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少年の強さ

 素早く鞘から剣を取り出しゴブリンの一撃を防ぎ、押し返すと飛び上がりゴブリンに刃を真っ直ぐに向ける。

 周囲を横目で確認するとゴブリンは目の前にいる一匹だけだった。早急に方を付けるために斬りかかるが、ゴブリンはすぐに逃げ帰った。

(昨日の生き残りか?ゴブリンが一匹で行動するはずがない。制限をかけて索敵をするか・・・)

 ヴィダールは先ほどと同じ間違いを起こさぬように制限を掛けて索敵魔法を展開させた。すると、先ほどの逃げたゴブリンだと思われる反応を捕捉した。

(さっきゴブリンか。まだ移動してるな・・・ッ!大量の反応が街に接近してるのか。すぐに街に戻ってギルドに報告しないと)

 ヴィダールはすぐさま現状を伝えるために脱兎のような速さで街に戻り、受付嬢にこのことを伝えた。

「それは本当ですか!?索敵魔法で捉えたなら確かなはずですが、まだあなたには実績がありませんので斥候を出します。斥候が戻り次第クエストを発行します」

「わかりました」

 ヴィダールはギルドの斥候担当者と共に街の外へと出た。斥候の人にある程度の場所を教えるとすぐさま向かった。

 それと同時にヴィダールは再度索敵魔法をできる限り展開した。やはり、先ほどの大量の反応はこの街に向かって移動をしていた。

 街に滞在していた老練な冒険者たちは不運が近づいていることを感じ取り、街の外に出て周辺を確認していた。

「どうした坊主?そんなとこに突っ立って」

「魔物の大群が来るんです。索敵魔法で随時確認しているところです」

 老練な冒険者とヴィダールが話していると、生い茂った草むらから斥候担当者が飛び出してきた。

「君のいった通りだ。魔物が迫っていている!しかも、あり得ないぐらいの数で!」

「坊主、魔物の数はわかるか?」

「大体1000ぐらいです」

「1000ってありえねぇ数だな。魔物がそんなに集まるはずがねぇ。なんかヤベェことになりそうだな。俺はギルドで冒険者を集める。お前は騎士団を呼びに行け!」

 斥候担当者が騎士団を呼びに駐屯地に向けて走り出した。そして、老練な冒険者もギルドに向かって走った。ヴィダールも近く魔物に対抗すべく準備を進めた。

 武器を眺めながら集中力を高めていると、青白い刀身が日光を反射し、ヴィダールの目に当たる。

 脳内にヴィダールの知り得ぬ情報が流れ込み、脳に様々な映像が投影された。それは、一瞬のことでヴィダールは目を覆った。

 多数の冒険者と駐屯地の騎士団が到着した。さらに援軍で王国騎士団が向かってきている。援軍が到着すれば、数的有利は覆せる。それまでの兵力差は1:2と二倍の差があった。

 魔物の群れが近づくにつれて、死への恐怖で剣を握る力がだんだんと強くなる。しかし、戦闘直前になった瞬間、身体中の力が抜け、目前に迫っている死への恐怖が全て吹っ切れて、極度の集中状態に入り込んだ。

「稲妻を纏て、命を断て。サンダーボルト!」

 ヴィダールの口から彼が会得してない呪文が飛び出る。現状に最適な魔法が刀身から提示され自然と唱えていた。

 ヴィダールから放たれたサンダーボルトは命中した魔物から次々と感電していき、前衛のオークを黒焦げにするが、感電するにつれ、威力が落ち最終的に戦闘不可に追い込んだのは二十体ぐらいだった。

 だが、魔物の足を止めるのには十分だった。足が止まった魔物の軍勢に他の冒険者が魔法を唱え叩き込む。

 足を止める事が死を意味することに気づいた魔物は再び動き出し、前衛を務める騎士団と冒険者と激突した。

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