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城塞都市編 第十七撃 降臨

究極のダイエット法。喰わなきゃ良い


~ナンジャー・ソリャ・ヘリクツ 格言集より~

拓真たくまの腹部を背後から貫いた刃はぎらぎらとその先端を輝かせていた

「ま、魔王、ベルリム」

誰とも無く発した言葉に、拓真は背後を確認するでもなく呻く

「魔王、さ、ま・・・」

四天王のユウゼス以下、ヤーンもヨーディも目を見開いてその様を見つめる

ペッスムとラーセルスに至っては、口を金魚みたいにぱくぱくさせている

キラッセは涙目、サリオやソーネ等騎士団の連中は、突然すぎて身じろぎすらしない

「ぐっ、がはっ!」

しゅん、とその刃を抜き放つ魔王ベルリムことカナコ。その瞬間に拓真は血反吐を吐く

「タクマッ」「おのれ!」「貴様!」

その瞬間にキラッセ以下サリオやソーネが、時間が動き出したかのように、拓真の背後に立つ魔王に掴みかかろうとするが魔王ベルリムはひらりと身をかわす

「くっ・・・!魔王、いやカナコ!貴様ぁ!」

身をかわしてそこにいる全員と離れた場所にすっくと立つ魔王ベルリムことカナコに、サリオが怒りをぶつける

「・・・サリオか。久しいな」

怒りをぶつけてくるサリオに平然と言い放つ魔王ベルリム。手に持った愛刀を一振りすると、腰の鞘に納める

「相変わらず無能な者共の手下として働いているのか。宮仕えとはいえ少しは身の振り方を考えたほうが良いぞ?」

「だまれ!裏切り者!」

魔王の言葉にサリオは腰の剣を引き抜いて構える

「残念だが今はお前の相手をしているヒマは無い」

そういうと魔王はつかつかと、ズンダの方に近づく

「ズンダ・・・連絡は受け取ったぞ」

「はい。魔王様。後はよしなに」

ズンダもうやうやしく魔王に礼をすると後に続く

「四天王よ、そう言う訳だ。ズンダは我らの側に付く事となった」

そう言う魔王の言葉にその場の全員が驚く

「んなっ、ななななな」

ペッスムは驚きすぎて声がおかしい

「さ、最初から、き、きさま!」

無言のままズンダは魔王の側に寄る

「そっかぁ・・・だから火の玉が直撃する直前に金縛りを解いてくれたのかぁ」

ヨーディが納得顔で頷く

「む、そ、そう言うことなら・・・」

「それならそうと最初から言ってよねぇ・・・」

ユウゼスもヤーンも取り合えずほっとした様子だ

「ラーセルス!」

「んっ、はっ!」

魔王の威厳にラーセルスは顔面蒼白だ

「貴様は生粋の魔族なのだ。あまり可笑しな行動をするな」

「は、はっ!」

魔王の言葉にラーセルスは頷くしかない

「ともあれ・・・生きていた事は僥倖だ。再び我が配下につく事を許そう。よいな?」

「はっ、このラーセルス、初心に帰り誠心誠意、お使え致します!」

魔王の優しさにラーセルスは最敬礼だ

「・・・・さて、こちらは全て纏まった訳だが・・・おや、そこにいるのはペッスム殿ではないかな?」

「ひっ、ひぐぅ!」

魔王の気紛れにペッスムがヤバイ

「ドサクサに紛れて何やら画策した様だったが・・・失敗だったようだな?」

哀れむような目つきでペッスムを見下ろす魔王。後ずさるペッスム。配下の私兵達に至ってはもはや腰砕けだ。先の魔法攻撃から、ズンダの魔法結界バリアーでおこぼれで助かった者達だ

