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キンタマスカッシュ

作者: はじ

 スカッシュというスポーツのルールをよく知らないぼくだが、キンタマスカッシュのルールはよく知っている。


 試合は一対一で行われる。10ポイントを先取したプレイヤーがそのゲームを制し、3ゲームを取ることで勝利が決まる。

 これがキンタマスカッシュの大枠の形式になる。細かいルールについてはこれから話していこう。


 キンタマスカッシュをするにあたって、まず真っ裸になった審判員が垂直な壁の前に立つことになる。このとき審判員の正面が壁に向いてプレイヤー側に背を向けていればリバースキンタマ、逆に壁に背を向けてプレイヤーに顔が向いていればフロントキンタマと呼ぶ。この用語は以後も頻出するので覚えておいてほしい。

 ファースト・レフェリーポジションであるリバースキンタマの姿勢を取った審判員の合図とともに先攻のプレイヤーが審判員の左右どちらかのキンタマを指で弾き壁に当てる。跳ね返ってきたキンタマを後攻のプレイヤーが弾いて壁に当て、再び先攻のプレイヤーがキンタマを指弾する。この繰り返しを行い、弾く力が弱く壁にキンタマを当てることができなかったプレイヤーの失点となる。先述した通り、ポイントを重ねて3ゲームを先取することで勝ちになる。

 また、レフェリーポジションがリバースキンタマ時の得点は1ポイントだが、フロントキンタマのときは2ポイントになる。つまりフロントキンタマのときに多くポイントを稼ぐことが勝利への近道となる訳だが、ここでひとつ疑問が生じる。

 レフェリーポジションはどのタイミングで切り替わるのだ、と。

 お答えしよう。

 レフェリーポジションは試合の最中に変更される。

 審判員が試合の状況を見てリバースからフロントへ、フロントからリバースへと体の向きを反転させるのである。

 その度に試合が中断されるのでは?

 大丈夫、その心配はない。

 審判員は試合の邪魔をすることなく、ラリーの合間をついて体の向きをすばやく変えるので試合に支障が出ることは一切ない。安心して、心置きなく試合に臨んでほしい。


 最後に、キンタマスカッシュのとあるルールについて話しておかなければならない。

 それはキンタマスカッシュの最も難しい点であると同時に、このスポーツを面白くする点でもあるので心して聞いてほしい。


 そのルールとは、

 『弾くキンタマは

  どちらかにポイントが入るまで

  同一のものでなければならない』

 というものだ。


 そんなこと、改めて強調して言うことだろうか?

 そう問いたげな顔をしているね。

 確かにそうだ。テニスの試合中にそれまで打ち合っていたボールを差し置いて、まったく異なる第二のボールを唐突に打ち合い出すことは絶対にないし、それは卓球などの他の球技においても同様だ。常識的な考えを持っていれば、右側のキンタマを弾いている際に左側のキンタマを突然弾き出すような突飛な行動にはでないだろう。

 それなのに何故、『弾くキンタマはどちらかにポイントが入るまで同一のものでなければならない』とわざわざ二重の鉤括弧に収めるような真似をしたのか。

 その理由は、キンタマスカッシュにおいてキンタマを取り違えることはままあるからだ。

 ここまで言ってしまうと、勘の良い人はもう気付いたかもしれないが、これはキンタマスカッシュにとって大事な点なので丁寧に話していきたいと思う。 

 キンタマスカッシュと他の球技との明確な違いはなんだろうか?

 そう、試合中に行われる審判員のポジション変更だ。

 もうお分かりだろうか。それでもぼくは丁寧に丁寧に、まるでキンタマをつまむように丁寧に話していこう。

 つまりどういうことか。

 たとえば、レフェリーポジションがリバースキンタマのときに右側のキンタマでラリーをしているとして、それがフロントキンタマに切り替わるとキンタマの位置関係はどうなるか、想像してみてほしい。


右側のォ

キンタマがァ

くるり回ると

左側ァ!


 そう、審判員にとって右側のキンタマは天地が引っくり返っても常に右側にあるが、プレイヤーにとってはリバースキンタマからフロントキンタマになると右側にあったキンタマは左側に移動しているのだ。

 今一度、先ほどのルールを思い出してほしい。


『弾くキンタマは

 どちらかにポイントが入るまで

 同一のものでなければならない』


 試合がはじまって最初のうちは、レフェリーポジションの変更でキンタマの左右が入れ替わってもどちらを弾けばいいのか瞬時に判断することができるが、試合が長引いて精神的、肉体的に消耗しはじめると左右の判断が遅れる。そこでミスが生じる。審判員の調子によっては、くるくると目まぐるしくポジションが切り替わるので、集中力を維持し続けなければ思わぬ瞬間に左右を間違えることになる。もし誤った方のキンタマを弾いてしまうと、それはミステイク・オブ・キンタマといって相手に3ポイントが加算される。


