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旅情編 第四幕 師弟

~前回までのあらすじぃ~

魔法の国、ホビットの集落に案内された拓真達であったが協力を拒まれたばかりか

四天王の1人”ヨーディ”と出くわしてしまう・・・

「ちょいと里帰り~のつもりで来たんだけど・・・これってラッキー?」

魔方陣から現れた魔族四天王の1人”ヨーディ”は拓真たくまを見つけると

独り言を言いながら軽い足取りでひょいと魔方陣から抜け出した

「魔族四天王の1人、”ヨーディ”だったか」

拓真は腰のレーザー・ソードの柄に手をかけながら問いかける

「そだよ~♪よっく覚えてたねぇ?あんまり目立つ活躍してなかったのに、さ~」

どことなくつかみどころの無い、子供を相手にしている様な気分にさせられる

「ヨーディ!貴様、一体この集落に何の用だ!」

怒気を孕んだ声で横から口を出して来たのは副長老のムーディだ

その顔は声と同じく怒りを隠さない

「ん~~?何の用って・・・故郷に帰ってきちゃいけないのぉ?」

首をかしげながら眉間にしわを寄せるヨーディ

その行動にいちいち大袈裟に反応する、彼を包囲している守備兵達

「故郷だと・・・あんな・・・後ろ足で砂をかける様なマネをしておいて・・・!」

ムーディの怒りは収まる所か増幅されている様だ

「あんなマネ~~?・・・ゴメン、覚えてないやぁ~♪」

屈託の無い笑顔でそう返すヨーディ。その仕草が余計に不気味さを増す

「んまっ、そんな事はどうでもいいよねぇ~」

ヨーディはそう呟くと笑顔を見せると

「邪魔だから、どいといて~~♪」

そう言うと両手を四方に広げる

「がっ」「くわっ」「ぎぁ」「うっ」

ヨーディを取り囲んでいた守備兵それぞれが

うめき声を上げて全員遠くに吹き飛んで行った

「んぎっ、貴様~~~っ!」

ムーディがその様子を見ていきり立つが

「アンタも、邪魔ーー」

その一言でヨーディの魔法で遠くに吹き飛ばされてしまった

「ふぅ、邪魔者は居なくなった、と・・・」

そう言って顔を下に向けるヨーディ

すぐに雰囲気が変わり含み笑いが聞こえて来る

そして睨め上げる様に視線だけを拓真に向ける

「転生者をボクが葬り去るチャンス到来、ってやつだよねぇ~~♪」

突如として獰猛な殺気が振り撒かれ、ヨーディのローブがはためく

「ぐっ!」

その威圧感に拓真もたじろぐ

「ホラ~こないだの”戦争”じゃボク、出番が無かったじゃない?」

そう言いつつ一歩、拓真に近寄るヨーディ

「あの時はズンダのおねーちゃんが邪魔しててさ」

そう言ってまた一歩

「ボクの実力が出せなかったんだよねぇー」

さらに一歩

「無理して出さなくてもいいんだぜ?」

拓真が威圧感に押されながらも軽口を叩く

「遠慮すんなよぅっ!!」

突如として間延びした喋りを変えたヨーディは両手を前に突き出す

「ぐぉっ!!」

突き出された両手から見えない何かが拓真に向かって放射されて

それを喰らった拓真は反動ではるか後方に吹き飛ばされる

「カカッ、タクマッ!?」

それを見たホークアイが驚いて吹き飛んだ拓真に駆け寄る

「ふふっ”ショック・ウェーヴ”って言う魔法だよ♪びっくりしたぁ?」

「あぁ、驚いたぜ。子供の遊びにゃぴったりだ」

吹き飛んだ状態でホークアイに抱き起こされた拓真は更に軽口を叩く

「・・・へぇ、ま~だそんな口、をッ!!!」

ヨーディが追撃の”ショック・ウェーヴ”を放ってくる

が、それを素早い動きで回避した拓真は横っ飛びに走る

「ま~だまだぁあああッ!!」

ヨーディが猛り狂ったように魔法を連射する

走り去る拓真のすぐ後ろに魔法が着弾して何がしかが砕け散っていく

