異世界生活
学園……地下10F
「この学園、地上より地下の方が広いとかすげぇよなぁ」
そう……オレンジ色の髪の少しちゃらついた小柄の男が言う。
「まぁ……魔王様を隠すために部屋の作りも複雑だな」
その隣で、少し無愛想な男が返す。
「あんたたち……煩い、読書の邪魔」
眼鏡をかけた少女が仰向けに寝そべりながら本を読んでいる。
「……貴様らここで何をしている、さっさと持ち場につけっ!」
そんな彼らを発見したニアンがそう呼びかける。
「やっべぇ……先輩、決勝戦で無様に負けた先輩だ」
そうちゃらついた男が言う。
「1年の小僧が……死にたいのか?」
そうニアンが睨み付ける。
「わっ……怒った?先輩?」
そう小ばかにするように言う。
「サイガ……お前が悪い」
そうもう一人の男がその小柄の男に言う。
「うん、あんたが悪い」
興味なさそうに本を読みながら女も返す。
「うん……そっか、先輩も機嫌悪いよねぇ、決勝戦で負けちゃったし」
そうサイガと呼ばれた男が言う。
少し小柄なオレンジ色の髪の男子生徒
1学年A組 サイガ=リフレクト
その隣の青色の髪の男子生徒
1学年A組 キール=トランス
セミロングの水色の髪の眼鏡をかけた女子生徒
1学年A組 シェル=グラフィティ
「サイガ……言いすぎ……私は知らない」
そうシェルが無関係を装う。
「だってさぁ……決勝戦最終戦だぜぇ、あの魔女先輩の方が活躍してたんじゃねぇ、そして、最後はそんな相方に見限られて敗北とか……正直、恥くねぇ?」
そうサイガが言う。
「望むなら反逆者より先に俺が相手をしてやろうか?」
そう能力を開放し、水晶がニアンの周辺を飛び交う。
「ははは、図星なら誤りますからぁ……まぁ、俺は全然いいっすけどぉ」
そう挑発するようにサイガが返す。
ニアンの水晶が分離してサイガを取り囲む。
光砲が水晶から放たれる。
その全ての光砲がサイガに届く前に消滅する。
ポケットに両手を突っ込んでいた、右手をニアンに向ける。
光砲がニアンに向かい飛ぶ。
外れるようにニアンの頬をかする。
「学園長、様々だよなぁ……あんたの能力もこの通りだ」
そうサイガが見下すように……
「サイガ……それくらいにしておけ」
そうキールがとめる。
「先輩は……嘘でも尊重すべきでしょ」
そうシェルが返す。
ニアンも彼、彼女がどんな能力を所持しているのか……
配下の能力を全て把握はしていない……
それでも……魔力が低くて目立つことの無かった能力でも、
魔王の力を分け与えられることで、
開花された能力は優勢の者さえも脅かす能力に成りえるのかもしれない。
「はいはい……持ち場にもどりまーーす」
サイガがそう言って、階段を昇っていく。
「シェルも行くぞ」
ニアンを無視するようにキールもサイガに続く。
「はぁ~、だるい……」
そう言いながらも起き上がると二人に続く。
・
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「我々が正義っ!!」
ブレイブ家より派遣された使者の一人。
年齢22歳男性……イェーヴァー=ジャスティス
神父のような格好をしているが、どこか暑苦しい性格が滲み出ている。
「あーーうるさいなぁ……」
同じくブレイブ家より派遣された使者、
年齢20歳女性……レイヴィ=サイレス
「レイヴィ君、私は感動している……あの勇者様の下で一緒に魔王と戦えるこの状況に……今日という日を神に猛烈に感謝しているっ!!」
通常会話としては、トーンが、1、2ボリュームが高い。
「だから……煩い、声がでかい……黙らせようか……」
そう迷惑そうにレイヴィが返す。
「それに……魔王もそこに辿り着くまでに相手にする敵も学園の生徒達だよ……聖職者たるあんたがそれを許すの?」
そうレイヴィが問うが……
「無論、生徒であろうと……悪は許さないっ!!」
白い歯を輝かせて大声で言う。
「あんた……本当に聖職者な訳?」
そう……今更な疑問をぶつける……
「無論……魔王は勇者に破れ、世界は平和になるものだよ、レイヴィ君っ!!」
そうイェーヴァーが能力を開放しながら言う。