 さて、これでキンタマスカッシュについてある程度の理解は得られたと思う。

 これからは、ぼくがどうやってキンタマスカッシュと出会ったのか、それを話していこうと思う。




 頭が沸騰するような夏だった。

 そんな夏休みのことだった。

 ぼくは小学6年生、友人のVくんと沸騰するような頭を抱えて歩いていた。

 Vというイニシャルに意味はない。馬場くんをヴァヴァくんと呼ぶくらい無意味なので深く考えない方がいい。考えたって頭が沸騰しているのだから、たいした答えは得られない。得られないならいらないし、いらないものってきっと重要じゃない。

 ぼくたちはそんなことをぶつぶつと呟きながら近所に一軒だけあるスーパーで棒アイスを買い、それにむしゃぶりつきながら日差しの下を歩いていた。

 道端に日陰を見付けてはそこに立ち止まり、止まると汗がふき出すので歩き出す。そうして停止と移動を順繰りにあてもなく歩いていると、先にアイスをしゃぶり尽くしたVくんが汚れた口の周りを拭うこともせずに神妙な面持ちで切り出した。


「おれぇ、ひっこすんよ」


 ぼくは驚いてまだ半分しかしゃぶっていないアイスを取り落とした。アイスは地面に落ちたときにはもう液体になっていた。靴がちょっとだけ汚れた。あとで洗おうと思った。


「いつよ?」

「9月」

「そっか」


 沈黙の間にとけたアイスに蟻が群がっていた。その数は続々と増えていき、黒い塊は水たまりのように大きくなっていった。

 そこからひょろひょろと導火線のように伸びていく行列をぼくたちはたどる。そんなことしかやることがなかったし、そんなことをしなければ悲しくて泣いてしまうと思った。思ったけどたぶん泣きはしないとすぐに思った。そんなもんだ、ぼくって。

 ぼくたちは電柱を迂回した。

 自動販売機を素通りして、

 交差点を右折する。

 横断歩道では手を上げない。

 信号の色は選ばない。

 カーブミラーは見上げないし、

 一時停止も止まらない。

 ぼくたちが蟻の行列に導かれるまま河川敷に向かうと、名前も知らない草が茫々と茂るその先から


「プレイボール!」


 という高らかな掛け声がとどいてきた。

 驚いた蟻は一斉に巣に逃げ帰り、ぼくたちは同時に顔を見合わせた。


「なんだろ?」

「なんだろね」


 興味を引かれたぼくたちは耳の記憶を頼りに河川敷を進み、河橋の方を目指す。名前も知らない草がちくちくと肌を刺す。名前を知らないから気にならない。知らないことは、だいたいどうでもいいことで、知りたくなったら知ればいい。


「これ、なんて草だろ?」

「草は草だよ」

「そっか」


 ぽつぽつと散発的な会話を挟みながら橋下の辺りに到着し、名前も知らない草の間から顔をのぞかせたぼくたちが真っ先に目にしたのは、橋脚に向かって立っている裸のおじさんだった。


「あれ、なんだろ?」

「あれは、なんだろね」


「プレイボール!」


 おじさんはそう叫んだかと思えば、橋脚に向けていた顔をぐるりとひねってこちらに向け、


「ほぅら、お前ら! なぁにを練習さぼっとんじゃ!」


 ぼくたちは言われるがまま、これがなんの練習なのかも分からないままその練習に打ち込んだ。

 デコピンの素振りを100回、右左の手すべての指でそれぞれ行い、それが終わると右と左で交互にデコピンを繰り出すコンビネーションを100回、続いて反復横跳びを50×3セット、30分の休憩をはさんでから


「ほぅらお前ら! 試合じゃ試合!」


 そういって壁に向かって立ったおじさんが


「プレイボール!」


 と、よく通る声で高らかに叫んだ。

 相変わらずなにをしていいのか分からないぼくたちが棒立ちになっていると、「なんだお前ら! キンタマスカッシュ知らんのか!」と呆れた様子で言い、

「わしの指示通りにやってみい!」

 ぼくたちはおじさんの言われた通りにキンタマスカッシュをはじめる。

 まずはぼくが恐る恐るおじさんの左キンタマを弾いた。力加減が分からず思いっきり弾いてしまったようで、おじさんの口から「くぅふぅ!」と辛そうな声がこぼれたので心配になって見上げた。おじさんは「それでええ! それがええッ!」と目元に涙をためながら、でも顔をしわくちゃにして太陽のように笑いながら言った。

「よぉし、どんどん弾け! どぉんどん弾けよ!」

 またぼくがパチンとキンタマを弾き、それがポコと壁にぶつかり、返ってきたキンタマをVくんがパチンと弾いてポコとして、ふたりで交互に


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!


