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禁忌の魔剣と平凡剣士  作者: 遊霧
転がり出す運命
9/20

意外な再会

牢の中から移されて、そこにあったのは驚きばかりだった。

(おーい)

「…」


(おーーーい)

「………」


(おーーーーーーーい)

「………なんだよ、うるさいな」


(朝だぞ。起こしてやったことに感謝するんだな)

「お前なんかより、見回りに起こされる方がずっと良かったな…」

目を開けると、昨日と大して変わらない風景が映っていた。なぜこいつは朝だと分かったんだろう?まだ夜だとしたら、ただの嫌がらせだ。


(俺は魔剣化してからは、暇を持て余して、探知魔法で色んな生物の生態を見たからな。そのせいで、朝か夜かは感覚で分かる)

いかにも嘘くさい話だ。


(ホントだよホント)

真偽の程は定かではないが、起こされたということは、こいつは何かしらの鍛錬をやらせるつもりなのだ。

昨日の昼までの1週間の鍛錬では、朝食を摂ったら腹ごなしに軽い運動だ、と言ってめちゃくちゃな基礎鍛錬をさせられた。


今日は何をするのだろうか?

(別に?)


「…嘘だろ?」

(拘束は解かれてても、お前は昨日の夕飯を食ってないだろ?そもそもマトモに動けんだろ)


「じゃあなんで起こしたんだよ」

心と言葉がここまで一致することは今後一切ありえない…そう思った。


(お前には分からんだろうが、今この建物に魔導師の類がいるみたいなんだ。今の時代だと魔法使えるだけで偉いだろうから、寝てる姿で出迎えてもアレだろ)

こんなナリでも礼儀が分かるらしい。


(失敬な。俺は魔族の四大貴族の出だぞ)

そんな事を言われても、なんとなく、凄そうな事ぐらいしか分からないが…


(とにかく、俺の優しさで起こしてやったってワケよ)

ゼルシオ曰く、とりあえず起きてろ、ということらしい。朝は弱いので、勘弁して欲しい所なのだが。

簡易的なベッドの上であぐらをかいて座っていると、遠くで鍵の開く音がした。

(む…圧が増したぞ。どうやら入口の扉にも、結界が仕込まれてるらしい。外のを感知した時より全然違うぜ)

どうやら精度は中々のものらしい。というか、範囲が広すぎるんじゃないのか?


感心していると、入ってきた人物が扉の前に立ち止まった。覗き窓が狭すぎて、正確な人数は分からない。それに、彼らは顔を隠している。


(2人か…片方は魔法の修練を受けているな)

エルシオが冷静な分析をしている間に、目の前の扉が開く。向かって1番左の、階級の低そうな聖騎士が口を開いた。


「青銅級冒険者、カイ・ステイルス!これから処分を申し渡す!着いてこい!」

せっかく外されていた拘束具が再び付けられ、目隠しを付けて歩かされることになった。


しばらく歩いて目隠しを外され、そこに見えたのは、荘厳な装飾のされた大扉だった。


また聖騎士が口を開いた。

「ここは我がエリストル聖騎士団を束ねる、聖騎士団長の部屋だ!無礼を働けば、今より手荒な手段を取らせてもらうぞ。さあ入れ!」


どうやら、ここは聖騎士団の総本部だったらしい。

魔法犯罪の疑いがかけられている以上は、構造を知られるわけにはいかない。

それで、目隠しをしたのだろう。


大扉は、その大きさにはそぐわないほど静かに開いていく。建付けのいい扉は音が出ないのだ。

(ほう…肩書だけの団長ではないらしいぞ)


エルシオは何かを感じとったらしいが、自分には何も分からない。

ふと、先程まで聞こえていた声とは違う人物が口を開いた。それは、どうも聞き覚えのある声だった。


「お前はもう下がれ。本来はここに近付くことさえ、許されていないのだから」

「はっ!」


流れる水のように爽やかな声。この声は…まさか。その男はゆっくりと、白い外套の風防を外す。

「久しぶりだね、カイ君。よもやこんな形で再び会うことになるなんてね…」


そこに居たのは、実家にいた頃に世話になっていた貴族家の長男で、なんと肩書は「聖騎士団第一師団長」となった…アインス=シグ=レインフォードだった。

もちろんイケメンですよ。

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