その破片の中を拓真とホークアイは走り抜けていく

「ホークアイ、アレに対抗する手立ては無いか?」

「カカカ・・・魔法はワシも得意では無い」

「そっか、するってぇと方法はひとつ!」

「接近戦のみ!!」

走りながら相談を終えた拓真とホークアイは、同時に空中にジャンプする

そのまま2人で直接攻撃を加えるべくヨーディに向けて降下したのだが

「んぐっ」

「カカッ?」

空中で2人ともぴたりと停止してしまった

「あははっ、バッカだなぁ~そんなのお見通しだよぉ~」

ヨーディが二人に向けて片手を広げて何がしかの魔法を放っていた様だ

「さーって、どうしよっかなぁ~♪」

空中で固定されてしまった2人を捏ねる様に弄ぶヨーディ

だがそれを外部から断ち切った者がいた。突然地面に落下する2人

「イテッ!!」

「んカッ!!」

尻から落下した拓真と顔から落ちたホークアイ。それを唖然と見るヨーディ

「だ~れよぉ、邪魔すんのはぁ~~?」

怖い顔をして邪魔した人物がいると思われる方向に顔を向けるヨーディ

「ワシぢゃ! 驚いたか!!」

長老のコーディであった



「あ~~・・・くそじじい、ま~だ生きてたのぉ?」

ヨーディがさもめんどくさそうに溜息と共に脱力する

「御挨拶じゃな、くそがき。何しに戻って来おった、この恩知らずめが」

低次元の口喧嘩が始まる中、拓真とホークアイはこそこそと距離を取る

結構離れた所でお互いに痛い所を擦りながら2人を見比べる

「あの2人・・・」

「そうです、あの2人は師弟の間柄です」

拓真とホークアイの後ろから吹き飛んで行った副長老のムーディが現れて口添えする

「やっぱりか・・・」

どことなく纏っている空気が似ているな、と思う拓真であった

「あいつ・・・ヨーディが以前にこの集落に対して行った行為ってのは、一体何です?」

拓真は先程の口論の中で気になっていた事をムーディに尋ねる

「・・・ヨーディが勇者パーティに参加する時は、集落全員で快く送り出したのです」

ぎりり、と唇を噛むムーディ

「だが、アイツはよりによって魔族になりこの集落に帰って来た!」

キッと正面のヨーディを睨みつけると吐き捨てるように言う

「そして手土産と称してこの集落の秘蔵である魔法の書を全て奪い去った上に、住人まで攫って行ったのですッ」

「マジ、か・・・」

「カカカ・・・強欲じゃの」

ムーディの目にはうっすらと涙まで滲んでいる

「攫われた住人には私の妻や娘が・・・」

「鬼畜か・・・」

「カカカ・・・人の所業ではないな」

隠されたヨーディの残忍な所業に拓真もホークアイも眉間に皺が寄る

「当時のコーディがなんとか撃退に成功してからは、ヤツも此処には来ないと思われていたのですが。まさか再び現れようとはッ」

今だ怒りを隠さず、拳を握り締めるムーディ

その向こうではまだ口喧嘩が続いていた


「だーかーらー、じじいは引っ込んでろって~~」

「くーそがきに指図される言われは無いわい」

見た目が子供なので、傍目からみたら子供の言い争いにしか見えない

「あーもう面倒。好い機会だからこの際、墓に送ったげるよ~」

ヨーディが口喧嘩に飽きたのか、両手を上に掲げると魔力を練り始める

その頭上に火の玉がごうごうと構築されていく

「くそじじいに最初に教わった”ファイアー・ボール”だよ~なっつかしいでしょ?」

「けーっワシの教えた”ファイア・ボール”はそんなにでっかくないわい!」

言い返したコーディも頭上に水の玉を作り出している

その大きさは段々と尋常じゃない大きさにまで膨れ上がっていく

「おいおい・・・この大きさって・・・」

広場の半分を覆いつくさんばかりに膨れ上がった火の玉と水の玉をみつめ、拓真が呟く

「カカカ・・・タクマよこの大きさはさすがに・・・」

