巷で流行りのラヴソング
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続きは近日中に更新します。
タグ変更しました。よく考えたら、負の側面が主題なので、ダークファンタジーでした。すみません…。
コスプレ衣装を複数購入し、ご機嫌なようだ。「では。」と、ふんふん鼻歌を歌う少年に迷子紐を付け、港へ急ぐ。途中で昼ご飯にしては遅すぎるがお弁当を手に入れて。
曲が最近流行りのラブソングに変わった辺りで話しかけた。
「何番乗り場ですか?」
「三番乗り場!『君と共にって誓ったのにさ~君はこんな僕を置いて去って行くんだ~それでも僕は~』」
はあ。ご機嫌で何より。そんなにジェット船に乗るのが楽しみなのだろうか。停泊中なんて揺れて気分が悪くなりそうなものなのに。
「着きましたよ。切符出してください。」
「はぁ~い。『君を待っているよ~だっていつかの世界線で逢えるって信じてる~か~ら~』っと。」
全く理不尽な話だ。置いてかないでと泣く癖に、置いていくのは平気なんだから。こちらに夢でも魘されるほどの後悔を残して。ふと思い出した過去に毒づく。俺にはそんな権利なんて無いはずなのに。
列に並び、出港時刻を待っていると、テオ様が紙に暗号を書きだした。
「前方不注意は危険かと。」
「うん。知ってる。」
つらつらと書いているのは棒人間の絵と何かの頭文字か?傍らからは見えづらくなるようそっと魔法をかける。ギリッと慣れた音と感覚。顔を顰め、咄嗟に首に伸びた手を戻す。全く悪趣味な。この程度でもやはり許す気は無いようだ。ただの布切れのくせに。
「よし。あと一〇分なのかな。席はどこら辺っぽい?」
「恐らく出入り口近くかと。」
「おお。それはラッキーだね。もうちょっと後ろで並ぼうか。」
「承りました。売店で飲み物でも買いに行きましょうか。」
「うーん。」
テオ様は後ろをいきなり振り返り、焦ったように話しかける。
「あの、お手洗いってどちらか分かりますか?」
次話は船の中ですが一瞬テオちゃんが怖くなるかも。テオちゃんはちょっと黒い一面があって欲しい…。




