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超絶兵器ミドルオー、そしてタイマン・・・決着

第二のシモベ、”ミドルオー”の召喚により、劣勢な立場から大逆転の様相を呈した拓真たくま

「さぁ、どうする?ラーセルス!このミドルオーは、スモルガーと違って火力はばつぎゅんだぜ!」

最後、ちょっと噛んでしまったのはご愛敬だ。不敵な笑みを浮かべる拓真。対するラーセルスは万歳ポーズから次の動作に移れないで、ぷるぷるし始める

「く・・・くそくそくそ・・・いけぇ!」

半ば半狂乱に両腕を振り下ろし、進軍の合図をしてしまうラーセルス。異形を放つ”ミドルオー”にたじろいでいた魔族軍のモンスター群だったが、指揮官の命令とあっては動かざるを得ない。こちらも半ばやけくそ気味に一斉に雄たけびを上げて突進し始めた

「・・・仕方ねぇ。ミドルオー、ガトリング・アタックだ!」

ミドルオーにそう指示を飛ばすと、その声に反応するかのようにミドルオーの正面に埋め込まれたランプが反応する。ちかちかとランプが点滅するとボディ先端の下部がしゃこん、と開き、禍々しい銃身がその姿を見せる。それと同時に、その銃身が回転を始め、連発花火のような音を響かせる

ぶぃーん ぱんぱんぱん たたたたたた

回転音と、発射音、着弾音が、ほぼ同時に聞こえる。あっと言う間に突進してきた魔族軍はガトリング・アタックの餌食となり、細切れのひき肉と化していく

「あっ、な、な、な・・・」

悲鳴を上げる間もなく絶命し、果てていく自軍を見てラーセルスはもはやそう言うのがやっとだ

「ストップ」

手を上げて・・・わざわざ手を上げなくてもいいのだが・・・ミドルオーにガトリング・アタックを止めさせる拓真。その静止した銃身からはからから、と惰性で回転する音が聞こえたが、すぐに止まる

「・・・・・・・・・」

ガトリング・アタックにより見るも無残なミンチとなり、総勢200名はいた魔族軍は壊滅してしまった。丁度、ラーセルスの座る御輿玉座を残して。動く物すら無くなった自軍を見つめてラーセルスは唇を強くかんで押し黙るしか無かった

「どうする、ラーセルス。お前の兵隊さんたちは、全滅したぞ」

唇をかんでぷるぷるしているラーセルスを残し、まわりの魔族軍が一掃された状態を作り、敢えて挑発する拓真。これで何がしかのアクション・・・”降伏”、を期待していたのだが

「・・・だ」

「は・・?なんだって?」

「決闘だ!タクマ!俺と、一対一で!」

おいおい・・・なんでそうなるんだよ。と拓真は思いながら、溜息をつく。そこは”降伏”するとこだろう、と

「おおおお、臆したか、タクマ!救世主もゴーレムが無ければ、た、只の臆病者、だったわけだ!はーははははっはは!」

等と勝手な事を抜かしており・・・”ドラゴン”持って来て威張り散らしてたの、忘れたのかよ、と・・・

「よーし、いいだろう。そこまで言うなら相手してやる」

以外にも、拓真はそれを承諾した

「えッ!?タクマ、大丈夫なの?」

なんかさっきから急に女の子らしくなってきたキラッセが背後で驚く。集落側からもざわめきが聞こえる

「タクマッ、そんなヤツの言う事なんか聞かなくていいぞ!戦いはこちらの勝利だ!」

集落側からカイムの大声が聞こえる。そうだそうだと、そうだ村の村長さんよろしく集落の皆さんも声を上げている

「お・・おぉぉ、さすがは救世主!話が分かる事で、結構ぅぅ!」

まさかの一騎打ち受諾宣言により、勢いづいたラーセルスが落ち着きを取り戻し、ふぅーと息を吐いている。何せあっと言う間に自分一人だけにされたのだから、総出で袋にされても文句も言えない状態だったのだ。起死回生とも言える

