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旅情編 第五幕 魔法の真髄

~前回までのあらすじぃ~

四天王の1人ヨーディは師匠である長老コーディとぶつかり、含みのある言葉を残し撤退して行った。残された拓真達は長老コーディに魔法を教え込む、と言われたのだが・・・

「そう言うわけで、これから魔法についての詳しい話をしようと思うのぢゃ!」

「”のぢゃ!”ではありません。ホビット種としては協力をお断りしました」

「なんじゃ、ケッチくさいのう。そんな事じゃから皆に嫌われるのじゃぞ?」

「嫌われても構いません。アナタのそういういい加減さが私は嫌いなのです」

「バッカじゃなぁ、それでは婦女子にもてんぞ?」

「婦女子にもてる為に副長老の座に就いてる訳ではありません!」

「なんじゃ、ワシは婦女子にもてたくて長老やっとんのじゃぞ!」

「こんのエロジジイがぁ、黙って聞いてりゃ調子にのりくさってぇぇぇ!!!」

拓真たくまはホビットの集落で長老コーディと副長老ムーディのやりとりを

シーソーゲームでも見るかのように首を左右に振って見ていたが

ぶち切れたムーディがコーディの首を絞めにかかったところで慌てて止めに入った

「はーっはーっ、今日という今日はもう勘弁なりませんよ!」

息も荒くムーディがコーディを睨みつける。サリオと3騎士が押さえている

「へーっへーっ、こっちこそ貴様の頭の堅さには辟易ぢゃ!」

息も荒くコーディがぶんむくれる。拓真とホークアイが押さえている

「・・・なんじゃ、ワシの方はオトコばっかじゃのぅ」

「そりゃまぁ・・仕方ねぇだろ」

コーディが拓真に愚痴をこぼすが、拓真も呆れ顔で返す

サリオの方を見ると、首をぶんぶん振っている

他の3騎士は苦笑いだ。キラッセもそちらに行って冷めた目つきをしている

「兎に角、部外者への協力は致しません。これは決定事項です」

落ち着きを取り戻したムーディが襟を正し、きっぱりと言い切る

「そこをなんとか、協力してもらえんかなぁ」

拓真が頭を掻きながらぼやく

「そうじゃそうじゃ。この石頭めが」

同じポーズを取ってコーディがムーディを挑発する

その態度に青筋からぶしゅーと血を噴き出しながらムーディが激怒しはじめた

青筋から血が吹き出るの、初めて見たかもしんない・・・

「くっこの・・・・!!」

体の四肢を女子とはいえ4人に押さえられて動けない激怒したムーディに

コーディはあっかんべーをしたり、尻をぺしぺし叩いて更に挑発している

「やめなって・・・」

さりげなくコーディを隠すように拓真が前に出る

「ムーディさんよ」

しゃがんで視線を合わせると真剣な眼差しで拓真は話し出す

「俺達はどうしても”魔界”に行かなきゃならんのだ。そうしてこの負の連鎖を終わらせたいんだ。頼む、協力してくれ」

拓真は頭を下げてムーディに懇願した

「・・・魔界に行って何をする気ですか。魔族を皆殺しにでもするのですか」

ムーディは幾分落ち着いた姿勢で拓真に問い返す

「皆殺しに行くのではない」

「それでは話し合い?馬鹿馬鹿しい。話にすらならない」

「違う」

ムーディにそう言うと拓真は立ち上がり、ムーディに向かって言い放つ

「魔界に行くのは奴等をこっちの世界から切り離したいからだ」

「・・・切り離す?」

初めてムーディが拓真の話しに興味を持ったようだ

「・・・切り離す、か・・・」

考え込むムーディを見てコーディが溜息をつく

「なんじゃ、最初から人の話をちゃんと聞いて置けば良かったんじゃないかのぅ」