「生かして置いて良いことはひとつもない。ここで消えてもらおう」

そう言うと腰の剣をすらりと抜く

「待ってもらおうか」

そこに待ったをかけたのは拓真。刺された腹部を押さえながら、立ち上がる

「死にぞこ無いの”転生者”。出しゃばるな」

魔王が視線を向けて言い放つ

「確かにそいつは、生かして置いても価値は無いかもしれない。だが、だからと言ってむやみに処刑されても困る」

腹部の激痛に耐えながら拓真はそう言う。周りではキラッセとソーネがあわあわしてる

「なんでお前が殺戮に走るのか、俺は理解に苦しむ。他に方法は無いのか?」

魔王はその言葉に目を瞑る。そしてかっと、見開くと拓真に向き直り宣言する

「無い!もはや後戻りは出来ぬ!我は、出来る事を最速で行うのみ!」

そして剣を構えると拓真に向ける

「あくまで邪魔をするというのなら、貴様らから先に消す!」

その殺気にサリオやソーネが剣を構えて拓真の前に立つ

「させぬ!」

「はい!」

二人の気迫がほとばしる

それを見て拓真がよろける。キラッセが悲鳴に近い言葉を出すとズンダを見る

「ズンダのねーちゃん!なんでそっちの方に行くんだよ!?そんなとこに居ないで、拓真を助けてよぉ!!」

心からの叫びにズンダの表情がぴく、と反応する

「ズンダ・・・分かっておろうな・・・」

魔王の言葉に、唇をかみしめるズンダ。よく見ると瓶底めがねの端から光るものが流れる

「サリオ、貴様と仲間も我の邪魔をするのか。ならば纏めて消えるが良い!」

魔王の言葉と共に魔族の本体でもある、大将ローバクウのゴーレム軍団と副将レゾウのガーゴイル軍団が魔王達の背後に揃った

「ぐ」「く」「うぅ」

それぞれがその威圧感に気おされる

その一瞬の隙をついて、ペッスムの背後から二名の鎧を纏った私兵が近づくと、ペッスムを抱えて拓真達の背後まで移動してきた

「む、お前達は・・・」

「団長!」

「すみません!」

そう声をあげて兜を脱ぐと、下から現れた顔は炎の3騎士の残り二人。

「こっそりペッスム殿の配下に紛れ込んでいたのですが」

爆炎のミース。紅いセミロングの美少女

「なかなか動くチャンスが無くて」

焦熱のセイム。銀髪のショートヘアーの美少女

「いや、よくぞ今まで我慢した。良くやったぞ」

騎士団長サリオ。金髪のロングヘアーの美少女

「全く二人とも。気付かなかったぞ!」

煉獄のソーネ。黒髪のロングヘアーの美少女

テンペロスト騎士団の美女4人が揃い踏みした


その様子を見て魔王ベルリムは再び目を瞑る

「貴様達・・・どうしても我の邪魔をするのか」

「カナコ、いや魔王ッ!貴様の行動は極端だ!犠牲を強いる貴様のやり方は賛同出来ない!」

魔王の言葉にサリオが言い返す

「そうか・・・」

魔王ベルリムがそう呟くとその両隣に二名の魔族が並び立つ

「魔族軍大将”ローバクウ”」

2mはあろうかという長身を誇る、筋肉達磨の角刈り髭面のおっさんだ。2本の立派な角が額から伸びる

「副将”レゾウ”」

ローバクウ程ではないが同じく長身でこちらは優男風の美男子だ。長い一本の角が側頭部から伸びる

魔王ベルリムを筆頭に、四天王、ズンダ、そして今現れた大将と副将。背後には100を超えるゴーレム軍団とガーゴイル軍団が飛翔する

対して、拓真の側には騎士団とペッスムの私兵、そして拓真のスモルガー・マークⅡ、着陸したまま成り行きを見守るミドルオーのみ。どう見ても不利である

「魔王の御前である。頭が高い」

副将レゾウがそう声を発すると、手を一振りする。すると猛烈な突風が吹き荒れて、拓真達に襲い掛かる

「うわ」「きゃ」「ぷ」

それぞれが突然の風に翻弄され、思わずうずくまる

「さて・・・貴様等はそこで見ているがいい。我が片付ける」

大将ローバクウが腰の大剣に手をかけて前に出る

その威圧感にうずくまってしまった全員が気おされる

