表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/64

城塞都市編 第四撃 鷹は舞い降りた

タカワシは鳥類分類上、同種だそうですが身体の大きさで呼び方を変えるそうです。

小さいのがタカ大きいのがワシ、だそうです。・・・イカとスルメみたいなもんかしら?

(多分、全く違う)

翌朝、拓真たくまとキラッセ、”煉獄のソーネ”に”第24代魔道士ズンダ”達一行は、昨夜宿屋に戻った拓真から聞いた話通りに、待合わせ場所に来ていた

「昨日はここで”ホークアイ”のヤツと出会い、鳥目だから日が明けてから来てくれ、という話だったんだが」

待合わせ場所に来た拓真はそう言って周りを見渡す。人影は無い

「また上から来るんじゃねーの?」

キラッセが上を向きながらそう呟く

「そうかもな。昨日も飛んで帰ってったし・・・」

拓真が相槌をうつと、ソーネが頷いて空を見上げてきょろきょろしだす

「皆さん、正面から。ホークアイさんが歩いてきますよ?」

ズンダが指差した通りの向こうから、ホークアイその人が徒歩で此方に向かって来るのが見える

「カカカ・・・皆で惚けたように空など見上げてどうした?珍しい物でも飛んでたか?」

お前を探してたんだよ!と全員が心の中で思うが、顔に出すだけで言葉にはしない

「・・・あー・・・ホークアイ、だったか。自己紹介がまだだったな?俺は拓真だ。宜しくな」

「カカカ・・・転生者は誰もが変わった名前よの。ワシの名は、ホークアイだ」

鷹で、自分の事を”ワシ”って言うのか・・・とつまらない事に気を取られる拓真。まぁ、基本的には同じ種らしいから、どっちで読んでも問題無さそうではあるが

「騎士団所属の”炎の3騎士”が1人、”煉獄のソーネ”だ」

うん、相変わらず二つ名は外さないのね

「お久しぶりですぅ!私です、私!覚えてますか!?」

ズンダがきゃいきゃいと、ホークアイにアピールする

「カカカ・・・相変わらず忙しないのう。今じゃ”見習い”じゃなく、今代”ズンダ”かの」

ホークアイが腕組みして値踏みするようにズンダを見つめる。照れるズンダ。ホークアイは視線を移し、キラッセを見る

「・・・して、そこな小僧は?」

「小僧じゃないやぃ!俺はキラッセ。”閃光のキラッセ”ってんだ。覚えときな!」

そういやぁ、キラッセにも二つ名があったっけな、と改めて思い出す拓真。すっかり忘れてたが

「カカカ・・・勇ましいのう。小僧にしておくにはおしいの」

「だーかーら!小僧じゃねーっての!」

うん、ホークアイも困惑してるから其れ位にね、キラッセ。君を女性だと気付かせるには、言葉遣いを直そうね?と拓真が考えていると、ソーネが会話を繋げる

「して、ホークアイ殿。此度は、そなたに聞きたい事があって参ったのですが」

「カカカ・・・承知しておる。カナコについてであろう?」

キラッセとのやり取りを切り上げ、会話に乗って来るホークアイ

「カカカ・・・さて、どこから話した物か・・・」



どこから話したのか解らないくらい、あっさり話しは終わった。結論。”何も知らない”

「カカカ・・・ワシはあの夜、バルコニーに集まった時には眼が良く見えなくての。会話には参加せず、自室に戻ったのよ」

そういや鳥目でしたっけね。アナタ。皆がそう思った

「それでも、何か空気みたいなのは感じなかったかね?不協和音的な物があったとか?」

拓真が食い下がる。折角の当事者なのに”何も知らない”じゃ困ってしまう

「カカカ・・・不協和音、ね・・・元々、魔族と魔王打倒に集ったはぐれ者同士。ワシはさして皆との距離は近くなかったしの」

「よくそんな関係で、魔族軍と魔王を打倒出来たな」

寄せ集めとはいえ、同じパーティ組んだ仲間だろうに、と拓真は憤慨する

「カカカ・・・あのパーティは”カナコ”を核にした少数精鋭部隊みたなモノであった。それ程に”カナコ”の力は圧倒的だったのだ」

転生者・・・勇者の肩書きを持っていたんだったな。拓真は頭の中でそう思う

「カカカ・・・”カナコ”は剣術も体術も秀でた力を備え、魔術においてさえ先代ズンダを遥かに超える力を持っていた」

そう言うとホークアイはうなだれて視線を落とし呟く

「カカカ・・・身内では”もう全部アイツ1人でいいんじゃないか?”という話があったくらいよの」

「・・・なんか、思っていたのと随分話が違うな」

拓真はお互いが切磋琢磨しながら支えあう、熱い心を持つ者同士、的な関係を期待していたので正直ホークアイの独白に困惑を隠せない

「それじゃパーティの不平不満が、凱旋式典の夜に爆発して、カナコが凶行に及んだと言う線もあるって事か。いや、話の流れからするとそれが正しくも思えてきたな」

名探偵拓真は、言葉に出し右手であごをさすり、今にも結論を出しそうな雰囲気だ

「違いますぅ!お師匠様は、決して、そんな、ギクシャクした関係を、カナコと築いてはいませぇん!」

ズンダがホークアイの発言を否定するような物言いをする。そういや、先代ズンダ様って・・・

「先代ズンダ様は、女性だったのかい?」

今更ながら拓真がズンダに尋ねる

「はぃぃ!お師匠様は女性ですぅ!パーティメンバーは6人中4人が女性でしたぁ!」

うわ、女性率たかッ!・・・拓真の灰色の脳細胞はそこで結論をひとつ弾き出す

「それじゃ・・・パーティはほぼ女性の集まりで・・・おい、ホークアイ。お前、ハブだったんじゃ・・・」

「ッカカカ・・・!なんつーことを言い出すんじゃこのガキャァ!」

いきなり言葉遣いが荒くなり、激高するホークアイ。核心ついちゃったか?