なぁ、と後ろにいたホークアイに同意を求める

「カカカ・・・話を停滞させていたのは御老人にも問題が・・・」

「なんじゃとぉ!この鳥人間風情が知った風な口をぉ!」

今度は拓真の背後でコーディとホークアイがごちゃごちゃやりだした

もう知らん、と拓真は感知しないようにした



「いいでしょう。今回は”転生者”タクマ殿の言を信じ、協力を致しましょう」

暫く長考していたムーディは緊急に集落の主だった人物を集め

会議をした後にそう結論を言ってきた

「そうか。解ってくれてありがとう」

微笑んで右手を差し出す拓真。それを握り締めムーディは続けて話す

「皆殺し殲滅でもなく共存共栄でもなく、”切り離す”。この案件は斬新でした」

そう言いながら握手を解くと

「それならばもしかしたら・・・いや不確定な話はよしましょう」

ムーディはそのまま歩き出し、部屋のドアの取っ手を掴むと振り返る

「ご案内します。まだこの集落に残された魔法の書庫へ」

「あぁ、よろしく頼む」

すっかり心を開いた様子のムーディに拓真は気分を良くしていた

「なんじゃすっかり毒気を抜かれてしまいおって。ホントに人の話をじゃな・・・」

その背後では今だぶちぶち言っているコーディがいた

「カカカ・・・静かに話を進められなかったのは・・・」

「すとっぷ!ホークアイ!もうやめなって」

ホークアイがコーディに絡もうとしたのをキラッセが止めた。いいぞキラッセ

その様子を見て苦笑しながらサリオも後に続く

「さぁさ、行きましょう」

その背後から目を光らせてコーディがサリオの臀部に狙いをつけてダイブする

だがそれを素早く察知したキラッセが撃墜した。やるなキラッセ

「カカカ・・・御老体、歳ですかな?」

やたら嬉しそうなホークアイがコーディを引き起こしながらそう話し掛けていた

「油断も隙もないねぇ~~」

ぷんすかしてるキラッセと背後を不思議顔で振り返るサリオと3騎士

それを諦め顔で首を振ったムーディが皆を先導する

それを見ながら拓真はホントにこいつは300歳超えてるのか?と考えていた



集落の奥まった場所に自生していた巨木の根元にその入り口はあった

なんでもホビットの一番古い書物などが収められているという話だ

その中に案内されながら拓真は思っていた事を口に出す

「もしかして四天王の”ヨーディ”が此処に来た目的ってのは」

「恐らく、ここの存在を想い出したからではないでしょうかね」

ムーディが背後の拓真にそう返す

「魔族に鞍替えして全ての魔道書を奪い去って行ったヤツですが、ここまでは手を出していなかったのですよ」

「ま、ワシがここまでヤツを近づけなかったからじゃがな」

コーディが自慢げに繋げる

前後をホークアイとキラッセにガードされながら付いて来ている

「はぁ・・・そういう所だけは認めますよ」

「そうじゃろうそうじゃろう。もっと褒めてもいいんじゃぞ」

「そういう所が認めたくない所なんですけどね・・・」

ほとんど掛け合いみたいになってきた2人の会話だ

「ここです」

やや長い階段を降りきった所に、その扉はあった

「・・・なんか、ズンダの部屋の扉を思い出すな」

おどろおどろしい扉の装飾に拓真は城塞都市テンペロストでの出来事を想い出す

「この扉、勝手に触るとトラップが作動したり・・・」

「えぇ、電気ショックが取っ手から流れますよ」

「・・・するんだぁ・・・」

拓真の問いに当たり前のようにムーディが答える

魔法使いてのは考える事が一緒なのか・・・?

