城塞都市編 第十一撃 先代ズンダの遺産
キャラ設定をわりかしテキトーにしていたので、人数が増えてくると各々の特長とか思い描いていた背格好とか、結構忘れがちに。本文を読み返してみると、容姿に言及している箇所があんまり無かったりする。今回、魔族側の容姿を少しばかり記載したけど、可笑しくないよね?だいじょぉーぶ、だよ、ねぇ・・・?
翌朝、荷物を纏めた拓真達一行は、一路城塞都市”テンペロスト”に戻る事になる
「カカカ・・・パーティ行動は久方ぶりじゃの」
そう言って荷馬車に自分の荷物を放り込んだ”ホークアイ”は誰にともなく話し掛ける
「そう言えばホークアイ殿は、家族とかはいらっしゃらないのですか?」
テンペロスト騎士団所属”炎の3騎士”の一人である”煉獄のソーネ”はそう言ってホークアイに尋ねる
「カカカッ・・・!家族等ワシのような武道家には不要な物。元より身寄りも無いゆえ、気楽な身分よ」
軽快に笑うホークアイだが、聞いてしまったソーネは苦笑いだ
「・・・それって”ボッチ”ってことじゃ・・・」
「しッ!キラッセさん!それ、言っちゃいけないヤツでっす!」
キラッセがポツリと漏らすと、魔道士”ズンダ”は人差し指を口に立ててそれ以上は、言わない!とばかりにクギをさす
「カカカ?何か言ったかの?」
「いーえ、何も!」
「イーエ、ナニモ!」
ホークアイの間延びした問いかけに、キラッセとズンダは声を揃えて返事をした
「・・・何をしてんだか」
そのやり取りを見て拓真は苦笑する。そして思う。とても昨日、生き死にをかけた戦いを繰り広げていたメンツには見えないな、と
「それにしても、先代ズンダの残した物、か・・・昨日聞いた話だと、何か金属の宝箱?に入ってるんだって?」
改めて拓真がズンダに昨夜の話に出た”先代ズンダ”から引き継いだ物、について言及する
「えぇ、私も実は引き継いだものの、箱の中身は何じゃらホイ?てな感じで知らないんですよ」
何じゃらホイ、って何?と思いながら拓真は続ける
「兎に角、ソイツを拝まなきゃな。”先代ズンダ”の話だと、この争いを終結させる事が出来るかもしれない、って話なんだろ?」
拓真は荷物の整理が終わったと見て、スモルガー・マークⅡに跨る
「取り合えず、急ぎ戻りましょう、テンペロストへ」
場所は変わって魔族軍本拠地でもある魔族城。魔王ベルリムの鎮座する謁見の間に、四天王の3人と大将、副将が勢揃いしていた
「大将”ローバクウ”ここに」
魔族軍大将ローバクウ。2m近い巨躯の持ち主で筋肉質、短髪に長大な二本の角が見える偉丈夫だ
「副将”レゾウ”で御座います」
副将レゾウ。ローバクウよりは低いが高身長で痩せ型、銀髪ロングに長大な一本の角が見える優男だ
「四天王が一人、ユウゼス」
四天王のユウゼス。ローバクウに近い巨躯の持ち主でごつい。巨大な両手斧を背中に背負い、セミロングから3本の角が見える。実は女性だ
「四天王が一人、ヨーディ」
四天王のヨーディ。身長は150cmと小柄で見た目子供。だぶだぶのローブを身に纏い、サラサラの白いショートヘアーから一本角が見える。男の子である
「四天王が一人、ヤーン・・・」
四天王のヤーン。身長170cm程の豊満な肉体を持ち、サキュバスを思わせる風貌。ウェーブのかかった茶髪のロングヘアーから二本の角が見える。エロい
夜が明けてから、魔王城に回収されたヤーンは若干顔色が悪いが、その他のメンバーは全員微動だにせず、正面の玉座に畏まっている
その玉座に座る人物。魔王ベルリムこと、カナコ
「・・・大儀じゃ、皆の者」
魔王ベルリム。身長160cm程の少女。黒を基調とした魔法少女を思わせるひらひらの衣装に身を包む。額から一本角が見え、ピンクのツインテールを留めている金色のリングが煌めく