だが

たった一人だけ立ち上がる漢、拓真

「ほう・・・初めてお目にかかるが貴様が”転生者”か」

ローバクウがその姿をみて問い掛ける

「そうだ・・・俺が拓真だ」

そう言う拓真であったが、腹部の傷と出血でかなり衰弱している様子

「やせ我慢はよせ。大人しくしていれば苦しまずにあの世に送ってやる」

ローバクウは腰の大剣をずらり、と引き抜くと拓真に向ける

「これだけの軍勢と我々の相手。もはや貴様には無理だ。諦めよ」

「ところがぎっちょん。こっちにも”奥の手”ってやつがあってね」

いぶかしむ大将ローバクウに向かって拓真は片手を向けて開く

「俺は・・・命をかける。そして、この世界を救う!」

そう言って拳を握り締める。その瞬間、スモルガー・マークⅡのモニターから音声が響く

「ノルマ タッセイ サイゴノシモベ ”ビッグ・ダイン” ノ ショウカンガ カノウニ ナリマシタ」


「へ・・・へへ・・・やったぜ・・・」

その音声を聞き、拓真は笑う。だが出血で結構危ない状況だ

「今、なんと・・・?」

一番近くでその音声を聞いたローバクウが聞き直す

「こい!”ビッグ・ダイン”!!」

拓真が最後の力を振り絞り、空に手を伸ばす

その瞬間、巨大な魔方陣が空中に展開、その中心から蒼い塊が現れ始める

「な、なんだ、アレは・・・・!」

ローバクウが驚き、後ずさる。その大きさはかなりの物でその場に居るすべての物を多い尽くさんばかりだ

「ゆけ、ガーゴイル軍団。アレを破壊せよ!」

副将のレゾウが配下のガーゴイル軍団に指示を飛ばす。すぐさまぎゃあぎゃあとガーゴイル軍団が飛び掛り、巨大な魔方陣から現れ始めた”ビッグ・ダイン”に攻撃をかける

「ふ・・アレが何なのか分からぬが、このままガーゴイル軍団の餌食となるがいい」

その様子を見たローバクウが再び大剣を握り締め拓真に向き直る

「そして貴様はここで死ね!」

そう言うと拓真に向かって斬り付けようとする。が、寸前に上から緑色の光の壁が現れて遮られる

「な、なんだこれは!?」

突然目前を遮られた緑色の光の壁にローバクウは狼狽する

「トラクター・ビームだ。お前にこの壁は通れないよ」

拓真はそうローバクウに告げる。緑色の光の壁は拓真達全体を覆っており、そのまま全員を上の方に吸引し始める

「うぬっ、おのれぃ!」

勢いで剣で斬り付けるが、跳ね返される。それを見たレゾウも魔法で火の玉を作りぶつけるが、びくともしない

「魔法も効きませんか」

そのまま吸引されていく拓真達の集団を見送りつつ、レゾウが呟く

「皆の者、撤退するぞ」

その様子を見ていた魔王ベルリムは全員にそう告げるとくるりと踵を返す

「は」「魔王さま?」「え」「何故に」

四天王等が疑問の声をあげる中、魔王ベルリムは振り返り

「あの巨大な物体・・・恐らくアレには勝てぬ。対策を考えねばならぬ」

そしてズンダをみやると

「そうだな、ズンダ。先代の残した魔法。それの解析もあるしな」

そう言うとすたすたと歩き出す。その言葉にズンダはぎゅうと、両手を胸の前で握り締める

「えぇ・・・その為に私は・・・カナコ、いえ魔王ベルリム。貴女につくのよ」

ズンダの顔にもはや迷いは無かった

「テンペロスト騎士団団長、サリオだ。ついに最後のシモベ”ビッグ・ダイン”が召喚された。その大きさたるやタクマ達の世界で言う豪華客船並み、だと言うのだが?おいタクマ、その傷もこの中の設備で治るのか?その、なんだ。この見た事も無い食べ物はなんだ?なんか、変な服が沢山あるぞ?この薄っぺらい布はなんだ?これも服なのか?次回、城塞都市編 第十八撃 ビッグ・ダイン で宜しく頼む。た、たくまぁ、この飲み物は・・・・おさけぇ~~?」

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