拓真と被害にあったサリオが同じ事を考えていると

その脇で何かをがちゃがちゃと操作していたムーディが振り返る

「トラップは解除しました。どうぞ」

そう言って扉を開ける

ホビット用に作られた狭い扉を腰をかがめてくぐった拓真達はその内部に目を見張る

「凄い、書籍だな・・・」

魔法の光で照らされた内部には壁を覆い尽くすほどの書物がずらりと並んでいたのであった

「なんせ1000年以上の物も置いてありますからね」

ムーディがさらりと言う

「1000年だって!よく腐らないね、この書物」

3騎士の1人、ミースが素っ頓狂な声で話す

「そこはホラ、魔法かなんかでね、腐らないようにしてるのよ?」

同じく3騎士の1人、セイムが手のひらをひらひらさせながら答える

「ほほう、セイムさんは物知りですな~?」

3騎士最後の1人、ソーネが冷やかすようにセイムをつんつんする

その会話を聞きながら拓真はそうなの?という感じでムーディを見る

「えぇ、まぁ・・・防腐処理を施したパピルスや結界魔法等も使用してますから」

大体当たってるよ、という相槌をうつ

拓真は机の上にあった本を何気に手に取り呟く

「魔法、か・・・俺でも覚えられるのかな」

「まー無理じゃな」

コーディが本棚の一番奥に向かって歩きながらそう断言する

「魔法の事を教えるちゅう話だったからの」

急に立場相応の態度になったコーディに一同驚いて注目する


「魔法はの、誰でも使える訳じゃないのじゃ。素養が必要なのじゃ」

態度急変のコーディが皆に向けて語りだす

「素養があれば魔法は使える。じゃがいきなり高位の魔法は使えぬ」

そう言って本棚の一冊を取り出す

「例えばワシがヨーディに教えたファイアー・ボール。アレひとつ取ってもそうじゃ」

ページをめくりながら更に話す

「ひとつの魔法を繰り返し使い、次第に身体にその使い方が染み付いた頃、次のステップの魔法が使えるようになるのじゃ」

皆がほうほう、と聞き入る

「高位の魔法を使えるようになるには、それは長い年月が必要なのじゃ」

手にした本をパタンと閉じる。手にした本は話の流れには関係なかったようだ

「じゃから魔法使いには高齢者が多いのじゃ」

皆がうんうんと頷く。確かに言われてみれば、と拓真も納得する

「じゃが例外も存在する」

手を後ろ手に組んで皆を見渡す

「それは、時折現れる”天才”じゃ」

手にした本を棚に戻し、更に奥へ足を進めるコーディ。動き回らなくてもいいのよ?

「天賦の才ともいうかの。稀にそういった手順を無視して高位の魔法を使える者が現れるのじゃ」

奥まった場所にあった金庫の様な物の前に立つ

「魔法を覚えるというのは”スクロール”に書かれた文章を解き放つ事によって使用した者の脳裏に術式を刻み込む事なのじゃが」

金庫のダイアルをいじりだす

「中には高位魔法のスクロールも存在し、いきなり高位魔法を使用出来る者もおるのじゃ」

かちり、と鍵が開いた音がする

「普通は使えんのじゃがの。天才ちゅうのはそれをカンタンにやれてしまうのじゃ」

金庫の扉を開ける

「この金庫にはその高位魔法スクロールが入っておる。その中に・・・」

金庫の中に手を差し入れる

「”移動魔方陣”のスクロールがある」

金庫から手を出したその手に一本の巻物が握られていた

「これが”移動魔方陣”のスクロールじゃ。覚えれば記憶にある場所へのゲートを開く事が出来る様になる」

それを持って拓真達の前の机に置く

「じゃが、お前さん達は”移動魔方陣”を封じる魔法を探しておるのじゃろう?」

そして一同の注目を集めたスクロールを指でつつく

「そう言うのを”魔法封じ”と言ってな。このスクロールの他に必要な物があるのじゃ」

「それは此処には無いのか?」

拓真が即座に問いただす

コーディはその問いに腕を組んで両目を瞑り、少ししてから片目を開ける

「タクマよ、御主・・・”エルフ”って知っとるか?」

と悪戯っぽく言うのだった

次回予告ゥ ホビットの長老コーディの助言により、拓真達は他の魔法使いが存在する人族の種、エルフの都を目指す事となる。果たして”魔界”へ通じる道は開けるのか?魔方陣を封じる手立ては見つかるのか?・・・”旅情編 第六幕 エルフっていうけどさ”でお会い致しましょう

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