「……そのあんたの能力……全く聖職者っぽくないのよ」
そう突っ込みを入れる。
「……無論、悪に容赦はしない……悪は能力が断罪するっ!!」
そう、能力の刃を回転させ言う。
チェンソー型の能力……
「平和のためには生徒を断罪するっ!!」
その笑みは……どこか不気味にさえ見える。
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「こっちです……」
リヴァーが先頭を切っている。
かっこ悪い……情けない……
考えが足りていなかった。
威勢よく、第三勢力を気取ったが……
学園の地下の入り口も知らない。
学園の闇を探っていたメンバーは今、この場にはいない。
みんな、反逆者側にまわってしまっている。
そんな失態を隠すように、リヴァーが学園の地下から感じる魔力を感知し、
その場所へと俺たちを誘導している。
改めて、彼女の能力に感謝する。
「いったい……何処へ向かっている?」
「サイレン……校内放送が聞こえなかったのかい……回れ後ろ、校門は反対だよ」
リヴァーの後ろをついていくように、歩いていると……
目の前に人影が見える。
「悪いけど……今はこっちに用がある」
その俺の言葉に……
「わたしは……何処に行くかを聞いているんだよ、しょーねん」
そう制服ではなく紳士的なスーツを着ている3学年の先輩が俺に言う。
「……何て言えば、そこを通してくれるんだ?」
そう俺が返す。
「しょーねん……部外者がこれ以上、関与必要がないだろう?」
そう……俺に訴える。
「後は当事者達だけに任せろ」
そう……俺を睨むように……
「助けられないものを助けようなど思うな……背負う必要のない罪を背負おうとなど思うな……」
そう……弁えろと……俺を心配する。
「……通してくれ」
そう小さく呟く。
いくら……彼女といえど、彼女一人で俺たちの相手などできないだろう。
「止めても無駄……ということか……」
そう目の前が歪む……
「通りなよ……」
そう彼女は手助けをするかのように言うが……
「……大丈夫、自分の足で行く」
そう、それを拒む。
「……さすがに騙されないか……しかしな少年、前ばかり見ていないで、時には下も確認するべきだよ……でなければ足元をすくわれるよ」
そうセティが不適に笑う。
「なっ……」
気がつくころには手遅れだった……
足元に大きな穴のような歪みができていた。
取り込まれるように……全員が学園の地下に送り込まれる。
ドンっと地面に落下する……
閉ざしていた目をゆっくりと開く……
視界に広がるのは真っ白な肌と……
何かの布切れ……
結構……大胆なものを履いているのだな……
そう心の中に留めたはずであったが……
「レスさんの、エッチっ!!」
リヴァーが激怒したように即座に足を閉じ、スカートで布を隠す。
「いや……え……」
改めて、彼女に心の声が何処まで見透かされているのか恐怖する。
周りを見渡す……ひとつの何処かの部屋に落下したようだ……
他の仲間は見当たらない……
リヴァーと二人だけ……
「なんだ……敵か?」
目の前にいる……男子生徒……
「2年B組……ジェイド=ペアレント」
そう男が名乗る。
……最悪にもここには俺とリヴァーの二人だけ。
彼女には戦闘能力はない……
そして……俺にも……
どう……切り抜ける……
まずは……あいつがどんな能力を使うのか……
・
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地下8階……
すでに、ライト……アストリア、スコール、ナイツと、ライトが率いる数名が到達している……。
そして、その一室で……
「俺の名前は……2学年C組……」
そう、一人のその名を名乗ろうとする。
「……悪いが、覚える価値がない……」
そうライトの魔法剣が生徒を叩き斬る。
呆気なく生徒が倒れる……ここまで、ほとんどがこうして、
彼女たちの相手になることもなく……
そして……そんな部屋を繋ぐ暗闇の廊下から足音が近づく。
自然と4人の目線がそちらに向かう。
