ほんき……だそうかな」

 そう言うと……


 「……なん……だ?」

 俺は二人を見上げるように……

 現れた飛空挺に素直に驚く。


 「わぁーお、かっくいー」

 アセリアが同じように飛空挺それを見上げながら……


 「どんな、魔力があれば……あんな能力ぶきを創り出せる……」

 レインもそれに習う。


 「……ってアレ……」

 創り出した本人は一人……戸惑うように……


 「さっきのダメージ残ったままじゃん……」

 船はところ、どころ破壊されていて、炎上している。


 「……たぶん、ナキの魔力を全部使って召喚している……受けた魔力へのダメージは回復するまで、ダメージとして残ってる」

 そう、ルディナが推測する。


 ただ……そんなハンデをかかえながらも……


 「こんなん……ズルだろ……」

 そう俺は見上げたナキに言う。


ご覧頂きありがとうございます。


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