「・・・・・カカカ・・・ゴホン・・・そんな訳なかろうもん・・・・」

今更だが取り繕うホークアイ。・・・キラッセもソーネもジト目で見てるぞ

「兎に角、だ。ホークアイの話は全く参考にならない事が、解った!」

拓真がそう言って、両手をぱちん、と叩いて宣言する

「カーーッツ!」

ホークアイが鷹の癖にカラスみたいな声をあげる中、そうだね、そうだね~と言いながら全員がその場を後にしようとする

それを見たホークアイはがっくりと両手両膝を突き、”Ort”みたいなテンプレな土下座ポーズになってしまった

「・・・なぁ、ホークアイ」

さすがに哀れに思ったか、拓真が肩に手を置き語りかける

「カナコとのパーティでお前がどんな立ち位置にいたか、俺は知らん。だが、同じメンバーの事を見ていなかったのは、実はお前自身だったんじゃないのか?」

「カカカ・・・変な同情はよしてくれ・・・ワシは・・・あのパーティでの自分の立場が解っていなかった、いや解ろうとすらしなかったのかも知れん」

そう言うと立ち上がり、拓真を見やる

「役に立たなくてすまなかった。他のメンバー達から詳しい話が聞けるといいな」

ホークアイは翼を広げ、飛び去っていった

「・・・普通に話せるじゃんかよ・・・」

その姿を見つめながら拓真はそうボヤいた



「それで残りのパーティメンバーは何処にいるか、検討はついているのか?」

宿屋に戻った拓真は次の目標を設定すべく、ソーネに話しかける

「残念だが残りの3名は不明だ。今回のホークアイが唯一の目撃情報だったのだ」

ソーネが残念そうに伝える。拓真は考える

「それじゃアイツだけが、城塞都市近辺から姿を消さずに、ずっとこの場所に居たって事か?だとしたら、一番仲間の事を思って気にかけていたのは・・・」

そこまで考えて拓真はもう一度、ホークアイに会おうと決意した。だが

「大変だー、魔族軍だーー!魔族軍が攻めてきたぞーーー!」

表通りから叫ぶ声が聞こえる

「なんだと!」

「こんな時に・・・」

「タクマぁ・・・」

「ききき、来ましたわね!魔族ぐんーーーー」

拓真、ソーネ、キラッセ、ズンダとそれぞれが一斉に声に出し、外に飛び出す

「俺はスモルガーで出る!ソーネはキラッセを頼む!ズンダは魔法で援護に回ってくれ!」

それぞれに指示を飛ばし、拓真はスモルガーに跨るとエンジンをスタートさせた



ホークアイは集落”ヘローン”の遥か上空を飛翔していた。気流に乗って旋回中である

「カカカ・・・ワシは・・・あのパーティにおいてどんな役割を担っていたのじゃろう」

思い出すのは、短くも楽しかったと思えるパーティでの冒険の日々。それなのに口をついて出たのは”何も知らない”だの”はぐれ者の集まり”だのネガティブな発言ばかりだった

確かに、パーティ内での力関係から言えば、カナコを頂点とし皆がそれに従っていたパーティだったが、ある意味それが心地よくもあったはず

そんな事を考えながら気流に乗っていると、なにやら眼下が騒がしい。見るとどうやら魔族軍が攻めて来た様で、戦いが始まっていた

「カカカ・・・魔族軍、か・・・」

戦闘の最前線には、あの”転生者”が乗っていた赤いゴーレムの乗り物が動き回っている様子が見える。その後方、集落の入り口辺りには、突破してきたモンスターを攻撃魔法で蹴散らしているズンダも見える

「カカカ・・・あの”ひよっこ”がの・・・」

その姿を見て、ホークアイは考える。あの時・・・


凱旋式典の後、何故かズンダは殺され、犯人はカナコだという。そして自分を残してパーティ全員が居なくなり、何がなんだか訳が解らなくなる。それでも何時か、カナコを中心にメンバーが集まり、真相を暴くだろうと思い、城塞都市に一番近いこの集落”ヘローン”に身を隠した。だが、結局誰も集まりはしなかった。それどころかカナコは魔族に鞍替えし、魔王になってしまった。もはや何もかもが信じられない。そんな思いから出た先の拓真達への発言だった・・・


眼下の戦いを見つめるにつれ、鬱積した思いはやがて爆発する。何が原因で、何が、いけなかったのか?その答えを見つける為には、あの”転生者”がカギを握っている。それならば・・・

「今一度、戦いの中に身を置くしかあるまいて!」

そう叫ぶと、ホークアイは急降下を始めた

戦いの中心である、拓真達の元へ

「どうも!私、ズンダですぅ!ホークアイさんはどうやら何も真相を知らなかったようで、残念だったです!でもでも、なんか頼もしい仲間になりそうな気がしません?そんな訳で次回、城塞都市編 第五撃 四天王の秘密 に照準あわせ!ですぅ!!・・・へ?私の本名、ですか?ししし、失礼な!”ひよっこ”なんかじゃありまっせぇーーーーん!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