「……もうここまで来たか……」
そう……現れた女性がそう言う。
「なぜ……貴様が……」
そう……アストリアが現れた女性に言う。
「……せめて……この結末に責任くらい取るさ」
そう疲れた声で言う。
「……あんたも学園側だったということか」
ナイツがそう尋ねるが……
「そのつもりはないがな……ここを通すわけにはいかない……」
そうゆっくりと4人を睨む。
無関心に、今までと同じようにライトが構えるが……
「ライト……ここは任せよ」
そうアストリアが言う。
「……トリア、任せた」
そう、ライトとスコールがその女性の横を通り過ぎる。
あえて、黙って二人の通過許す。
残った、アストリアとナイツと数名のライトが率いる部隊。
そのメンツを恐れることもなく……
「……どういうつもりだ……先生」
そう、アストリアがその名を呼ぶ。
「……奴らを行かせてよかったのか……簡単に突破できると思うな」
そうフレアが返す。
国の特殊部隊……その中でも当初、トップクラスの成績を誇っていた人物。
勇者なくして、魔王すら倒せる希望を背負っていた人物。
「……後悔するなよ……私はしない……」
そうフレアは自分に言い聞かせるように……
「セットアップ……」
そう呟くと……両手に紅の手甲が装着されている。
両手からビリビリと赤と黒の光の線が飛び散るように……
「ナイツ……覚悟はよいか」
アストリアが笑みを浮かべながらも額から汗を流している。
「場合によっては殺されるぞ」
そう冗談交じりに言う。
こちらはこの人数にして、相手は一人……
それでも……完全にこの狭い空間を支配するのは……
「……レス……早くここに来い……でないと、とんでもない事になるぞ」
そう……フレアはその先の結果に後悔したくないように苦痛の笑みを浮かべる。
・
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「いってぇーーーあの女……」
クレイが落下した床から、起き上がりあたりを見渡す。
どこの部屋か……見渡せど、他の仲間はいない。
私……一人だけということか。
そう……誰かと合流するためにも他の部屋を目指そうとしたが……
「ん……誰かいるのか?」
そう暗闇の廊下から誰かが現れる。
「面倒なことに迷宮のような作りになっていて、中々下に降りれやしねぇ」
目つきの悪い女……
「なぁ、そこのペチャパイ、地下に行く道しらねぇか……それか、クロハという女かツキヨという女の居場所でもいいんだけどよ……」
そうクレイに女が言う。
無名刀を抜き取る。
クロハ……は関係ないだろう。
ツキヨの心配をしたか……それとも胸の話に激怒したのか……
刀を女に向ける。
「あぁ……ペチャパイてめぇには用はねぇーよ」
そう女はクレイに言うが……
「……私を倒せなければ、あの女になんて適わないよ……」
そうクレイは女を睨む。
「……あと、今の言葉……謝罪してから行けっ!!」
そうクレイが怒る。
「あぁん……だりぃなぁ……あんたは敵ってことでいいんだな」
そう……ヤンキー座りの大勢で……
「抜刀……閻魔」
地面に否妻が落ちると身の丈ほどの太刀が目の前にある。
刃を握る……手を引くと血が刃を伝うように……
「名を叫べ……紅桜っ!!」
自分の刀を別の刀へと偽造する……
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・
後ろのリヴァーを確認する……
相手の動きを警戒しながら……
はたして、ジェイドという男の能力がどんなものかを……
早く理解しなくては……
彼女に戦闘能力はない……
どうする……
俺が戦うか?
隙を見て逃げるか?
せめて、リヴァーだけでも……
三つ巴の戦い……
学園内で知れずに広がる……バトル……
こんな場所で燻ってる暇はない……
決めたんだ……
俺が彼、彼女のために出来ることを……
俺というものを弁えた上で……
これが俺の異世界生活だ……。
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