魔族軍の幹部全員が揃った事で、魔王ベルリムが口を開く
「もはや猶予は無い。全軍を持って”転生者”を抹殺する」
その言葉に、その場の全員が顔を上げる
「お待ち下さい、魔王様。全軍とは・・・せめて、今一度我らの内の誰かに一部隊をあずけ・・・」
「よい。よいのだ、ローバクウ・・・」
大将ローバクウの言葉を途中で切ると、魔王ベルリムは立ち上がる
「私以外の”転生者”がこの世界に現れたからには、悠長な事をしている場合ではないのだ」
そう言いながら、窓際へ歩いて移動する魔王ベルリム
「確かに、我々魔族軍は精鋭揃い。対して人族は度重なる戦の連続で疲弊している」
窓の外を眺めながら魔王ベルリムは話す
「では、尚更!今一度、我等だけで!」
「”転生者”を甘くみるでない」
魔王ベルリムはそう言い放つと、幹部達に顔を向けて話し出す
「このまま小競り合いを続けても、”転生者”の成長を促し、我々の戦力を悪戯に消耗するだけだ」
再び歩き出し、玉座には座らず全員の前に立つ
「私も”転生者”だから解る。眠っているポテンシャルが成長し切らない内に、こちらの全軍をもって叩く。全力を出させない内に、こちらの全力で潰すのだ」
そして大将ローバクウの肩に手を置く
「でなければ、負けるのはこちらだ」
「魔王様・・・」
魔王ベルリムはふっと、笑みを浮かべるときびすを返し玉座に戻る。そして正面を向きなおし宣言する
「全軍、出撃用意。戦力を出し惜しみするな。目標は”転生者”が戻った城塞都市”テンペロスト”だ」
その言葉を受けた大将ローバクウは立ち上がり、くるりと向きを変えると言い放つ
「全軍、出撃!四天王の部隊を先頭に、我と副将の部隊が後詰をする!体制が整い次第、順次出立せよ!!」
「「「「ははっ」」」」
謁見の間に全員の返礼が響き渡る。すぐさま動き出した幹部達を見届けると、玉座に座った魔王ベルリムは目を閉じる
「”リム”・・・もう少しよ・・・もう少しで、アナタの夢が、叶うわ・・・」
そう言って先代の魔王ベルリムこと”リム”と名乗っていた少年に思いを馳せる
その様子を肩越しに見ていた大将ローバクウだが、直ぐに正面を向くと自分も軍を動かすべく歩き出した
此方は城塞都市”テンペロスト”に戻ってきた拓真達一行。馬で1~2時間程度の行程だったので比較的早く戻って来た。早朝に出立したのでまだお昼前だ
「戻る時、てのは意外と早い物だな~、旅行なんか特にそうだしな」
「タクマは旅行好きなの?」
城塞内で荷物を降ろしながら、キラッセが興味津々に聞いてくる
「んー?どうなんだろ。記憶が曖昧なのは相変わらず、なんだよね」
そう言いながら思案顔をするが、ぼんやりと旅行タノシー的な感覚しか思い出せない
「嫌いじゃ無い、って事くらいしか思い出せん」
「そうなのかー。俺、あちこち見て回るの、大好きなんだよね!だからさ、今度の戦いが終わったら・・・」
「まてーぃ!その先は言うな!そういうのは”フラグ”って言って、良くない事が起きる前フリなんだぞ!」
拓真は慌ててキラッセの”フラグ”を打ち消す。消せたかどうかは解らないが・・・
「そろそろ行きますよ~~?」
荷物を降ろし終わったズンダ達が、城塞にあるズンダの部屋に向かおうとしている
「おー、わかったぁー・・・アレ?ソーネは?」
拓真は一緒に来てたはずのソーネが見当たらず、キョロキョロする
「あぁ、ソーネさんは報告があるとかで、先に騎士団の詰め所に向かいましたよ」
「そうなのか」
拓真はふぅんと、周りを見渡しすでにいないソーネの姿を探してしまう。もちろん、近くにはいないのだが