 ほぅら、ステップアップじゃ!


右側のォ

キンタマがァ

くるり回ると

左側ァ!


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!


左側ァ

キンタマがァ

くるりと回ると

右側にィ!


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!


右側のォ

キンタマがァ

くるり回ると

左側ァ!

キンタマがァ

くるりと回ると

右側にィ!


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!


 日が暮れてキンタマが見えなくなってもぼくたちはキンタマスカッシュに夢中になっていた。家に帰ることも、夏休みの宿題のことも、引っ越しのことも忘れて見えなくなったキンタマを弾き、弾き返しては弾いて弾いていた。


「よぉし、今日は終わりじゃ! おぉ、痛い痛い! お前ら右側ばかり弾きすぎなんじゃ!」


 ぼくたちは夏休み中、沸騰した頭に熱湯を注ぎ足すみたいにしてキンタマスカッシュに明け暮れる。

 おじさんの練習はとても厳しい。でもそれが楽しい。


「もっと! もっと強く!」

「くぅふぅ!」

「それがええ! それが一番ええ!」


 おじさんからアメリカンクラッカーを渡され、家ではこれで練習するように言われた。ぼくたちは家ではアメリカのクラッカーを、外ではおじさんのキンタマを弾いた。爪が割れて血がにじむこともあった。それでもキンタマを弾くことは止めなかった。止めてしまえばこの楽しい時間も終わってしまうと知っていたからだ。


 でも夏休みは終わる。

 蝉が鳴き止む。

 アイスは固まる。

 Vくんが引っ越す。

 でもぼくは寂しくない。


「おれぇ、

 中学生になったら

 キンタマスカッシュ部に

 入るわ!」


「うん、

 ぼくも

 そうする!」


「つぎ会うときは

 全国大会

 だ!」


 そう誓い合ったからだ。


 その約束を実現するためにぼくは毎日おじさんのもとに通った。

 一人しかいないので試合形式の練習はできなない。とにかく技を磨くのだ。雨の日は降りしきる雨粒をひとつずつ弾いてショットの精度を上げる。風の日は風を裂くほどの鋭いショットの練習だ。台風の日はひたすらアメリカンクラッカーを弾いて爪の強度を上げていく。


 おじさんの指導にも熱が入る。

  プレイボール!


 ぼくは弾く。

  パチン! ポコ!

 

 おじさんは叫ぶ。

  くぅふぅ!


 ぼくが弾くとおじさんが叫ぶ。

  パチン! ポコ! くぅふぅ!


 ぼくが叫ぶとおじさんが叫ぶ。

  プレイボール! プレイボール! 


 叫ぶとおじさんが叫ぶ。

  プレイボール! プレイボール!


 叫んで弾く。

  プレイボール! パチン! ポコ!


 弾いて叫ぶとおじさんが叫んで叫ぶ。

  パチン! ポコ! プレイボール! くぅふぅ! プレイボール!


 そうやって日々は本当にあっという間に過ぎていった。


「お前のあのショットは内臓に、こう、ぐぃいぃんって来るぞ。なかなか見どころある!」


 滅多に褒めないおじさんがそう言ったのは卒業式の日だった。ぼくは式を早々に抜け出して河川敷で練習をしていた。

「下腹から脳天に電流が走るみたいじゃ! とてもええ!」

 嬉しそうに笑っているおじさんを見て、ぼくは弾くのを止めた。

「おじさん、ぼく、4月から中学生だ」

「おう!」

「キンタマスカッシュ部に入るから、ここにはあまり、来なくなるかもしない」

「おう!」

「お、おじさん!」

「おう!」

「あ、あっ、ありがとう! 今まで! ありがとう、ございました!」

「おうよ!」


 ぼくは中学生になった。

 制服を着た。

 ぼくと同じ制服を着た人がいっぱいいた。

 みんな笑っていた。

 ぼくもがんばって笑っていたけど疲れたからそっと抜け出した。

 ふらふらと歩いていると、体育館の前に桜の木を見付けた。そこから花びらがひらひら舞い散っていたので、それらをすべてデコピンで打ち落としていると、

「きみすごいね!」

 そう声をかけられた。

「キンタマスカッシュやってるからね!」

 ぼくの返答に相手は首を傾げた。

 その意味が分かったのは、部活動の入部届を担任に提出したときだ。

「なんだこりゃ? キンタ、キンタマスカッシュ?」

「はい! まだはじめて半年くらいですが腕には自信があります! 最近は親指で斜め上に突き上げるショットもできるようになりました。内臓に響くいいショットだって言われてます。キンタマスカッシュ部に入部したら少しでも早くレギュラーになって、全国大会に出るのがもくひょ」

