幼馴染と一緒に登校
新作のタイトルを諸事情で変更しました!
『美人優等生の私がキモオタデブに転生して無双する。』
◇◇◇
美少女と一緒に登校――これは夢か?
「あのあの、水落ちゃんは好きな食べものは? 趣味は何? 将来の夢は? 身長は何センチ休みの日は何をしてるの? お風呂で身体は何処から洗うの? どういう映画見るの? 家族構成は? それでそれで」
「わがあああああああああああああ!!!」
登校中、一緒に歩いている美少女が吠えた。困ってる姿も可愛い……このまま、いじめたい衝動に駆られるが……。
まあ、これ以上怒らせると本気で嫌われそうなのやめよう。
「あんた、何なの!? そんなこと知ってるでしょ!? 幼馴染なんだから!!」
「幼馴染……?」
えっ? 正人くんの……? こんな可愛い幼馴染が居るの? こんな可愛い幼馴染がいるのに引きこもりになってたの?
「…………」
正人くんへの評価が5下がった。
「何よ……? 私の顔をマジマジと見て。きっも。まさか、私のことを忘れたなんて言わないでしょうね? あんたの脂肪に溢れた頭もそこまでじゃないでしょ?」
「あ、あはは……」
えっと……正直、正人くんの記憶はほんのり、『強い感情が残った記憶』しか、わからないんだけど……。
くっ、水落ちゃんのこと覚えてないとか、サイテー。
「えっ……? ほ、本当に覚えてないの?」
「い、いや……ちょっと、記憶があいまいになってて……」
う、嘘は言っていない。本当は中の人がまるっと違うのだけど……ま、まあ、笑い飛ばしてくれたら、そのあと別の言い訳を……。
とか、考えていたのだが……私の予想外に、水落ちゃんがわたわたと心配そうに慌て始めた
「そ、それって、だ、大丈夫なの……? どこか痛いところあるの? あ、『あんなこと』があった後だから、仕方ないのかなぁ……わ、私にできることはある?」
「…………」
なんだ、この天使は……今すぐ襲い掛かっても魅力の正当防衛が発動するのでは?(意味不明)。あ、あー、でもさっきの両親の件もそうだけど……心配されるのはなんというか、申し訳なくて胃が痛い……。
前世では求められることは多かったけど、心配されることはあまりなかったかなぁ……。
「えっと、大丈夫、日常生活には問題ないよ?」
「そうなの……? 本当に? 何かあったら、すぐに私に言いなさよ? 『この前』と違って、助けてあげるから……あ、あくまで幼馴染としてよ? その辺勘違いしないでよね?」
「う、うん……ありがとう」
「ふん、わかればいいわよ。あんたの学校に着いたわよ。それじゃあ、私はこっちだから」
「えっ……」
水落ちゃんは近くにある学校を指さして、その場を去ろうとする。えっと……よく見たら周りの生徒たちと水落ちゃんの制服が違う……。
周りはブレザーで、水落ちゃんはセーラー服だし……。
「ち、違う学校だったの?」
「あん? 何を今更……あっ、覚えてないのね……何とかしたいわね。そうよ。私の学校はここから二駅離れた場所にあるわ」
「二駅離れた……」
「何よ? 文句ある? 私はあんたほど頭がよくないから、この学校落ちたのよ……はぁ、言わせんじゃないわよ! 自分が嫌いになるわ……私が一緒だったら……」
「えっと……その話も気になるんだけど……わざわざ、ここまで送ってくれたの?」
「…………っっっ!!! そ、そんなんじゃないわよ!!! さ、散歩よ! 散歩! 勘違いするんじゃないわよ!」
そう言って水落ちゃんは足早にその場を去っていく、しばらく歩くと振り返って……。
「いい、帰りも迎えに来るから、スマホのチャットは確認しておきなさいよ」
そう言って去っていった……なんだあの可愛い生物は。天使ですか? ああ癒される……癒される。あの大きな胸に顔をうずめたいです……。
「はぁぁぁ、可愛い。これから『いじめっ子』と対峙するから、いい癒しになったね~~」
私はそう呟いて、校門に向かった。
正人くんは有名人なのか……周りの生徒の好奇の視線が突き刺さってくる。
さて、まずはいじめ問題を何とかしないと……内容はうっすらとしかわからないけど……その一部でもめちゃめちゃ陰湿だしね……。