「んで、後で騎士団団長の”サリオ”さんが合流するかもですってよ~」
ズンダがそう言いながら歩き出す
「そっか・・・」
拓真もなんとなしに生返事をして歩き出す。その後ろからキラッセが腕を絡めながら拓真に上目遣いで話し掛ける
「サリオさん、美人だもんね~~ッ!タクマ、早く会いたいんでしょ?」
そんな事を言いつつ腕に弾力のあるごむマリをぐいぐい、押し付けてくる
「にゃんだよ・・・”お前だけだよ”とでも言って欲しいのかぁ~~?」
拓真も負けじと、キラッセにおどけて言う
「なぁ~~にぃ~~!!」
と言いながらお互いにきゃっきゃうふふしていると
「いちゃついてないで、早く行きますよ~~!?」
とズンダに急かされる
「カカカ、仲良きことは良い事じゃ」
ついでにホークアイにも茶化される
「へーいへい、と」
「はぁーい」
なんとなしに桃色ワールドを展開しながら歩く二人を肩越しに眺めつつズンダは
「・・・イイナー、アレ、イイナー」
とぼそぼそ呟くのだった
拓真にとっては因縁の”ズンダの私室前”である。このおどろおどろしい扉に、無警戒に触ったばっかりに、電気ショックの洗礼を受けたからである
「・・・解除!」
何がしかの呪文を唱えていたズンダがそう言うと、がちゃんがちゃん、と幾つもの機械音がして扉の鍵が解除される
「では、行きましょうか」
そう言って扉に手をかけ、開け放つズンダ。その後に続く一行。と
「待ってー!私も、私も!」
そう言いながら廊下を走ってきたのは騎士団団長”サリオ”である。軽装である為か、その胸がぶるんぶるん揺れている
「はっはっ、き、貴殿ら、城主様に、挨拶も、無く・・・」
息を切らせながらサリオは追いついて話し掛ける
「・・・どっから走ってきたんだ、お前?」
拓真が呆れ顔で聞く
「はっはっ・・・城主、の謁見の間、から、だ・・・!」
そう言ってサリオは息を整える。あぁ、あそこからか。結構距離、あったよな。と拓真が考えていると
「カカカ・・・急ぎの案件じゃ。挨拶は後回しじゃの」
そう言ってサリオに話し掛けるホークアイだったが、訝しげにサリオはホークアイを見つめると
「タクマ・・・この獣人は、どちらの?」
アレ?ソーネさんから連絡、貰ってない?と拓真が尋ねると、あぁ、と忘却されていた様子。がっくりと肩を落とすホークアイを、まぁまぁ、となだめながら部屋の中へ促す拓真
「・・・これです、みなさん」
ズンダの部屋の奥、ごちゃごちゃと置かれた様々な得体の知れない品々の中で、一際目目を引く鉄の宝箱は、そこにあった
「・・・開けても?」
見つめているだけじゃ埒が明かないので、拓真がそうズンダに尋ねる
「開けたいのはやまやまなんですが、鍵が開けられなくて・・・」
そう言いつつ、ズンダが箱の蓋を触る。どれどれ、とホークアイが出しゃばって箱を開けようとするがびくともしない
「だから、鍵がかかってるんですってば・・・」
ズンダに言われてしゅんとするホークアイ。それならば、と拓真が前に出て来て
「取り合えず、調べてみるか?」
そう言いながら箱に手をかける。すると、突然箱が輝き出した
「うぉっ、まぶしっ!」
拓真がそう言うのと同時に鉄の宝箱はぎぎぎ、とその蓋を開くのであった
「魔族軍大将、ローバクウ推参!城塞都市テンペロストに魔族軍が総攻撃をかけるべく行動を開始し始めた頃、テンペロスト城内では魔族軍に対抗する”先代ズンダの遺産”がその正体をあらわにしようとしていた。ふん!いかな手段を講じようとも、我が無敵の魔族軍には勝てぬわ!次回 城塞都市編 第十二撃 遺産の正体 で進軍開始だ!・・・なんだと?四天王のユウゼスとキャラが被ってる?馬鹿め!ヤツは女!我は男だ!」




