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炎は孰れ月を染める  作者: 鴇羽ほたる
旅路
8/25

森の中で

書き直しが生じたため、投稿が遅れました。m(__)m

住処すみかがバレないように遠回りをしよう!」



 という提案に基づき、管理されていない森の中を歩いている。彼はまるで遠足に出かけているかのようにご機嫌だ。勿論、じいやがまだバリバリに魔法が使えることはバラしてきた。別に仕返しじゃない。決して。そして彼に言われて仕方なく同伴どうはんしていることも伝え、過去について詮索せんさくしてくるのはかわした。さて、獣道があるということはそういう生き物もいるということで。遠くにたたずむ毛むくじゃらの…


 おおっと。大きな熊さんがこちらに気付いてしまったようだ。テオ様は身に迫る危機などつゆ知らず、俺に語り続ける。


「まあ、こうして無駄に長い距離を行く最大の原因は、近道が散々な状態になってしまっていることなんだけどね。」



 何やらふくみのある眼差しを向けられて思わず視線をらす。もし、彼がいう教団がアレなら、心当たりがなくもない。




 草木を踏み荒らす音が近づいてくる。あー、熊さんこっちに来ちゃう。対処するしかないか。


「でさ、彼らの聖地が三つあって、そのどこかに居るはずなんだ。彼女を連れ去るよう命令した人物、即ち幹部が。情報が薄いから、トミーは使いっパシリだろうけど、僕らの最新情報を入手可能な存在だ。未だ彼の飼い主(しゅじん)が割り出せていないから、尚一層、勘付かれる前に追い詰めてしまわないと…。影武者君かげむしゃくんたち、どのくらい耐えられるのかな?」



 とうとう熊が目の前に立ちふさがった。取りえず気絶させる。


 目を覚ます前に退散しようと自分より一回り小さい手を握った。





「ん。ありがと。エイダンのこぶしって鉄球くらいの威力があるよね。」


 いや、知らない。


「さあ?急ぎましょう。」


 焦る自分とは違い、おもむろに彼はガサゴソとバックパックをきまわし始めた。もういい。どうせ片付けるのは彼だ。お好きに散らかしてください。俺は手伝いません。いや待って。せめて熊が眠りから覚める前にお願いします。面倒なので。



 彼は真空パックされた衣服を見つけると俺にポイと投げて寄越よこした。




「もうすぐ街に着くはずだからこれに着替えて。」





 ペリペリキュムッとジッ〇ロックのチャックを開け、中身を確認。………………………了解。






 大人しく迷彩柄の服を脱ぎ、白半袖、黒短パンになる。そう。短パンなのだ。ホンモノの。ハーフパンツの三分の一の丈。太腿ふとももがすーすーする。防御力はほぼ無いに等しい。これで森の中を歩く…。ひかえめに言ってすごく嫌だ。人目を引くだろうし、引かれるだろうし。何故、こんなセットになったのか疑問だが、作戦担当の命令な為、何か理由があるのだろうと無理やり納得した。



「エイダンってやっぱなんでも似合うよね。」


 深い意味は無いのかもしれない、という不安はぬぐえない。彼のマイペースさは昔からだったじゃないか。胃が痛むことだって度々あった。このくらい慣れているはずだ。気にしてはいけない。些末さまつなこと。目立つことよりも毛虫に刺されることの方が危険ではないか。早く森とおさらばしよう。



 あーあ。頼むからどんぐり拾いに行かないでくれ!どんぐりを煮て食べてもきっと舌が満足しないから!

閲覧ありがとうございます!続きます。次回、港町に行く(仮)

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