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成果

 「君は多くの成果を得た……多くの成功を収めた……その満たされない欲望は……何を望む……さぁ、聞かせてくれ」


 セシルの作り出す仮面が宙に浮かぶ。


 また一つ駒が破壊され、

 続けてまた一つがこちらの王将に王手をかけるように駒が動く。

 駒が瘴気を宿し、太陽の仮面を装着する。


 「義理兄だれかに愛されたくて……そんな部下だれかに愛されている事に気がつけず……そんなだれかの残した子供なにか依存あいする……君が得た富も名誉も……それは満たさない……」


 そんな台詞を吐くセシルを光の無い瞳を向ける。



 「……随分と個人情報に詳しいがきだな……現世むこうのことまで探ってるんじゃないよ」


 「いやだよぉーーー、ねぇさんねぇ、怒らせたら怖いんですからねぇ」


 短髪の金髪の女性がゲートをくぐり現れる。



 「パンドラに残されるは……希望……僕は君に彼らにそれらを届けるように託した……そうだね、君にも褒美をあげよう……さぁ、何を願う」


 「きらいだなぁーーー、そーゆーの……私ねぇ、今日まであなたのために頑張ったつもりはないよぉ」


 イブはゆっくりと俺の隣に並ぶ。



 「宿せ……竜王弐式バハムートカイ……」


 ピンク色の長い髪を後ろで束ねる女性。


 「王として尊敬していた父……そんな父を失い、その立場をその若さで継ぐ、国一つを背負う事になった……そんな君は何を願う?」



 「……ずっと震えていたさ……ねぇさんにいろいろ聞いた……そんな救いを求めるため、巫女と神を求めた……」


 「……この国を立て直す……そんな我が必要とするのは……やはり貴公だよ……」


 「貴公の淹れる、珈琲いっぱいを所望する……それが今の我の我侭ぜいたくだよ」



 サリスがイブの隣に立つ。



 「わたくしは、セラ=セキュリティ……バルナゼクの英雄っ」


 金髪のウェーブのかかった長い髪を揺らし、偉そうに歩いてくる女性。



 「世のため人のため、ヘルプミーなんてわたくしは言わない、わたくしは、セラ、セラ=セキュリティっ!!」


 そんな他の二人同様に、俺たちと肩を並べようとしたセラの前に瘴気が集まり化け物が産まれる。


 「ひぃ……ヘル……」


 思わず、叫びそうになる言葉……


 飛んできた刀がその化け物に刺さり化け物が消滅する。



 「奪った命の数だけ、誰かを救いましょう……奪われた命の数だけ魂を狩りましょう……」


 真っ黒な経帷子きょうかたびらに不自然に真っ黒なナースキャップだけを装着した服装で糸目の黒髪の女性が刀を空中で自在に操るように現れる。


 「因縁深いのではないかな……君たちは……奪い、奪われた……」


 かつて争った……国同士。

 そして、互いにその犠牲を担ってきた。



 名前も知らない少年……

 そんな少年が残したヘアピンで前髪を留めている。



 「私は彼女たちを傷つけて……そしてその代償を追った……それは償いなのでしょうか……それでわかりあえたのでしょうか……」


 別の7本の刀が何処からか降ってくると地面に突き刺さる。


 「映せ……八岐大蛇ヤマタノオロチ


 そんな八本の刀が、周囲の化け物を切り払う。



 「それで、償えるとは言いません……解りあえたとは言いません……それでも……私は奪った命の数だけ……彼女たちを救いましょう」


 セラと共にセキラが並ぶように立つ。



 「ここは……?」


 全く状況を読めていない女性。

 肩くらいまで伸びた茶髪。


 「……君もまた……因縁があるのではないかい」


 状況を読めない中で、セシルを見ながら……



 「恥じるな、誇れ……剣をかざせ」


 ゲートをくぐり現れる一国の将軍。


 「そんな正義もあなたに正されるつもりはないのです」


 

 シルバがゆっくりと歩き、その場に立つ。



 「レス君……君はどう思う……今の私は無謀なのか?」


 目の前の神に抗う……その恨みを向ける。



 自分が嫌う権力者を出し抜くだけの能力を持ち合わせた。

 同じ、権力ちしきを駆使してそれらを出し抜いてきた。


 そんな彼女は目の前の神すらもを……喰らうつもりなのか。



 「……レス君、それらは君に守れるか……」


 自分にはできなかったことを俺に望むように……



 「誰もがさ……強さを求めるためにつるぎを求める……」


 俺は、そんな答えにならない答えを……


 「右手にも左手にも剣を持っている……俺にはただ野蛮なだけだけど、現世あそこで生きるには相応しかったと思うんだ……」


 俺は……リプリスにそう答える。



 「俺は……それを真似ることができなくて……ただ、正反対に両手に盾を持ったつもりで……自分を犠牲にして……何かを守れたつもりでいた……」


 「でも……この異世界で……俺に何かを守れるというのならさ……俺に守れるのか……それを」


 俺は右手をかざし結界をつくると……

 仮面の化け物から産まれた水晶のようなものから光線ビームが飛ぶ。


 それを結界が防ぐ。



 「その成果に誰が祝福をする……それらは自己満足だと……人間だれかはそれをぐるりと翻す……それはトラブルとなり立場を失う……」


 仮面の化け物の周囲に数多の水晶が浮かんでいく。


 そして、その水晶から光線ビームが放たれる。



 「おいくらかしら……わたくしはセラ=セキュリティ……レスちゃん、貴方の力を貸して頂戴」


 セラがそう言い……


 周囲に俺同様な結界のような壁を周囲に作り上げる。

 同様に俺は透明な壁をつくりあげ、

 セラと二人の防壁でそれを防ぐ。




 「……全てを失い……何かに依存したくて……その財産をばら撒いてでも手に入れたい何かがあったのではないのかい?」


 セシルの目が冷たくセラを見る。



 「そんな、君がその財産でうものは……言ってみなよ」


 セラはただ、寂しそうに笑い……



 「おいくら……おいくらかしら……わたくしが何だった払ってみせる……だから……おいくらかしら……ねぇ……レスちゃん、わたくしはせいぜい払えるのはこんな財産ことばに過ぎないの……」


 時折見せるセラの悲しい瞳が俺を見ている。



 「おいくら……かしら……わたくしを助けてくれるかしら……レスちゃん」


 「イブにも、散々言われたけどな……俺にそんな価値はないぜ……」


 俺はその言葉に答える。



 「それでも……俺は許される限り……答えるさ……守るよ、お前たちを」


 再びくりだされる仮面の化け物のビームを防ぎ俺はそう告げる。

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