ホークアイもその大きさに目を見開いている

「ムーディ、さん・・・?」

後ろを見るとムーディは後姿しか見えなかった

「マジかよ!」

魔力の大きさに全員が恐れを抱き、逃亡を始めたのだ

「くっそ!聞こえるか、”ビッグ・ダイン”」

たまらず拓真は無線に手を伸ばし、連絡を取る

『ッザ・・・タクマか、聞こえるぞ』

「大至急”ミドルオー”を発進させてくれ!天災級の魔法爆発が起こる!皆を守るバリアーを展開して欲しい!」

『ッザ・・・間に合うのか?すでに”ミドルオー”はそちらに向かった』

「解った!後はこっちでなんとかする、そっちも衝撃に備えてくれ!」

ペッスムの落ち着いた声が現場との違和感を演出する

空を見上げた拓真の目に超高速で移動して来た”ミドルオー”が見えた

「こっちだ、カイム!!」

たまらず大声で叫ぶ拓真

『ッザ・・・タクマ、教わった”バリアー・ミサイル”を発射する。注意してくれ』

無線からカイムの声が聞こえると同時に”ミドルオー”から”バリアー・ミサイル”が発射された


バリアー・ミサイルとは・・・


”ミドルオー”と”ビッグ・ダイン”に搭載された魔法障壁バリアーを

単独で展開させる事が出来る特殊なミサイルである



ミドルオーから発射されたバリアーミサイルが着弾するのと2人のホビットが

「くらえぇー」「まけるかぁー」

と同時に魔法球をぶつけ合うのが同時に起こる


くわっ


まばゆい光が辺りを包み、水と炎がぶつかり合い凄まじい水蒸気が立ち上る

拓真が薄目を開けて見てみると、地面に突き刺さったミサイルから展開されたバリアーが上手い事魔法球を包み込み、周りに影響を及ぼさない被害に留めていた

「ったく、規格外の魔法力だな・・・」

魔法障壁バリアーがどの程度までの衝撃を吸収、もしくは無効化してくれるのかは解らないが、前回使用した”スモルガー・マークⅡ”に搭載されている”魔法障壁バリアー”の強度から、今回もこのクラスの破壊力を持つエネルギーを無効化してくれると信じていた

「まぁ、それしか対応策が考え付かなかったってのもあるんだがな」

結構冷や汗モノの展開だった事は否めない。今後の課題である

「ちぇーやっぱくそじじい倒すにはちょっと足りないかぁー」

残念そうな声を出してヨーディがむくれる

「ふんっ、まだまだケツの青いくそがきには負けぬわ」

コーディも負けじと睨み返す

「ま、いいや。目的は果たせなかったけど、収穫はあったからね♪」

そういうとヨーディは素早く転移魔方陣を展開させる

「そんじゃばーいばいー♪」

言うが早いか魔方陣に飛び込むヨーディ

「あの魔方陣、魔界に繋がっているんだよな?!」

拓真がそれを見て目を輝かせる

「まてぃ、若いの。それに飛び込むのは無理じゃ。弾かれるぞ」

コーディが拓真を差し止める

「弾かれる?」

「そうじゃ。そういう仕組みなのじゃ。残念ながらな」

そう言われた拓真は消え行く魔法陣をただただ見つめるしかない

「仕方ないのぅ。ワシが御主らに魔法ちゅうモノを教え込んでやるか」

コーディが拓真にそう言い聞かせる

「あの馬鹿弟子も、なんとかせにゃならんしの」

拓真は改めてその場に立ち、考える。魔法の事は何も知らない自分を

「タクマーッ!」

待機していた小屋からキラッセがサリオ達と此方に向かって駆けて来る

その姿を見ながら色々と思案するのであった

次回予告ゥ 魔法という物に疎すぎると感じた拓真。その弱点を補う為にホビットの長老コーディに教えを請うが、副長老のムーディはそれを良しとせず・・・”旅情編 第五幕 魔法の真髄”でお会い致しましょう

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