 ぼくの話を手のひらで制した担任は、こちらをまじまじと見て、

「ちょっと待て、そんな部活、ないぞ。というか、えーっと、ちょっと待て、そのなんというか、キンタマスカッシュ? そんなもん、この世にないぞ」


 胃が、

  キュッ

   ってなった。


 キュッとなったまま、

 ヒュッと声を出したら、

 スッと血の温度が下がった。



「どうしたお前、青い顔して」


 おじさんがぼくにそう言い、


「よぉし、やるか!」


 穿いていたズボンを脱いで壁に手をつき、大きく股を開いてボロンボロンとキンタマをさらけ出した。


「よぉし、まずは左右のコンビネーション練習からじゃ! さ、来い! プレイボール!」


「キンタマスカッシュって本当にあるの?」


 ぼくはまずそう聞かなければならなかったのに、おじさんの呼吸に合わせてテンポよく揺れているキンタマを見ていたら血の温度がどんどん下がっていって、自分でも知らないうちにおじさんのキンタマを殴りつけていた。


「あるわけないよ」

「プレイボール!」

「そんなもの」

「プレイボール!」

「ずっと騙してたんだ」

「プレイボー!」

「ずっと」

「プレイ!」

「うるさいな」

「プレ!」

「!」


 渾身の力で、全力で、キンタマが見えなくなるまで殴りつけて、拳についたネバネバを河で洗った。

 水は冷たかった。

 それをちゃんと冷たいと思える程度には冷静だった。


 家に帰ったらVくんに連絡を取ろう。

 そう思ったがしなかった。

 ぼくはテニス部に入った。

 ラケットでボールを打った。

 勉強もちゃんとした。

 宿題をした。

 夏休みの宿題もした。

 中学を卒業した。

 高校に入った。

 そこでVくんと再会した。


 開口一番にVくんは

「おう! 久しぶり! やってる?」

 そういってデコピンの仕草をしてみせた。

 苦笑いで応じるぼくに

「お前、一度も全国大会来なかったな! 俺なんて二年と三年で出たんだぜ! 二年のときは一回戦で負けちまったけどよ、三年のときなんて決勝までいったんだぜ! あー、思い出しただけでも悔しい! あともうちょっとで日本一だったのに!」

 ぼくはVくんがなんの話をしているのかよく分からなかった。ぼくの反応が薄いことからなにかを察したVくんは

「お前、もしかして、やめちゃったの?」

 そう尋ねた。

 ぼくは首を縦にも横にも振らなかった。

 振れなかった。

 Vくんは独り合点して話を続けた。

「なんだよー! やめたのかよー! でもよ、高校でまたはじめればいいじゃん! ここのキンタマスカッシュ部すげー強いから!」

「あ、あるの?」

 ぼくは声を絞り出す。

「へ? なんだよ、お前。それも知らずにここに入学したのかよー!」

「えっと、違くて」

 いたかった。

「その、キンタマスカッシュってあるの?」

「は? お前なに言ってんの?」

 頭が痛かった。

「あるに決まってんじゃん」


 痛くて熱かった。


右側のォ


 ぼくが信じていたものってなんだ


キンタマがァ


 信じていたものを簡単に否定してしまったぼくって


くるり回ると


 なんなんだ?


左側ァ!



 気付いたら河川敷にいた。

 おじさんが審判員をするときにいた場所に立ち、服を脱いで裸になっていた。


「プレイボール!」


 懐かしい声が聞こえて、後ろを振り返る。

 そこには二人の少年が立っていて、こちらをジッと見つめていた。


 ああ、あれは、

 あの頭が沸騰するような夏のぼくたちだ。


「ほぅら、お前ら! なぁにを練習さぼっとんじゃ!」


 それならぼくはあのときのおじさんだ。


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!


右側のォ

キンタマがァ

くるり回ると

左側ァ!


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!

 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!


左側ァ

キンタマがァ

くるりと回ると

右側にィ!


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!


少しでも長くこのラリーが続いてほしい


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!


続いている限りぼくは信じていられる


 パチン! ポコ!

  パチン! ポコ!


右側のォ

キンタマがァ

くるり回ると

左側ァ!


 パチン!

  パチン!

 ポコ!

  ポコ!


あ!

ミステイク・オブ・キンタマ!

子どもの頃は自分たちでルールを作った遊びをよくしていた記憶があります。

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