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取り調べの、俺

兎に角、戦闘場面や活躍場面を、はよぅはよぅwww

「ここに入ってろ!怪しい奴め!」

半ば乱暴に背中を押されて、太い木の格子の扉のある部屋に押し込められる

抵抗する気が無かったのでそのまま勢いで床に膝をつく

「後で長老が戻られる!そしたら詳しく尋問するからな!」

話し方も丁寧な感じで自分をこの部屋に押し込んだ男は去っていく


それにしても言葉が解るってことは話も通じそうだな、と拓真たくまは考えて格子の側を見つめる

「おいケリス、しっかり見張ってろよ」

見えない側でそんな声をききつつ立ち上がろうとすると、部屋の奥から声がかかる


「へっ、またバカがドジふみやがって・・・」

なんだ、このテンプレな展開は?と思いながら声のした方を振り返るとそこには背格好10代位の、紅いショートヘアの人物がニヤニヤしながら立っていた

「お前、どっからきたのさ?」

ぶしつけにそんな質問をぶつけてくるその少年と思しき人物に向かって

「人に物を訪ねるときは、先に名乗るもんだぞ?」

と気取った声でかえしてみる

「はっ!こんなトコに押し込められるようなヤカラが、大層な口を聞くじゃないか?」

まぁいいや

大声で言った後に小声でつぶやくとこう名乗りだした

「オレはキラッセ、この界隈じゃ閃光のキラッセで通ってる」

「そのキラッセさんはドジを踏んでこんな所に入ってるのか?あぁ、俺は拓真だ」

ちょこっと突っ込みを入れながら、サラッと自分も名乗っておく

「な、ぐが・・・!た、タクマ、だぁ?聞かねぇ名前だなァ?」

自分の名乗りを突っ込まれたのを言い返す間もなく、こちらの名前を復唱するキラッセ


「そりゃそうだ。俺はココに、いやこの国に来たばっかりだからな」

そう答えると拓真は立ち上がり、壁際に座りなおして背中をあずける

「ふ~~ん、それじゃしょうがないねぇ・・。んでタクマは何やらかしたんだ?」

「初対面のくせに気安い小僧だな。目上の者にはちゃんと敬語を使うもんだぞ」

異世界で会話が出来ることに慣れたのか、明らかに年下とおぼしきキラッセに向かい、拓真は大人の男を匂わせる様な態度で話しかける

「ちぇ、いってらぁ!・・・同じ穴のトカゲだってのによぉ!」

微妙に言葉が違う諺を耳にし、この世界にも諺って、あるのかぁ、トカゲいるんだ・・・とか考えをめぐらせていると格子の前に立つ人の気配を感じる

見ると配給なのか、木のコップらしきものを2つ、両手に持って立っている女性が目に付く

「どうぞ、お水です」

透き通るような声でその女性はコップを格子の中から差し入れ、床に置いた。かがんだ時に、着ていた衣服の胸元がチラリと見え豊満な球状を除かせる

「な~~にみてんだか、エロおやじがよぉ!」

そういいながらキラッセが横を通り過ぎて床に置かれたコップをつかみに行く。図星をつかれてグッとなったが、敢えて咳ばらいをしつつ拓真も水のはいったコップを取りに行く


「なぁ、ケリス。今度はちゃんとやるからよぉ。長老にとりなしてくんねぇか?」

コップの水を一息に飲み干したキラッセは水を持ってきたケリス、という女性に話しかける

「ダメですよ、キラッセ。アナタ、もうこれで3回目よ?農場の作物を見張る役目が、逆にその作物を盗んでたら意味が無いじゃない」

「仕方ねぇじゃねぇかよぉ、ちょうど美味そうにトマトのやつが熟れてるのを見たら、つい」

へぇ、この世界の作物って俺の世界と同じ名前なんだ、味とかも一緒なのかな?と、二人の会話を聞きながら拓真は考えを巡らせた

「もういけませんよ。そこで2日間謹慎したら、アナタには開拓班に回ってもらいますからね」

「げぇ!開拓班ってマジかよ・・・あそこは岩ばっかでどうしようもないとこじゃんかよ!」

そんな会話を横で聞きながら、開拓か・・・スモルガー・ロボットフォームを使えば俺も役立てるって所を見せられるなと思っていると、何人かの歩く足音が聞こえ

「出ろ、怪しい奴!長老の取り調べだ!」

と声がかかった


「して、おぬしは何者じゃ?」

両手を後ろ手に縛られ目隠しをされて連れてこられた部屋で、白髪ひげの長老とやらに話しかけられる

「俺は拓真。放浪者だ」

と手短に名乗る

「ふむ、タクマか。放浪者というからには以前は何処の国におった?」

「どこの国にいたかは記憶が無い。記憶喪失というやつだ」

「ふむ、やっかいじゃの」

事前に考えておいたテンプレ的な身の上を手短に話すと、白いあごひげをさすりながら長老が何がしか思案する

「長老、これを。この男が隠し持っていました」

長老の横に立っていたが、俺が持っていたジェットタイプのヘルメットを差し出した

「これは見た事が無いカブトじゃのう。その変わった服装といい、おぬしはどこか遠い国の脱走兵とかではあるまいの?」

するどい眼光に射すくめられ思わずビクっとするが、なんとかこらえると

「わからない。記憶にない」

と返答した

「しかたないのう。暫くは懲罰部屋に入れておき、処遇を考えよう」

そう結論を出し両隣にいた二人に目配せをした

「連れていけ。このカブトと所持品ははこちらで預かる」

所持品とは名ばかりの、持っていたこの世界の硬貨が置かれた机を見ていると、再び拓真に目隠しがされた


再び、格子のはまった懲罰部屋

「お、帰ってきたな。そんでタクマ、お前何者なのさ?」

興味なさそうに部屋の小さな格子窓から外を見ていたキラッセが、戻った途端話しかけてきた

「何者でもないさ。ただの放浪者。記憶喪失。そんだけだ」

「へぇ、記憶喪失の放浪者ねぇ。取ってつけたような設定だね?」

悪びれもせずそう言い放つと、キラッセは急に体を寄せてきて耳元で囁く

「おい、俺と一緒にここを出ねぇか?俺と一緒ならこの国じゃ何かと困らねぇぜ?」

近い近い、と思いながら横を向くとすぐ横にキラッセの真顔が見える。目が合うと、何故か破顔してニコっと笑いかけてくる

・・・以外に綺麗な歯並びしてんな、こいつ・・・と思った矢先

かんかんかん かんかんかん

「大変だーーー!!魔族が攻めてきたぞぉーーーーー!!」

この集落に来た時に聞いた、木の板を叩いて響かせる警報音が鳴り響く

魔族・・・そういやこの世界での目的って、魔王を倒す、だっけか・・・

と漠然と思い出し、まだ見ぬ脅威への不安が胸に迫って来るのだった


誰も読んでなくてもいい・・・逞しく書いていきたい・・・(チラッチラッ

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