表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛しき姫は異世界に  作者: janky
第9章
88/220

やや~過去編4

「本当にこないだはありがとうございました」

七翠(ななみ)ちゃん、そんなに頭下げないで」

釈愛(しゃな)ちゃんも羅生(らい)君も疲れてたでしょ?」

「ううん、家は男しか居ないから娘ができたみたいで嬉しかったよ」

「釈愛ちゃん…」


切なくなるのは仕方の無いことだと思った

釈愛ちゃんが忘れた過去は悲しい事故だったから


「どうしたの?難しい顔して」


ややちゃんのお母さんである七翠ちゃんと私は旧知の仲で、羅生と出会わせてくれて後押ししてくれたのも七翠ちゃんだった


「ううん、元気そうで良かった」


ガラガラっと玄関の扉の()く音に視線を向けた

「ただいま」

「あっ舎羅登君!この間はありがとうね」


汗だくの舎羅登君が玄関に置いてある椅子に腰掛けた


「あー、おばさん久しぶり」

「頭怪我したんでしょ?」

「いやいや、このくらいまだ可愛いもんですよ」

「高専の先生から意識無くなったって聞いて」


そう不安な顔をした七翠ちゃんに


「七翠ちゃん、それは気にしないで

この子前の日、羅生達と遅くまで飲んでてあんまり寝てなかったのよ」

「そうなんです

だから気にしないで下さい」


そう言えばホッとした顔をした


「でも良かったわ

大事に(いた)らなくて…」

「やや頑張ってますよ

式神練習」

「本当?あの子過保護に育ててきたから、どこか世間知らずで…甘えたでしょ?」

「まあ、初めはそう思いましたけど…」

「ちょっと舎羅登!」

「いいのよ、本当の事だから

ややが卒業したら清女部が貴族向けに本格的に始まるでしょ?

既に第二級貴族以下の20未満の子達が凄く応募してきてるみたいなの…それに(げん)が焦ってね」

「おじさんでも焦ることあるんすね」


源様は零恩志家の当主であり、

ややと龍の父上になる


「そうなの、いきなりややに式神1体持てるようになれって言い出して大変だったのよ」

「でも、ややちゃんも源君と七翠ちゃんの血が流れてるからすぐに出来そうね」

「そうそう、筋良いですよ

だいたい、2年かかりますからね

今の1皆生より出来てます」

「本当に、良かったわ」

「そう言えば、ののちゃんどう?

調子よくなった?」

「うん、今はお爺様の家で力貰ってるから安定してる」

「のの…って一番下の?」


舎羅登の問に七翠ちゃんが頷いた


「二か月前にね、除霊したつもりの念がこっそり着いてきてて、ののに移ってしまったのよ

祓いは出来たけど、まだ10歳だからか、体力がなかなか戻らなくて」


そう言えば舎羅登君が何かを考えて


「………俺にちょっと見せてもらえませんか?」


そう言ってくれた


「そうよ、七翠ちゃん

この子色んな術韻の勉強して頭だけは良いから

何が原因か解るかもしれないわ

だってもう二か月でしょ?」

「そうね…舎羅登君見てくれる?」

「任せて下さい

急ぎなら今から見ましょうか?」

「ちょうど源が行ってるから、

零恩志の屋敷まで連れて帰ってきて貰うわ」

「それなら俺の術韻室があるのでそこでしましょう

小さな子供に乗り移る念はだいたい検討がつくので」

「…解ったわ」



七翠ちゃんは急いで式神を飛ばし準備に帰って行った


「大丈夫なの?

ののちゃん…」

「二か月だと育ってるかもしれない

たまに取り付いた念が祓われる時新しい念を作り出して浄化する時があるんだ

子供についた念はそのケースが多い

だからお祓いしても、元気がなかったり体力が戻らず体の中で念に吸収され念が育ち大きな悪念となってその身を乗っ取るんだ」

「じゃあののちゃんも?」

「ああ…零恩志の爺さんが念を送ってるならかなり育ってる可能性はある

それか、最悪呪いかもしれない」

「それだと1人で大変ね、私も行くわ

念を舎羅登に送る、羅生にも声かけておく」

「助かる、今日に限ってかなり授業で念を使ったから」


そのままお風呂に入り体を清める


「はあ…やるか」




__________




お薬処に集まるように言われ

龍と寮から向かった


「のの、大丈夫かな?」

「流石に二か月はおかしいよな」


術韻室とかかれた扉が開いていて

覗けば一気に緊張感が増していく


「舎羅登さん…」


前髪をかきあげ上で固めてるため

男前が増していた


「姉様、舎羅登さんってあんな顔してたんだな」

「そうだね」

龍も驚いてそう言った


「お父様の所へ行きましょう」


お父様が座ってる横に座れば

台の上に眠るグッタリした

ののに不安になる


台の横には小さな泉があって、舎羅登さんが毎日念をかけているって後ろに座る親戚がそう言っていた


綺麗な袴に綺麗に並べられた盛塩

大幣を舎羅登さんが座る前の台に使用人の人が運んできた


「それではこれより、零恩志ののに憑きし悪き霊を祓います」


舎羅登さんの声にみんなが舎羅登さんに念を送り出す

お父様やお母様も


「ややと龍は念を送るのに慣れてないと思うからそこで大人しく見てろよ」


っと舎羅登さんが優しく言ってくれた


2人で頷けば

バサッと袴を振り、ののに体を向けた


「皆様、これより姿表しき念はどんな事があろうとどんな念だろうと攻撃してはなりません

のの様と念で繋がってる可能性があります

そして、封印、除霊に支障がきたし、のの様の中に再び戻られると2度と離すことは出来なくなります

どうか、気を沈め見守り下さい」


その言葉にほぼ全員が頷いた


でも私には1人怖い形相(ぎょうそう)で見つめる人が目に入る…

その人は部屋の隅の方で座っている

こういう時は階級事に座るのが決まりで

一番前が本家、そこから順番に後ろへ向かい階級が下がっていく本家筋の親戚、分家、分家筋…


1番後に行く頃にはほとんど関わりのない親戚…

念を送るお父様に声をかけようか迷ったけど

集中を邪魔してはいけないと思いグッと飲み込んだ


大幣(おおぬさ)を振り舎羅登さんが唱え出す


「音魂の言霊 姿無き邪神の結晶

神に仕えし我の言葉に

姿現し聴き(たま)えよ


花屋敷式術韻 現姿(げんし)の術」


俺の声と同時に

のの様の中から灰色の念が姿を現し

念を溜めたそれは(おぞ)ましい女へと姿を変えた


爪は割れ髪は腰程長く絡まりボサボサ

顔の色は悪く目は黒目が数倍大きくなり白目の部分はほぼなかった


「これは…」

「酷い…」


口々に目を(そむ)けるみんなを他所(よそ)に舎羅登さんは

大幣を納め手をののに(かざ)

高専では見たことない

術韻師の顔に変わっていった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