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愛しき姫は異世界に  作者: janky
第9章
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やや~過去編13

「花屋敷家術韻 (かい) 捜出(そうしゅつ)


舎羅登さんの低い声に式神が3体舞い上がる


そこに舎羅登さんの念を結びつければすごい速さで消えていった



目を閉じて集中する舎羅登さん

その様子をみんなが真剣に見つめる


「居た!」


ハッと目を開ければそのままとびだしていった


「阿兎、行こう」

「うん」



走りが早い舎羅登さんの気を追っていく


清女部がある一番奥の校舎に向かう

その最上階は会議室と資料室、そして資料倉庫がある


その資料倉庫前で足を止めてた舎羅登さんに追いつく


「離れてろ」



そう言われればかかっていた術韻を解いて


「やや!」


っと中に入っていく


「やや!?」


阿兎も中に入り駆け寄る


「意識がないな

お薬処に運ぶ、阿兎は臨時の先生に後頼んで、

和兎は零恩志に式神飛ばしてその念の元凶達を先生に突き出してくれ」

「はい」

「分かりました」



ややを抱えて薬処へ向かった


「舎羅登先生、どうされました?」


使用人達が慌てて声をかけてくる


「ややが、閉じ込められてたんだ

中度の脱水症状起こしてる…」

「解りました、すぐ補水出来るものお持ちします」


「助かる」


扉を開けベッドに寝かす


「やや、やや」


朦朧(もうろう)とするのか少し目を開けては閉じてと繰り返していた


「先生、ここに置いておきます」

「すまない、(さら)し外してタオルかけてくれるか?」

「分かりました」


廊下に出て手を消毒する


「先生、できました」

「ありがとう、体に変わったことは無い?」

「はい。痣などもございません

あと必要なものはありますか?」

「いや、大丈夫だ

もうすぐみんな来ると思うから案内して消毒ちゃんとするように伝えて」



部屋に戻りややの顔を横に向け

吸い飲みの器に補水液を居れる


「やや、ゆっくりでいい飲み込むんだ」


口元に差し込むと少しづつ飲み込んでいくが

上手く入らなかった分が流れていく


「やや、聞こえるか?」


目を開けたややと少し視線が重なるがまたすぐ閉じてしまう


「っクソ」


残りの補水液を口に入れ

ややの体を起こし口付ける


「ん…ッ」


ゴクッと音が数回鳴り俺を安堵が包み込んだ


その瞬間

「こちらです」


部屋のドアが開くのが微かに見えて

瞬時に唇を離した



「え////」

「舎羅登さ…ん?」


阿兎と和兎が固まり

後ろから源様と七翠様の姿が見える


「いや、あの…これは」


そう言いながら下を向いてもっと血の気が引く


抱き上げたせいで胸にかけていたタオルがはだけ、胸元が露わになっていた…


「すみません」


バサっとタオルを引き上げ胸元に押し当てる


「治療中だろ?

構わない続けろ」


源様の声に視線をあげた


「大丈夫よ、舎羅登君

それでややは?」


ややをゆっくりベッドに寝かせて


「中度な脱水になったので、補水液をいれました、上手に入らなかったので…口でさせてもらって…その、すみません」


「いいのよ、

それよりこんな酷いことする子達が居るなんて…」

「世の中を生きていく上では誰もが似たような事を経験するだろ」

「あなた…」

「おかげで式神を飛ばせるようになったなんて

凄いことだろ?

目先の事に目くじらたててたら何もかもややが可哀想になるだけだ

いい事を見つけるんだ。

ややはこれで昨日より強くなれた」


流石は零恩志の長でありこの世界の第1級貴族を担ってる人だと思った


「そうですね…」

「それに、未来の婿も決まったしな」


っと俺を見て笑う源様に驚いた

「え?」

「お前、まさか。

覚悟もなしにややに口付けたのか?」


厳しい顔になった源様に七翠様に助けを求める視線を送る


「清女に手を出せるのは婚約者のみよ?」


「いや…これ…入ります?」


と笑えば2人とも笑い出した


「じゃあ後は頼んだ」

「冗談よ

でも私達はいつでも舎羅登君なら歓迎だからね」


2人とも仲良く部屋を後にして腰を抜かした


「本気で怖いんだって源様…」


「舎羅登さん、ビックリさせないでください」


阿兎が横に座りややの頭をなでる


「本気でそんな関係なのかと…」


和兎もイタズラにそう笑いながら椅子に腰掛けた


「やめろ、あの2人がどれだけ怖かったか知らねぇから笑えるんだって」

「いやいや、今でも源様は充分怖いですよ」

「七翠様は優しいイメージしかないかな」

「あー、変な汗かいた」


ややの顔色は戻り疲れを回復するように眠りに付いている


「これくらいでって言ったら怒られるかもしれないですけど、速いうちに解決して主犯の子達も解って。

ややが少しでも安心して授業できるようになって良かったです」


和兎に頷いて


「そうだよね。

あの子達どうなるんですか?」


舎羅登さんに聞いてみる


「さあ…源様と七翠様の判断と、

ややがどうするかだよな

今までは、皇帝(こうてい)区、貴帝(きてい)区からの追放が多かったな」


皇帝区とは高専や零恩志、花屋敷がある敷地をそう呼んでいる


皇帝区の周りを囲って居るのが貴帝区

第2級貴族から第5級貴族までが住んでるので

かなりの広さをそう呼ぶ

さらにその周りを囲むのが志帝(してい)

貴族の方が贔屓にしているお店や、高専に通う子達の家族が住んでたり、宿や遊戯場などもある


その向うが川になり、谷田川地区などに繋がる


「高専に入るのも大変なのに、

こんな事で勿体ないよね」

「しょうがないだろ、

何も考えてない方が悪いんだろ」


和兎の言葉に舎羅登さんは頷いて


「そういう事だな

まあ、ややが目覚めてどうするか聞いてみよう」


そう言ってタバコを灰皿に押し付ける


「そうします

和兎帰ろう」

「そうだな」


立ち上がろうとした私の腕をガシッと強く握られて元凶に目を落とす


焦るようなややの瞳と重なった


「どうした阿兎?」


不思議そうに振り返った和兎に


「やっぱりもう少し居ようかな」


って笑えば

舎羅登さんが


「じゃあ俺、他の人の診察済ましてくるから」


っと手を上げ部屋を後にした

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