「ただし、条件がある。俺は、武器等の類は不得手だ。条件はお互い素手だ」

拓真はそう言うと半壊状態のスモルガーから抜け出して、飛び降りる

「よ、よかろう!素手での殴り合いだな。受けてたとう!」

ラーセルスは一瞬、条件がある、という発言に固まったが素手で戦おう、という意見に満足したようだ

「ちょ、タクマ!」

止める間もなく飛び降りた拓真に、キラッセがあとを追いかけるように抜け出してくる

「タクマッ、待てタクマ!」

たまらず集落側からもカイム他、何人かが駆け寄ってくる。松明の明りしか無かったが、今は煌々と照らすミドルオーの照明がある為、周囲は明るい

「タクマ、一対一の素手で勝負って、本気か?」

「あぁ、本気だー」

傍まで来たカイムにそう告げると、拓真はスモルガーの背面の荷物入れのハッチを開く。中にはヘルメットの他に、バイク用グローブと脛当などのプロテクター類があった

「んー、まぁちょっとここらで確認しときたいこともあるし、アイツは生きたまま捕らえて、魔族軍の情報を聞き出さないとな」

カイムに答えながら、荷物入れから出したプロテクター類をかちゃかちゃと、慣れた手つきで装着していく。着けたのはグローブと右腕と両脛当のプロテクターだ

「うっし、これならいけんだろ」

そういうとグローブをした手をぱんぱんと、叩いて合わせ準備万端とばかりにラーセルスを睨む。あちらはあちらで、こちらが準備してる間に何やら怪しい動きの準備体操的な事をしていた

「まぁ、ここは任せとけ。万が一、俺が負けたら・・・そうだな、後ろからアイツの後頭部でもぶん殴って気絶させてくれ」

カイムにそういうと、ウィンクしてラーセルスに歩み寄る。と、それまで黙っていたキラッセが突然首に抱き着いてきた

「負けないで!」

「・・・!」

精一杯の表現だったのだろう、そう言うと頬にキスしてきた。そのまま静かに離れると、引き留めても無駄なのだろうと判断したのか後ろに下がる

「ははは、余裕だな!タクマ!」

その様子を見て、ラーセルスが愉快そうに笑う

「そうでもないさ。天使の加護を得たんだ。頑張らなきゃな。それよりもラーセルス」

「なんだ?」

「よく待ってたな。てっきり逃げるか奇襲してくると思ってたのにな」

「・・・・・・!」

丁々発止のやりとりは、拓真に軍配が上がった。急に眼差しを鋭いものに変えると

「遊びは終いだ。行くぞタクマ!」

言うが早いか、猛然とこちらに飛び込んで来た

その動きを冷静に見切り、片手でいなして優位に立つ拓真。そこから更に反転して攻撃を仕掛けてくるラーセルス。

動きながら拓真は思う。俺は何故、こいつの挑戦を受けたのだろう。なぜ、闘う事に躊躇しないのだろう。確かおぼろげながら幼少期に空手を習ったはずだが、その程度で命のやり取り?おかしいかな?と

「どうした、タクマ!防戦一方じゃぁないかぁ!そろそろ隙がみえるぞぉ!」

素早い動きで拓真の周りを、ヒット&ウェイよろしく動き回っていたラーセルスだったが、徐々に余裕を取り戻したのか、言葉で挑発をして来るようになった

「んー・・・そんならよ、っと」

言うが早いかラーセルスが脇を抜ける寸前、片足を鋭角に曲げて膝蹴りを放つ。すかさずラーセルスが躱すが、その後を電光石火の動きで拓真が追いかけ、肘打ちを背中に落とす

「ぐが!かはぁ・・・!」

背中を痛打されたことにより、猛烈な痛みで動きが止まるラーセルス。更に追い打ちをかけるように拓真がもう一つ、肘打ちをその背中に落とす

「・・・・・!!」

痛みに耐えかねて、そのままラーセルスは地面に倒れ悶絶したまま気を失ってしまった。あっけなさすぎる勝利、幕引きである

「やったッ!」

「タクマッ!」

「おおおおーー!」

カイム、キラッセ、集落民が一斉に、歓声を上げて盛り上がる。戦いは終わったのだ

「・・・・ふぅ」

自分の手を、握ったり開いたりしながら何かを確認する拓真・・・答えが出たのであろうか

「俺・・・俺さ、なんかみんなより3倍位、能力アップされてるみたいだ」

「え、さ、3倍?」

「まぁ、たった、だけどな・・・感覚がおかしいから、それを確かめておきたかったのと」

それに、という言葉を飲み込んで拓真は顔を上げる

ライトアップしたままのミドルオーと、半壊したスモルガー、そして眼下に横たわったまま気絶しているラーセルスを交互に見やり、拓真は思う

「俺は・・・本当は何者なんだ?」

と、誰に問うわけでもなく呟くのであった


暗闇の中の出来事だったよな?暗闇の・・・な?

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